'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
人気コーナー!トップジョッキーならではの本音、レースへの意気込みをお届けします!
11月11日時点1556勝
チャンピオンズCはチュウワウィザードと連覇へ
2021/12/3(金)
今年のチャンピオンズCは初ダートの3歳、フェブラリーS勝ちなどのライバルも名を連ねるが、前年度覇者の人馬として貫禄をみせたいところ。JBCクラシック3着からのステップはその昨年と同じ。1週前追い切りにも昨年同様に騎乗しており、レースに至るまでのアプローチはダブるもの。あとは連覇という最善の結果となるか、注目だ。
2度の海外遠征で精神面が成長
——さあ、今週はチャンピオンズC(G1)ですね。今年もチュウワウィザードとのコンビで挑むことになりましたが、骨折明けであり、休養明けだった前走のJBCから上積みが期待されるものです。
一度、叩いたことで本当に上向いていますね。1週前追い切りに乗せていただいたところ、良い状態で来ていると感じました。連覇を目指したいです。
——追い切りは昨年と近いメニューでしたが、一年、歳を重ねたことによる変化はなかったですか。
強いて言うほどのものはなかったですね。海外は昨年がドバイ、今年はサウジアラビアからドバイに転戦しましたが、2度目の海外ということで馬の精神面での成長はあると思います。だいぶ前に新潟で乗せていただいた頃と比較しても随分と子供っぽさはなくなりましたから。
——枠順は7枠13番になりました。
昨年も真ん中より外でしたからね。外目ではありますが、いいんじゃないですかね。
——道中の行きっぷり、手応えは昨年のようになりそうですか。見ている側からすると、ちょっと心配になるものですが。
乗っている方も思いますよ。でも、今年もスローになるとは思わないですし、そうなると思います。
——となると、内枠過ぎるよりは良かったですね。
そう思います。中京は内を回った方がいいコースとはいえ、走りのタイプ的には促しつつとなると思うので。むしろ上り勝負のような展開になるよりはペースが流れた方が合うと思っています。昨年、手強いと言われていた他馬に勝っていますし、今年も期待しています!
——その辺りはペースが流れ辛い交流重賞とはまた違ったところですね。連覇に期待したいところですし、今の競馬界の流れからも勝って来年、再度の海外遠征も期待したいところです!土曜は中山で騎乗。未勝利のサトノブレス、新馬のサマーモーリスとどうでしょうか。
サトノブレスは芝で走りましたが、ダートの方が良さそうという印象を受けました。前走以上の走りに期待したいですね。サマーモーリスは前向きさこそありますが、まだ追い出してからの走りが固まり切っていない雰囲気。使いつつ良くなってほしいです。
ヴァンデリオンは東京よりは中山の方がいいタイプ。あとは展開や相手関係次第ですね。ラストサムライは能力があると思うのですが、気性が邪魔している部分もあるかと思います。どちらかといえば外枠の方が良さそうですが、気分よく走れれば巻き返せるのではないでしょうか。
——ステイヤーズS(G2)にはマンオブスピリットが予定しています。
イメージになりますが、距離が長くなる分、これまでより道中で対応できると期待したいですね。今年は例年以上に混戦模様。騎手も馬も条件には未知な面があると思いますし、期待を持って臨みたいです。
——ゼログラヴィティは前走が戦前の追い切りではそこまで強調できるものではなかったようですが、終わってみれば快勝でしたね。
追い切りではワンペースだったり、気合いの入り方や体の使い方に課題を感じました。それがレースでは全く違いましたね。今回の追い切りは身のこなしもいいですし、勝ちっぷりからも楽しみです。
——日曜にはこうやまき賞でサンカルパが新潟以来のレースとなります。
前走で勝ち上がってくれましたが、良くなりそうな余地を残している印象でした。どれくらい成長しているかというところですが、引き続き左回りですし、あとは成長面に期待したいです。
ワグネリアンは本調子になく直線で失速
——先週、ジャパンC(G1)のワグネリアンはどうだったでしょうか。
先生からも「ダービーを勝った時のように積極的な競馬をしてほしい」とのことでした。スタートも上手に出てくれて、リズムよくいけましたが、最後は粘れなかったですね。乗り味は良いものを感じましたが……。
——エクランドールはフィエールマンの全妹という血統馬でした。
もっと走れそうなものですが、最後もギアが入らない雰囲気。精神面なのか、もっと進んでいけたはずだと思います。
——ラコンタールは懸念していた面が露呈しまったのでしょうか。
一度使ったことで気持ちが入り過ぎてしまいましたね。戦前からポイントだと思っていましたが、思っていた以上に気が入ってしまいました。
——ロンコーネは相手が悪かったですね。
この馬もクラスを突破できるものはみせているのですが、相手が悪かったです。競馬は上手になっていますし、今後は1800mに延びても対応してくれそうです。
——アラビアンナイトは一連から変わり身をみせました。
今回は落ち着いてレースに臨めましたし、雰囲気も良かったです。最後も狭くなりながら脚を使ってくれました。
——ヴェロックスが初めてのマイル戦でした。
乗り味もいいですし、能力は感じました。ただ、レースにいっての走りのメリハリがもう一つ。長い距離でもそんな内容が続いているようですが、こういう条件を試したことで刺激になってほしいです。
——ザアトムは新馬からの上積みが見込めませんでしたね。
思っていたより変わってこられなかったですね。次はダートに行こうかという話になりました。
——ザアトムと同じ廣崎利洋オーナーでいえば、ストレイトガールの子(アスクピーターパン)は種牡馬になったようですね。
そうでしたか。全弟と同じフランケルの子ということで期待も大きいのかと思いますが、いい産駒を出してほしいですね。
——今週はダートの最高峰の一戦ですが、同じダートでいえば、古巣・大井競馬の左回りのレースはどうでしたか。
いや~気持ち悪いですね(笑)。内馬場は左回りですが、今まで左回りを使ったことはないので映像を見て違和感ばかりでした。いつか乗れる機会があればと思います。
——ダートでいえば、全日本2歳優駿(Jpn1)のドライスタウトは除外もあり、出走可能な枠に入れたそうですね。次週のカペラS(G3)はデュアリストに騎乗されるとのこと。来週もよろしくお願いします。
よろしくお願いします!
※次回は12月10日(金)に更新予定です!当コーナーは電話で取材を行っております。
プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。