'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
人気コーナー!トップジョッキーならではの本音、レースへの意気込みをお届けします!
11月18日時点1558勝
開催最終日も中山での騎乗!来季の巻き返しを誓う
2021/12/27(月)
先週土日は計4勝をマーク。まだ最後の開催日を残すものの、これで9月以来の月間二桁勝利に届いた。当コーナーの更新も年内はこれが最後。一年の回顧と来季の意気込みも含め、語っていただいた。
先週の中山では4勝!土曜メインはヴェローチェオロを勝利に導く
——2021年の開催も残すところ、あと1日になりましたが、中山での騎乗。騎乗経験のある馬は最終レース・立志ステークスのレッドクレオスだけになりますね。
状態はわかりませんが、この舞台で勝っていますし、いい条件で臨めると思います。今年最後の騎乗になるので良い結果で締めくくりたいです。
——前節、中山の芝の状態はどうでしたか。
土曜は雨の影響が残っていて多少緩さを感じたのですが、日曜は乾いていましたね。どちらかといえば内を回った馬が有利だったと思います。
——土日の回顧もお願いできればと思いますが、まず、カイアワセは4着。ダートは風の影響か前が止まらないようなコンディションに見えたものの、結果、先行しながら最後は着差が開いてしまいましたね。
センスのいい馬で上手に走ってくれていますし、中山は合うのですが、結果的にはもう少し力をつけないとこのクラスで勝ち負けするには難しいのかもしれませんね。
——ラヴィンジャーの中山替わりは良いはずでしたが、外枠が堪えましたか。
外枠ではありましたが、道中はいいリズムでスムーズに走れたのですが、4コーナーでブツけられたことで消耗してしまったかもしれません。
——ネレイドは前走が勝ちに等しい惜敗に感じましたが、今度は押し切れましたね。
中1週は気がかりでしたが、スピードを活かした競馬で押し切ってくれました。
——トモジャワールドはクロフネ産駒らしいフットワークで完勝でしたね。
ダートの長丁場があっていそうでパワーもありました。新馬でも良い走りをしていましたが、力通りの内容でした。
——アラビアンナイトのレースは極めてメンバーレベルが高かったですね。
それにしても道中の力みが目立っていました。ちょっと当日になってみないとテンションがわからないところがありますね。
——ヴェローチェオロは菊花賞でも見どころのある内容でしたが、今回が初騎乗でした。
思ったよりもゲートをスムーズに出てくれて、二の脚も良かったです。力を出し切ってくれました。
——アイワナビリーヴは大混戦のメンバーで距離を短縮して臨みました。
1200mでメリハリのつく内容は良さそうですね。道中はいいポジションで運べて、リズムよくいけたのですが、直線で前の馬がフラついてどちらに行くか、というところ。進路を選びながらになり、スムーズさを欠いたのがもったいなかったです。
——ルージュエヴァイユは中山芝1800mの外枠。道中は後方からの競馬になったものの、馬群に入っていけるところと最後の伸びは良かったですね。
追い切りから感触は良かったのですが、レースでは前半が置かれ気味。勝負所からの手応えは良く、最後の伸びは良かったです。精神的にもしっかりしているからああいう立ち回りもできるのでしょうし、現時点でコーナー4つのコースへの対応力も周りより長けていると思います。
2021年は様々な「経験」の年に
——2021年の更新もこれで最後になります。今年一年はどうでしたか?
色々な経験をしたなと思います。
一番はチュウワウィザードでサウジアラビア、ドバイと2か国を経験させていただきましたし、それに伴う隔離も初めてでした。夏には胃腸炎で乗り替わりましたが、翌日の日曜日は本当にキツくて、乗るかどうか難しい決断。それでも覚悟したことは一つの思い出です。
全体的には皆さんもそうでしょうけど、コロナ禍ということで自由が制限されていますし、その中での生活も経験なのかなと。大変な思いをされている業種の方もいらっしゃるでしょうし、それでも競馬界は開催を続けられたことは感謝しなくちゃいけないですね。
——ここ最近含め、新たな取り組みなどはありますか。
今に始まったことじゃないですが、毎回違ったトレーニングを組んでもらっている中で体の使い方は発見がありますし、気付かされますね。姿勢も日常生活から随分と良くなりましたよ。といっても、体の使い方は今更といいますか、もっと早く気付くべきですが……。
——今は入場が制限されていますが、競馬場でファンの方が見られても、姿勢の変化はわかるかもしれませんね。来年に向けての一つの目標といったものはありますか。
やっぱり年間100勝はしたいですね。いくら隔離があったとしてもクリアしたい数字です。来年こそは久々の100勝をしたいです。
——最後に読者の方々へのコメントもあればお願いします。
毎週読んでいただいている方には応援ありがとうございます。この一年はケガ明けで、隔離もあったとはいえ無事に一年を通して乗れたことは良かったと思います。内容はもっと求めていかないといけませんが、引き続きコツコツやっていきたいです。
——ということで私からもこの一年間のご愛読ありがとうございました。ジョッキーも今年もお付き合いいただきありがとうございました!
ありがとうございました。よいお年をお迎えください。
※次回は新年1月4日に更新予定です!当コーナーは電話で取材を行っております。
プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。