'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
人気コーナー!トップジョッキーならではの本音、レースへの意気込みをお届けします!
11月18日時点1558勝
G1へ向けて 根岸ステークスはソリストサンダーと連勝狙う
2022/1/28(金)
今週から舞台が東京に移るが、開幕週の重賞・根岸ステークスにはソリストサンダーで挑む。当然ながら前走で武蔵野Sを制していることからも次戦のフェブラリーSを視野に入れた一戦になるが、久々の距離でどう対応できるだろうか。JRA通算1200勝にも迫っており、見せ場の多い東京になれば理想だ
距離短縮でも対応可能の感触
——今週は東京での騎乗になりますが、一番の注目は根岸ステークス(G3)のソリストサンダーですね。
前走で重賞を初めて勝ってくれましたし、勢いはあると思います。この距離にも対応できると思うので、ここでもいい勝負をしてほしいです。
——1400mの距離は2年ぶりになります。
それでしっかり脚が溜まるかどうかですが、流れに戸惑うようなことはないと思うんですよね。だから枠なんかもそこまで気にならないです。もともと行きっぷりがいいくらいのタイプですからね。
——状態の確認はできていないと思いますが、昨夏のエルムSでの敗因が季節的なものだとすると、この時季はいいんじゃないでしょうか。
そう思います。冬場の方が良さそうだと思いますし、フェブラリーSへ向けてもいい走りを期待しています。
——土曜1Rから順に伺うとルージュヴィーヴルはエクリリストワールの下という血統です。
追い切りでは動けているのですが、もう少し嚙み合ってほしいところ。ダート替わりは良さそうです。
——クロッカスSのトウシンマカオは朝日杯FSを終えてすぐにここを使うことが明らかになっていましたね。
追い切りの雰囲気では順調にきています。以前は距離が短い方がいいと思っていたものの、マイルにも対応してくれて、どこがベストなのかわかりかねる部分はありますが、この距離も京王杯(2歳S)でこなしてくれていますからね。もともと完成度の高い馬ですし、前走からガラッと変わった感じはありませんが、いい走りをしてくれるんじゃないでしょうか。
——日曜のロンコーネは2着続きです。
東京でも中山でも対応してくれていますし、このクラスは卒業できる馬だと思います。
バイオアートは新馬の段階から追い切りは動いていましたが、レースでも上手に走ってくれました。一度使って良くなるでしょうし、楽しみですね。セルヴァンもこの条件は合っていると思います。あとは相手次第ですね。
——レモンポップは2歳時の走りからすると、クリアしてほしいクラスですね。
当時は相当期待をしていました。なかなか勝ち切れない現状のようですが、条件は合うと思います。
——セントポーリア賞は強い相手もいますが、ドゥラドーレスは追い切りに乗られたようですね。
ポテンシャルは高いと思います。ただ、まだ緩さもあるので、出来上がるのはまだ先々かなという感触もあります。現状でどこまで走れるかですね。
久々に大井での騎乗もスローペースに泣く
——TCK女王盃(Jpn3)のブランクチェックは3着でした。状態はどうでしたか。
状態は良かったと思います。前走の勝ちっぷりが良かっただけに期待はしていたのですが、離されて負けたのは意外でしたね。
——良いメンバーが揃っただけに展開はもう少し流れると思いました。
交流重賞で着差が僅かな結果だったり、密集した馬群になることは珍しいですもんね。それだけメンバーも良かったと思いますが、自分もあんなに遅くなるとは思わなかったです。しかも5F通過時点で遅いのはまだしも、その後も流れなかったんですよね。
——以前は距離に不安があったブランクチェックですが、前走の内容と今回の走りを踏まえると、適性も違ってきた感じはしますね。
以前なら芝スタートだったからなのか、スタートも二の脚も良い印象。それが今回ももう一列前に行けるかと思ったところで、そう行けなかったですからね。イメージが変わってきているのは確かです。
——改めてペースが噛み合うレースがあればと思いますが、アメリカJCC(G2)のラストドラフトはどうだったでしょうか。
道中でちょっと噛んでしまった分、最後の反応に響きましたね。状態は良かったと思うのですが……。
——サクラアスターはダートに戻るのは良さそうでしたが。
門別でよく1200mを走っていましたね。競馬は上手ですが、ちょっとワンペースな印象。大崩れはしない堅実なタイプになりそうです。
——アスクヒーローはここ2戦がもう一つでしたが、中山に戻ってそれなりには挽回できましたね。
中山はいいかなと思いましたが、乗り味が凄くいい割に動ききれない感。次はダートでもいいんじゃないかという話はさせていただきました。
——ヴァシリエフスキーは昇級初戦。他にも昇級して間もない存在がライバルでした。
前走もいい勝ち方をしてくれて、戦歴は空いているものの、いい状態でした。レースも内容は良かったと思いますが、マークされた分の差ですね。
——レイヴンズコーは絡まれなければ……といったところじゃないですか。
レースなのでしょうがないことなのですが、いじめられた分ですね。もう勝ちに近いところまでは来ています。
——スペクタクルはテン乗りでの勝利でした。
思っていたよりも後ろからになりましたが、最後の脚は良かったですし、ああいう競馬もできるなら幅は広がりそうです。
——今までのイメージだともう少しスタートは良かったイメージがあったのですが、芝スタートもよくないのでしょうか。
そんなこともないんじゃないですか。以前はスムーズに流れに乗れていましたから。でも、内枠はあまりよくないかもしれません。
——大トビだけにスムーズな競馬がベストのようですが、今回は砂を被ったことも行きっぷりが悪くなりましたか。
そうですね。砂で戸惑う部分はありましたから。
——それにしても、先週の中山ダートは含水率が1%レベルに下がっていましたね。
好みで言えば好きじゃない馬場ですね。かなり乾燥して走れる馬を選ぶ感触です。芝も3~4コーナーではモタつく馬も多かったです。
——次週の東京新聞杯(G3)はカテドラル、再来週の共同通信杯(G3)はレッドモンレーヴということですし、通算1200勝も近々の達成を期待しています。
頑張ります。
——今週もありがとうございました!
※次回は2月4日(金)に更新予定です!当コーナーは電話で取材を行っております。
プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。