'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
人気コーナー!トップジョッキーならではの本音、レースへの意気込みをお届けします!
12月16日時点1567勝
クイーンC&共同通信杯 土日ともに3歳重賞で初コンビ
2022/2/11(金)
クラシックへ向けての争いも進む中、今週の東京競馬場は連日、重賞が予定されている。ここ最近が平穏過ぎたともいえるものの、週中はあいにくの悪天候もあり、馬場への影響はありそうだが、土日いずれもテン乗りの騎乗馬。条件を味方に好結果へ結び付けられるだろうか。ジョッキー的には3歳ダート路線のパートナーといえるドライスタウトの次走もハッキリしてきた中で、別路線のお手馬もゲットしたいところだろう。
重賞では好内容で勝利の素質馬に騎乗
——まず、今週木曜は関東地方で降雪がありましたね。最近は特にダートで乾燥した馬場状態が目立っていましたが、かなり影響するんじゃないでしょうか。
東京や中山は相当乾燥していましたし、特にダートは乾きすぎている中で凍結防止剤も入っていましたからね。どちらかといえばパワーがある馬がいいのでしょうが、先週は乗っていても傾向が掴み辛い印象を受けました。芝も先週の馬場に水分を含む訳ですし、けっこう影響はあるんじゃないでしょうか。ましてや冬場ですぐに乾かないでしょうから。
——その中での東京開催、まず土曜の騎乗馬、前半戦から伺っていければと思います。
1Rのモンサンレジャンドは先週の競馬では良い内容でしたし、東京替わりも合っていましたね。連闘が向くタイプではなさそうですが、前回のような走りができれば理想です。6Rのルージュリナージュは新馬と未勝利で違って、前回は折り合いを欠きましたね。気難しいところはポイントになりそうなので、距離が短くなるのは良さそうです。
——ラコンタールは新馬が強い内容でしたね。
芝1400mでの新馬がいい走りで、マイルの前走は少し噛むところがありましたからね。距離が戻るのは良さそうです。
——セルヴァンの前走はレース間隔が響きましたか。
これは体が重かったですね。使ったことでの上積みを期待したいです。
——最終レースのイバルは安定した走りが目立ちます。
いい感触のある馬ですし、距離が延びても対応してくれるんじゃないでしょうか。あとはこの距離で最後に伸びるかどうか、ですね。
——日曜のロジマンボは前走でも好走しましたね。
いい内容でした。馬も良くなっているのでしょうし、東京に替わるのも良さそうです。
——バレンタインSのコラルノクターンは昇級初戦です。
もともと能力は秘めていました。ムラっぽいところも抱えていますが、東京に実績がありますし、昇級でも頑張って欲しいです。
——土日の重賞ではクイーンCではプレサージュリフト、共同通信杯ではレッドモンレーヴに騎乗されます。
プレサージュリフトは新馬が強い勝ち方でポテンシャルを感じました。いきなり相手関係も上がりますし、新馬直後の2戦目は計算し辛い面はこの馬に限らずありますが、いい走りをして欲しいですね。強いていえば、見た目の印象では道悪はどうかとは感じました。
レッドモンレーヴも中山で快勝して、血統的にも楽しみですね。藤沢和雄先生も期待しているそうなので、ここでも対応して欲しいです。
久々のコンビ・ニュートンテソーロで勝ち鞍
——先週の競馬では、マイネルメサイアはいったん並び掛けられながらも粘り通しましたが、瞬発力の差が出ましたか。
もうクラスは卒業できるものは感じていましたが、相手が後ろと思っていただけに、大事に行き過ぎましたね。この馬の瞬発力や切れ味の面の差を踏まえると、もう少し流していけばよかったです。勝ち馬は強かったとはいえ、乗り方は対処しようがあったと思います。
——サンオブロジータは中京ダート1400mのイメージが強かったですが、条件に対応しましたね。
道中で無駄に噛んでしまうところはあったものの、上手に走ってくれました。最後もいい脚でしたし、マイルも問題ないですね。
——春菜賞のファロロジーは惜しい内容でした。
展開的に外枠のロスはカバーできたのですが、思っていた以上に走ってくれました。ただ、勝ち馬はそれ以上の走りでしたし、相手が強かったですね。この馬なりには良くなっているとは思います。
——ジネストラは相手も手強かったですね。
以前は乗り難しさがあったそうですが、そこも解消されてきたようです。しかし、元からなのですが、不正駈歩になるところがあって、フットワークがバラバラになりながらも好走してくれました。不正駈歩で走るケースはなかなか記憶にないのですが、そうした性質を考慮すると、スローで自分のリズムでこそいいのかもしれません。
——アルビージャは先週のジャッジを聞いた上で、このコースの最内枠。厳しい条件かと思いました。
レースはし辛かったですね。1枠を引いた時点でハナの後ろくらいに付けられたらと思いましたが、前にも行けなかったです。最後は内を突いていればもう少し際どかったかもしれませんが。
——以前のジョッキーのコメントを見ると、乗り難しい馬とのことでした。その辺りはどうでしたか。
フットワークが大きいから不器用なんですよね。我が強いところもありますし、どうやってコンタクトをとるかは気を付けました。どちらかといえば中山の方が合いますし、次に期待します。
——エコロファルコンのレースは相当なレベルのメンバーでしたね。
乗り味もよく、上手く競馬をしてくれました。相手が強い中でも頑張ってくれましたね。
——ルーツドールはどうでしたか。
トビの大きな馬でポテンシャルは感じました。ただ、いい時はもっとバランスが良かったんじゃないかと思いました。もう少し伸び伸び走らせてあげられれば良かったですが。
——レッドランメルトは東京替わりでしたが、パフォーマンス的には上げられませんでした。
もの凄くかかりましたね。表現し辛いのですが、馬が怒っているような雰囲気で気分を害しながら走っていました。タイプ的にはコース替わりが合うと思いましたが。
——ニュートンテソーロは久々のコンビでしたね。
前走を踏まえると、もう少し流れに乗れるかと思いましたが、行き脚もつかなかったですし、いい末脚を持っているイメージもあったので慌てずにいきました。ブリンカーも効いているのでしょうね。いい時に乗せてもらいました。
——その点はだいぶ昔に乗っていたイメージもいい方向に反映しましたか。
そうですね。あと、先ほどの馬場の話にもある通り、ダートも未知数な部分もあったので、リズム重視で運びました。もちろん以前に乗っていたことも有利に働いたと思います。
——ロコポルティはテン乗りでしたね。
位置どりは良かったと思います。昇級でよく走ったと思いますし、勝ち馬は切れ味が目立ちましたね。
——東京新聞杯(G3)のカテドラルはどうでしたか。
デキは良かったですし、この年齢でも相変わらず活気を感じましたし、雰囲気は良かったです。あとは斤量差もあったのでしょうが、勝ち馬の脚にも違いを感じましたし、58キロで堪えている面もありそうでした。
——今週は冬季オリンピックが続いていますが、観戦はされていますか?
見てはいます。しかし、自分は野球しかやったことはありませんけど、冬季の種目だとなかなか縁がなく自分に置き換えて見辛いですね。経験とは言えませんけど、体育の授業なんかでも他の球技とかは経験したりするのでなんとなくはイメージできるじゃないですか。でも、日本人選手は応援しながらチェックしています。
——次週はフェブラリーSも控えております。来週もよろしくお願いします!
よろしくお願いします。
※次回は2月18日(金)に更新予定です!当コーナーは電話で取材を行っております。
プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。