春の東京といえば5週連続G1など一年の中でも最も盛り上がるシーズン。となれば、リーディング上位騎手も集まるところだが、2週前の固め打ちなど気を吐いた。その積み重ねもあり、現在53勝。予てから目安としている年間100勝に向けて、好ペースで臨めている。夏競馬は過去の傾向からいえば、勝ち星を加算できる時季でもあり、さらなる加速を期待したいところだ。

夏競馬ならではの斤量で今週も勝ち星なるか

——今週から競馬界では函館から北海道シリーズが始まり、ジョッキーの顔ぶれも各地で変わっていきますね。戸崎騎手に関しては引き続き東京での騎乗と例年取りのスケジュール。土曜の騎乗馬から伺いたいと思いますが、2歳新馬のカレイジャスは2週前に追い切りに乗られていましたね。

2週前の時点でも仕上がりの早さを感じました。以降の状態はわからないですが、スピードのあるタイプだと思いますし、仕上りの良さを活かした立ち回りができればいいですね。

——サイモンバロンビヨンドザシーンは前走で勝ち上がって、引き続き乗られますね。

サイモンバロンは2走前の時点でもいい走りができていましたし、前走はさらに上向いてきました。あれならクラスが上がっても対応できるんじゃないかと思います。ビヨンドザシーンの前走は追うところもほとんどなく勝てました。競馬は器用だと思いますし、昇級してもいい走りをしてくれるんじゃないでしょうか。

——ジューンSブレークアップはどうでしょうか。

正直にいえば中山の方が合うタイプですね。天気がどうなるかわかりませんが、東京ならば多少渋ってくれた方が良さそう。この馬の持ち味を活かした競馬を心掛けたいです。

——日曜のグッドルックスは1週前追い切りに騎乗されました。

少し脚元の硬さを感じました。ただ、追い切りでは動けていましたし、走り出せば問題ないのかなという感触。現状でどこまでやってくれるか、でしょうね。

——マンドローネも追い切りに乗られたようですね。

こちらも硬さを感じたのですが、動き出せば素軽さはありましたし、準備運動の段階で問題ありませんでした。レースではまた違った姿をみせてくれそうです。

——先週も騎乗されましたが、暑くなってきた時季で52kgの斤量、今は苦になりませんか。

前も言ったかもしれませんが、普通に生活する分にはほぼ影響はないです。ただ、自分としては汗取り(=減量)をしたくないので、日曜や月曜、火曜は大丈夫ですが、水曜以降は食事に気を遣う必要はあります。

——この時季に軽い斤量で乗れることは大きいですが、それだけ今は体質面が変わっているということですね。

今は筋肉量がそれだけ増えたから多少の制限は必要になりましたね。減量がもっと大変な方もいらっしゃると思いますが、僕はその必要がないのは周りより運が良かったです。

——セブンデイズアベックフォルスは騎乗されていますね。

セブンデイズはこのコースで勝った際が強い内容でした。コース適性はあるでしょうし、ここでも楽しみです。アベックフォルスは番組的になかなか適条件が限られているということもあり、「今ならこの条件でも試していいんじゃないか」とのことで、ここになりました。距離は短くなりますけど、ここ最近も安定していますし、幅広く条件に対応できている辺り、こなしてくれるんじゃないか、という期待はあります。

——エプソムC(G3)タイムトゥヘヴンに騎乗されます。

久々でどう成長しているか楽しみです。自分から競馬を作れるタイプではないのかな、という印象はありますが、末脚はしっかりしたものがありますからいい勝負に持ち込みたいです。

先週は2勝で関東トップに

——先週の競馬では、安田記念(G1)カテドラルはこれまでよりも着順を落としてしまいました…。

カテドラル

ブリンカーを着けたものの、最後の直線では気持ちよく伸びていってくれるところがなかったです。状態が悪いという訳ではなく、精神面での衰えみたいなものは感じましたね。従来よりも脚を使えていないですから。

——ロコポルティは馬場的にも前走よりいい条件じゃないかと思っていたのですが、いかがでしょうか。

状態的には悪くなかったと思います。ただ、僕が乗せてもらった時はそんなことがなかったのですが、性格的な弱さを露呈してしまいましたね。今後、気を付けた方が良いなと感じました。能力的には通用していい馬ですが。

——ジョンソンテソーロは昇級後の敗戦からガラっと変わりました。

カテドラル

新馬の勝ち方が良かっただけに期待はしていたのですが、以降の走りからも見立てが間違っていたのかなと思っていたのですが、合っていたようで何よりの結果です。1ターンのコースは合うでしょうし、内容的にも強かったです。

——ゴールドレガシーは不利が目立ちました。

2度もあったのが厳しかったです。スタートと直線で勢いがついたところでしたから。勝ち馬が強かったので、スムーズだったら勝てたとは言い切れませんが、改めて走っても東京1600mの適性を感じましたし、いい走りはできたんじゃないかと思いますよ。

——サリエラも極端な競馬。相手のレベルが高かったかはわかりませんが、あの競馬でもよく勝てましたね。

強かったですね。今後も楽しみです。

返し馬からスイッチが入っていないような感覚でずいぶんオットリしていると思ったのですが、道中もモタついていました。ゲートの中では気が入っていましたし、あくまで今回は休み明けの分が影響したように感じますが、まだまだ上でもやれると思います。

——フラッシュアーク、ルチアと惜しかったです。

フラッシュアークは距離短縮も合っていて、いい内容でしたね。ルチアはどうしても追ってから浮ついてしまう分、終いが甘くなりますね。惜しい内容を続けているのですが。

——今週は古巣・大井では東京ダービー(S1)が行われましたが、ご覧になられましたか。

前哨戦の内容からもレース前から今年は荒れるんじゃないかなと思っていましたが、やっぱり荒れましたね。ただ、羽田盃の勝ち馬が競走除外になったりというアクシデントまでは予測できなかったですけど。

——東西別々のトップに異議を持たれているかはさておき、2週前の固め打ちもあり、関東所属ジョッキーではトップに立ちました。

そうらしいですね(笑)。下にいるよりは上にいた方がいいとは思いますが、全体のトップではないですからね。

——ここ最近で取り組まれていることはありますか。

変わらずという感じですが、強いて挙げるとしたら重心が変わってきたのかなと。といっても、初歩的なことではあるのですが、今までは自分のクセで乗っていることもあり、それを段々と解消できているだけです。

——馬に乗ったことのない人間から見ても変化を感じますね。

馬に寄っては気を付けないといけないことが多いタイプがいたり、バランスの問題でどれも同じように乗れる訳ではありませんが、意識付けしたことができてきていますね。自分でも映像を見直して、これは良かった、これはダメだったなど感じていますが。

だから下半身を安定させること、体の使い方ですね。感覚の領域でもあり、体を鍛えたから良いか悪いかの分野じゃなく、力の使い方が重要で、以前よりも馬にフィットさせられていると思います。古武術の本を読んだりしているのですが、いつか習って体の使い方を学んでみたいほどです。

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※次回は6月17日(金)に更新予定です!当コーナーは電話で取材を行っております。