'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
人気コーナー!トップジョッキーならではの本音、レースへの意気込みをお届けします!
12月16日時点1567勝
ラジオNIKKEI賞はベジャールに初騎乗!福島開催で勝ち星量産なるか
2022/7/1(金)
先週をもって東京開催は終了。今週から福島、4週後には新潟開催へと移行。普段であればローカルの舞台となる競馬場がメイン場となってくる。この時季といえば3歳馬なら斤量面の優位性も高まるものだが、それに騎乗できるジョッキーも限られる。例年、軽量馬に乗れる戸崎騎手だけに日頃以上に勝ち星を重ねたい時季だ。
日曜は田中博康厩舎の期待馬に騎乗
——さあ、今週から福島開催。開幕週は3歳重賞など17鞍の騎乗になります。まず土曜のバグラダスからいかがでしょうか。
夏の新馬でダート戦。相手関係は未知数過ぎますが、追い切りでは水準の動きをみせていましたし、動けています。素直で乗り易いタイプですよ。
——フォーグッドは久々の騎乗です。
新馬の時はまだ子供っぽさがあったのですが、その後もいいレースを続けていますね。国枝先生も先週から通算1000勝にリーチとしている状態。ぜひメモリアル達成に関われたらと思います。
——ヴィブラツィオーネも追い切りに乗られたようですね。
まだ子供っぽさが目立つ中で、いい勝ち方をしてきたと思いますし、凄く乗り易いです。距離延長も問題ないタイプだと思っています。
——TUF杯のワンスカイは前走もメドの立つ内容でした。
1400mでも上手に走ってくれていましたが、力関係的にはメドの立つ走りでした。ベストは1200mだと思います。自分で先に行けるタイプではないので、開幕週の馬場がどうか、です。
——アイアムイチリュウはどうでしょうか。
前走はスムーズさを欠く内容でした。力も足りると思います。
——フラッシュアークはさらに距離が短くなります。
どうしても番組が限られますからね。スピードも気持ちもある馬、未勝利なら対応してくれると思います。
——パルフュメも新馬ですが、追い切りに乗られましたね。
気持ちもあるし、乗り易かったです。ただ、背腰がまだまだ弱くて水準の動きはしているものの、まだまだ体質が良くなる余地はありそうです。
——セイルオンセイラーはリステッドでも好走しました。
期待しています。課題があるとすればゲートですが、このクラスでもやれていいと思います。
——ラジオNIKKEI賞(G3)はベジャールに騎乗されますが、テン乗りです。
体の大きな馬なのですが、スピードもありそうですし、器用なんじゃないかと思います。トップハンデと斤量が重いので、軽僚馬との比較は難しいですが、期待していますよ。
——サカエショウも追い切りに乗られたようですね。
展開に左右される面は否めませんが、クラスを卒業できるだけの走りはしていますよ。
急な酷暑 馬の状態が良いことを願う夏競馬
——先週でいえばコンクエストは不利もありました。
馬の雰囲気は良かったです。距離が合っているかどうかは掴みかねるところですが、伸びかけたところで挟まれて影響が大きかったです。
——リレーションシップは6着でした。
流れに乗せた競馬をしてほしいとのことでした。展開的にはもう少し溜めていっても良かったところでしたが、馬の気配としては乗せてもらった京王杯よりは良かったです。
——ガンダルフは初ダートでしたが4着。適性はどうだったでしょう。
ダートは特に問題はなかったです。ただ、芝もダートもどちらも走れる一方、もう少し詰められるといいですね。
——ノワールドゥジェは少頭数でしたが、早くもクラスを卒業しました。
もともとレースの巧さがある馬で、相変わらず調子も良くいい立ち回りで勝たせてもらいました。
——トモジャワールドは勝ち馬も過去に好タイム勝ちがあるとはいえ、2着でした。
未勝利を勝たせていただいた時の印象ではここでもやれると思っていましたが、成長はしているのでしょうが、また違った成長のし方といいますか、印象とは違いましたね。
——新馬のグランベルナデットは1番人気でした。
追い切りではグイグイといった前進気勢だったのですが、レースでは違いましたね。良くも悪くも上手に走ってしまっていた印象です。
——プラチナジェットはどうだったですか。
勝ち馬は前回乗せてもらっていましたし、相手はあの馬だと思っていましたが、どうもワンペースでメリハリがなかったです。
——ラコンタールは常識的な走りだったものの、なかなか復調がなさそうですか。
ゲートは落ち着いて、以前より雰囲気は良かったです。ただ、新馬の弾け方がないですね…。スムーズには運べたのですが。
——ソルドラードは前回がダート、今回は再び芝になりましたね。
苦しくなって内にささっていました。芝かダートの適性面よりも状態面の課題はあったように思います。どちらが適性を図り辛い状態ではありましたが、芝の場合であれば時計が掛かるコンディションが合うように感じました。
——アーレンダールはこれまでの経緯からすれば内枠で揉まれる競馬が避けたいタイプとみていました。
そう思いましたね。映像をみてもどんな競馬になるのか、全く想像がつかなかったです。ただ、それが思った以上に走ってくれましたし、乗り味的にもまだまだ良くなる余地がありそう。今後が楽しみです。
——それにしても東京終盤は特殊な馬場でしたね。
芝は内を避けないといけないのですが、ダートは良馬場なのに時計が速かったですからね。
——使い込んで砂が細かかったり、風で砂が飛んでしまったのでしょうか。
理由は定かではありませんが、普通ならあれだけ馬場が乾いていれば馬がしんどくなるものですが、楽にスイスイいっているケースもありましたね。そんな違いはありましたよ。
——先週は風も強かったんじゃないですか。
強かったですね。逆にあの風があったから暑さもなんとかまぎれたところもありました。
——あれだけ急に熱くなると馬への影響もありますね。
先週、乗せていただいた中にもぐったりしているような馬もいましたからね。やっぱりこの時季は馬のデキがいいかどうかは祈るしかない。いくらしっかり仕上げてくれても直前までわからないですよ。
——以前も伺っていますが、見分け方はありますか?
パドックなんかではわからないんじゃないかな。やっぱりキャンターの降ろしかけ、1歩目、2歩目ですね。人間もアドレナリンが出ているからそこまで気にならないけど、全レースが終わったら疲れが出ることはありますから。
——今週から福島、新潟と続きます。馬は暑さとの兼ね合いもありますが、少しでも勝ち星を重ねられるよう健闘を祈ります。昨年以上のペースはいけそうですね!
そうですね。ありがとうございます。
ここで競馬ラボからのお知らせです。先日まで募った戸崎騎手への質問ですが、弊社のメールアドレスの不具合により、数日間、メールが受け取れない状況となっておりました。メールを送ったのに届かなかったという方がいらっしゃりましたら、再送を受け付けております。以下は改めて応募要項です。
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「週刊!戸崎圭太」のコラムでは読者の皆様からジョッキーへの質問を募集しております。
受け付けは件名に「戸崎圭太騎手への質問」と明記の上、「お名前(ペンネーム)・競馬ラボにご登録のID(メールアドレス)・質問内容(複数OK)・競馬ラボへのご意見&ご感想&ご要望」を明記の上、以下にメールでお送りください。
keita_tosaki@keibalab.jp
質問をいただいた方の中から抽選で3名様に、戸崎圭太騎手・JRA通算1200勝の除菌スプレーセットをプレゼントいたします。
※次回は7月8日(金)に更新予定です!当コーナーは電話で取材を行っております。
プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。