'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
人気コーナー!トップジョッキーならではの本音、レースへの意気込みをお届けします!
12月16日時点1567勝
開催替わりの新潟は関屋記念でザダルに騎乗!
2022/8/12(金)
今週から新潟は開催替わり。継続開催とはいえ、クラスによっては自ブロック制が適用されることでメンバー的には様変わりする。必然的に乗り鞍も過去2週より増加。残り4週間の夏開催を気持ちよく締めくくるためにも、幸先のいい開催替わりにしたい。
関屋記念はザダルと初コンビ!
——今週は土曜が9頭、日曜が7頭の騎乗とのこと。よろしくお願い致します。まずは関屋記念(G3)にはザダルで挑まれますね。
追い切りは動けていましたが、手前が替え辛かったり、息遣いの悪さを感じました。ただ、夏場なので仕方ない面もあるのかと思います。
——勝つ時とそれ以外での差がハッキリした戦歴だと思いますが、追い切りの感触でいえば、今回のコース適性はどう感じましたか。
フットワークが低くて、起きては走れていないようなところもあり、ノメりやすいのも頷けました。それに少しでも馬場が悪くなるとダメらしいですね。それだけに台風が来るそうで雨予報は気になるところですが、2000mなどよりもワンターンの1600mという条件は合うのかと思いました。
——まだ3週目の馬場ですし、土曜の雨が早めに乾けばいいですし、新潟だと外から乾くイメージがあります。
そうですね。フットワーク的にいえばじっくり乗るような形が合うんじゃないかと思います。相手も揃った感はありますし、ハマってくれればいいですね。
——土曜の話題に戻って伺っていきたいと思いますが、サリーギャップは新馬戦で騎乗されていましたね。
返し馬ではいい雰囲気だったのですが、上手に走ることができず、追走から苦しかったですね。当時と違って競馬も覚えた今なら違った走りができると期待したいです。
——ハイハローは前走で3着でした。
前回は実にもったいない競馬になってしまいましたからね。力はあるし、期待はしています。
——ベルカノアは東京以来のコンビですね。距離は段々と延びていますが。
距離よりもモマれ弱いというイメージがあるだけにポジションは重要になるかと思います。そこに気を付けたいです。
——稲妻ステークスのファイアダンサーは初の千直戦です。
やってみないと、という面はありますが、前走のようなゲートだとこのコースではさすがにあれほどの追い込みは利かないと思います。対応してくれると期待します。
——日曜の新馬、ヒシルリアンは追い切りに乗られたそうですね。
まだモタモタしていましたし、使ってからかと思います。いいモノを持っていそうですが、もう少し気持ちが入ってきてほしいところです。
——ホウオウバリスタの前走は相手も強かったですね。
ダートではいい走りができていました。ただ、もう少し成長が欲しいと思っていたので、ひと息入ったことでの上積みがあればと思います。
——三面川特別のストーリアは楽しみな存在です。
前走は体の緩さも感じた中で勝ち切れたのは素質を感じました。乗り易いタイプですが、どれだけ成長できているか。どちらかといえば瞬発力よりは長く脚を使うタイプだと思うので新潟よりは他のコースの方が合いそうですが、それでも上を目指すならこのクラスであれば、新潟にも対応してほしいところです。
連続開催2週目の先週は2勝!
——先週のレースではキタサンシュガーは新馬以降、折り合い面がネックだったように感じましたが、自己条件に戻った今回はいかがだったでしょうか。
折り合いがポイントとだと思っていましたが、我慢も利いてリズムよく走れたと思います。ただ、体の緩さもあって伸び切れていない様子。これだけ緩さを感じるとなると、現状はスピード負けするでしょうし、ダートもありなのかなと思いました。
——ラーグルフも重賞戦線から自己条件に戻りました。
重賞でも実績がありましたし、自信を持って臨みました。道中の雰囲気は折り合いも収まっていましたが、テンの行きっぷりもひと息でしたし、走り自体は浮ついていた印象です。
——勝ち切ったとはいえ、まだまだ成長の余地を残す状態ですか。
テンの脚や直線の走りからすると、すぐに秋になって良くなるというよりはもう少し掛かるんじゃないかと思いましたね。ただ、タイプ的には4つコーナーの方がいいはず。コースが変わればリカバリーできるところはありそうです。
——サイモンオリーブは最後までしぶとかったです。
ゲートもスムーズでした。ペースも速くならなさそうでしたし、自然とハナへ。リズムも良く脚色も衰えずに走り切ってくれました。
——ワンスカイは斤量差かなと思いましたが、敗因はそれだけではない様子ですか。
返し馬から前走より雰囲気は良かったです。前回はゲートの中で動いてしまい、出遅れにつながってしまいましたが、今回はペースも速かったですし、流れも向いてくれました。最後はハンデ差もあると思いますが、あれだけのペースでも伸び切れていないようにラストは脚色が衰えましたね。フットワークも硬いところがあり、使える脚が短いという印象です。
——ハイエンドはやっぱり長い距離の方がいいのでしょうか。
馬的にはクラスで通用していいのでしょうが、向こう正面で息遣いが悪かったです。心臓面が悪かったのか心配なところもあり、力を出し切れませんでしたね。
——フットワークが大きい分、新潟で内枠がどうかと思いましたが、そんな敗因もあったんですね。
どうも雨で輸送に相当な時間が掛かってしまったようで、その影響もあったのかもしれません。トビはゆったりしていますけど、ズブいわけじゃないですからね。仕切り直せば巻き返せるはずです。
——ノエマは勝ち馬とは差があったものの、手応えの割に健闘しました。
スピードよりパワータイプという印象。使って変わってくるんじゃないでしょうか。
——今週は以上となりますが、次週もよろしくお願いします!
よろしくお願い致します。
※次回は8月19日(金)に更新予定です!当コーナーは電話で取材を行っております。
プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。