'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
人気コーナー!トップジョッキーならではの本音、レースへの意気込みをお届けします!
12月16日時点1567勝
逆転リーディングへ新潟で18鞍!
2022/8/26(金)
次週で最終週となる新潟の連続開催。開始前から開催を通して新潟に腰を据えて臨むこと、リーディング獲得を目標と掲げていただけに、現状8勝(3位)という位置はやや誤算といったところか。それでも残り2週で挽回は可能、ラストスパートでの逆転を期待したい。
以前から素質を評価しているゴールドレガシーと再コンビ
——新潟開催も今週、次週で最後が迫っておりますが、今回も週末に騎乗する馬から伺っていきたいです。新馬のメタルスピードは追い切りに乗られていましたね。
能力はまずまずありそうですね。ハミの取り方が安定していないのがどうかな……といったところもありますが、相手関係次第で初戦から走れてもと思います。
——1勝クラスのサトノストロングは久々のコンビです。
今思えばダートで走っても納得できるところはありますが、ずいぶん久々に乗せていただきますし、ダートでどんな走りをしてくれるか楽しみです。
——BSN賞のゴールドレガシーはこれまでにも何度も乗られています。前走は先行勢が押し切る展開とはいえ、不利も大きかったです。
以前もお伝えしたかと思いますが、力的にはオープンでも通用していいと思います。ただ、自分から競馬を造れるタイプではありませんし、不安な面も否めません。新潟も勝ってはいるものの、適性でいえば、やや劣る印象があります。ハンデ戦でもありますし、能力に期待です。
——クラウンシューターは2走前に未勝利を勝ちましたね。
正直にいえば芝にもなりますし、前走で大敗したことからもクラス慣れが必要じゃないでしょうか。メドを立てたいです。
——ウィルソンテソーロはダートになります。
う~ん、ダート云々よりも距離が少し長そうです。新潟だけにダートは1200mか1800mという選択肢がない面がどう出るか、ですね。
——新馬のジュンブライトも追い切りに乗られたようですね。
それなりの動きをしていましたよ。レースに行っても変わらずに走れればと思います。
——モントブレッチアは未勝利戦を勝ち抜いて昇級初戦になります。
前走は強い内容でしたね。そこから初コースで距離も延びる面に対応してほしいです。
——朱鷺Sのルークズネストも追い切りに乗られたようですね。
重心が前寄りなんですよね。ゲートも安定しないようですし、ハミに乗っかかるところもあり、気持ちが先走るようなところも。乗り難しい面がありそうです。実績通り、能力はあると思いますが、持っている資質が上手く噛み合ってくるといいのですが。今回は上手く乗りこなせればいいですね。
——連闘の新潟2歳S(G3)はキタウイングに急遽乗ることになりました。
乗り馬はいなかったですし、ありがたいです。前走はペースが遅かったものの、いい脚だったと思いますし。あれが引き出せればいいですね。
——最終レースのマイネルシトラスは前回が特殊な展開の中、対応しましたね。
前回がいい走りをしてくれました。しかし、今回もあそこまで遅くなることはさすがにならないと思います。距離はもう少しほしいものの、スムーズに先行できる枠なら楽しみです。このクラスを勝っていい素質はあると思いますから。
先週は2勝、夏の新潟リーディングへ現時点ではトップと4勝差
——先週の競馬ではメイショウテンスイはモマれ弱いタイプという認識がありました。
その通りですね。1400mで外枠なら……という走りでした。
——ゴーシェナイトはここまで人気を集めるとは驚きでしたが、とはいえ相手も決して安定した成績を残している馬ばかりではありませんでした。
終始追っ付けどおしでしたね……。レース後も歩様が悪くなって、その影響があったのかはどうかも、念のため入線後に下馬をしました。タイプ的には硬めの馬場も合っていないのかもしれません。
——ドリームアジェンダは勝ち馬が強かったものの、ブリンカー着用の2戦目で距離短縮にも対応しました。
いい雰囲気で走ってくれましたね。外枠の方がいいのかと思っていましたが、内枠でも出し切ってくれたように思います。勝ち馬は手強かったです。
——2着3度、3着3度のフォーグッドですが、待望の初勝利です。
今までは位置をある程度、獲りにいっていたのですが、思い切った競馬をしようと思いました。前半、出していかなかったことで、向こう正面から自分でハミを取っていってくれましたね。これまでなら終始、手応えがないような馬なのでガラッと変わってくれました。ずっと同じような競馬が続いていましたし、このタイミングなのでやってみようか、という形でしたが、未勝利のチャンスが少なくなっているタイミングで勝ち切れたのは何よりです。
——入線後はやけに笑っていましたね。
接戦だった田辺(裕信騎手)と喋っていたからです。未勝利の最後にああいう思い切った競馬だったことなんかを喋っていました。
——新馬のスペンサーバローズは追い切り映像を見ると、あれほど走れないとは意外でした。
乗った時もそれなりの動きをしてくれていましたけどね。次はダートも含めて検討することになりそうです。
——ヤングローゼスは2戦目でも残念ながら進境がみられなかったですね。
一度使った方が体的にも上積みがありそうでしたが、これだけ動けないのは気性の問題だと思います。聞くところ去勢もするようです。
——エターナルタイムはルージュリナージュと一騎打ちかと思いましたが、最後のフットワークを見ると距離適性の差でしょうか。とはいえ後続は離しているのですが。
そうですね。向こうにも乗っていましたし、ルージュも1勝クラスを勝てる存在だと思っていましたが、まだハミにもたれかかるところもあったり、切れ味の差が出たと思います。
——スルーセブンシーズは今までよりもいい位置で競馬もできましたし、ここ2戦は不利やロスのある内容。今度は勝ったかなと思いましたが……。
申し分ない競馬ができたのかと思いますが、瞬発力よりも長く脚を使うタイプと言うことを踏まえると、強引にでも外々を回して良かったのかなと思います。ただ、今回はイメージよりもゲートを出て、しっかりポジションを取れたのでああいう位置に。後ろから早めに踏んでいく形ならどうだったのかなと思います。とはいえ、勝ち馬も強かったとは感じました。
——トモジャリアはどうでしたか。
イメージ通りにはいけました。ただ、伸びが甘いあたり、こういうレースが続きそうな懸念はあります。
——レッドミラージュは随所に不利やロスがある内容。それを思うと着差以上に強い内容じゃないでしょうか。
そう思います。能力がありますね。後手、後手という内容でロスばっかり。能力があったからと言いますか、能力で勝ったレースでした。成長の余地もまだあると思います。
サンタアナテソーロは上手に走って内容的には十分だと思います。ブルーステラは体が緩いので上に逃げてしまうような面がありますね。
——現在のところ夏の新潟は8勝、残り2週で何とか反撃したいところですね。次週もよろしくお願いします!
よろしくお願いします!
※次回は9月2日(金)に更新予定です!当コーナーは電話で取材を行っております。
プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。