'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
人気コーナー!トップジョッキーならではの本音、レースへの意気込みをお届けします!
1月14日時点1573勝
東京開催も残り2週!土日15鞍に騎乗!
2022/11/18(金)
先週は5勝、一気に勝ち星を重ねたが、このペースで行けばキャリアの中でも上位の勝ち鞍を残せそうだ。今週は昨年のJpn1覇者と久々のレースなど注目馬もおり、レース内容にも注目だ。
日曜東京メインではドライスタウトが秋初戦へ
——今週は土曜の騎乗馬から伺っていければと思います。まずリマスタリングは新馬でも騎乗されました。
新馬戦自体はいい内容でしたね。少しトビが大き目で長く脚を使うタイプ。ただ、どちらかといえば中山の方が向いていそうです。
——晩秋ステークスのセブンデイズは昇級初戦です。
条件はピッタリといったタイプですからね。前走も強い内容でしたし、昇級しても通じていいのでは、と思います。
——秋色Sのレッドモンレーヴは共同通信杯で騎乗されましたね。
前走は乗っていませんが、強い内容でしたからね。あれなら昇級しても通用しそうですね。
——東京スポーツ杯2歳S(G3)のテンカノギジンは新馬勝ちした存在です。
メンバーは揃っている印象ですね。新馬は大雑把な競馬といいますか、流れに乗っていけなかった中で終いはいい反応をみせてくれました。今回もああいった競馬になりそうな感触はありますが、成長をみせてほしいです。
——ヴェールアンレーヴは秋3戦目です。
この馬なりに頑張ってくれていますが、前走は相手が手強かったです。ここも相手次第といったところでしょうか。
——日曜の未勝利戦でスミダカチドキやノットファウンドはどうでしょうか。
スミダカチドキは砂を被ると良くないようでそこに意識して前回は乗りました。ブリンカーの効果があればいいですね。ノットファウンドは若さが目立つ現状ですが、終いの脚は目立ちました。
——関西馬キングサーガは前走で好走しましたね。
前回は上手くいった内容でした。あまり行かせすぎると良くないようで、敢えて控えましたが、上手く走ってくれました。モマれ弱さもあるようなので気を付けることはありますが、前回のような走りができればいいですね。
——南武特別のシーグラスは久々騎乗されます。
僕が以前、乗せてもらっていた時はテンションが上がりやすいイメージでしたが、ここ最近は落ち着いているようにみえますね。
——霜月Sではドライスタウトが復帰します。
楽しみにしていましたし、いい走りをしてほしいです。1週前に乗せてもらった限りでは、正直にいえばまだ良くなる余地があると思いました。春に1度使ってはいますが、万全な状態での走りでなかった分、同じ半年ぶりでもそれ以上にブランクを感じるような気配だったのは事実です。能力はあるのでカバーしてほしいですね。
ルージュエヴァイユと連勝!次はオープンの舞台へ
——先週は5勝の固め打ちでしたね。
とはいっても、G1や重賞の裏開催ですからね。その分、いい馬に乗せてもらえたのは事実です。
——先週のレースを個別に伺うと、アドマイヤサジーはどうでしたか。
全体的に忙しい印象でした。使いつつ良くなっていってほしいです。
——サイモンバロンは現級でも好走していましたが、いかがでしたか。
本来であれば、このクラスを勝てるはずですが、いい頃の状態になかったですね。道中も気負って走っていました。
——スペイスフォースは夏以来のレースでした。
今回の状態ですと、距離が長かったですね。休み明けが堪えました。
——ウィルソンテソーロはモマれた際の不安もありましたが、連勝でしたね。
2列目の競馬は初めてでしたが、ヒルむことなくレースができていました。幅が広がる内容だったと思います。
——武蔵野S(G3)のレモンポップは惜敗という形でしたが……。
中1週ながら状態の良さは感じました。返し馬では問題ないなと思っていたくらいです。レースも概ねイメージ通りでしたし、道中の雰囲気も良かったです。ただし、追い出してからの反応だったり、内にモタれる面がありました。この辺りはいつもの走りではなかったです。
——今回も、といいますか、ペースは遅かった中でスムーズに運んで、前を交わすだけ。ただ、勝ち馬以外は迫ってきていないとはいえ、ペースを思えば勝ち切って良さそうなところでしたが……。やはり距離もありますか。
1400mがいいのは以前も言った通りではありますが、その辺りは中1週なのか、距離なのか、どうなんですかね。ただ、勝ち馬も強いと改めて感じました。
——トーセンローリエは多少、不利があった中で強い内容でした。
スタートも速くて、前が流れる中で厳しい競馬になりましたが、押し切ってくれましたね。
——ソールオリエンスはスローの上がり勝負とはいえ、素質を感じる内容でしたね。
強かったですね。木曜に角馬場での運動に乗せてもらいましたが、素質は感じていました。レースも上手でしたね。あとはこの血統がゲートの不安やテンションの高さが付きまとうイメージがあったので、今後、そこがどう出るかは課題かと思います。
——スパークインザアイは追い込んで2着でした。
映像を見た印象とメンバー構成を見てああいう競馬は意識していました。最後方だけにどうなんだ、と思われるかもしれませんが、この馬のリズムでいければと思いましたし、実際、決め手の良さは出せたのではと思います。
——アルファマムはペースが向いたとはいえ、強い内容でしたね。
こちらも映像を見ていい決め手は感じていました。慌てず運べましたし、直線でもいい脚でした。
——ウインアキレウスはどうでしょうか。
この馬は休み明けがかなり影響したと思います。
——ルージュエヴァイユはまたレース内容が良くなった印象ですね。
驚きましたね。スタートも出てくれましたし、二の脚もついたのは今までと違いました。ポジションが取れるか、懸念していたところはあったのですが、心配はなかったですし、終いもしっかりしていて成長を感じました。今後も楽しみです。
——おそらく愛知杯などが視野に入ると思いますが、今度は古馬相手の重賞となりそうですね。
はい、オープンに行っても楽しみです。
——アオイクレアトールは久々に騎乗されました。
こちらは進路選択をミスしましたね。ハンデ戦でもあり、展開が読み辛い面はありましたが、スムーズだったら・・・というところです。
——関東リーディングへ向けても、リードをとった形になりますね。
前もそういった類の話はしましたが、周りからそういった声ももらうのはありがたいところですが、今は目先の勝ち星よりもリーディングよりも馬とのコンタクトを感じることの方が楽しいですし、充実していますね。だから、週末も乗り鞍が多い方が充実している印象です。
——年内の開催も残り僅かになってきましたが、次週もよろしくお願いします!
よろしくお願いいたします。
※次回は11月25日(金)に更新予定です!当コーナーは電話で取材を行っております。
プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。