'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
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11月18日時点1558勝
今年はシーズンリッチと再コンビで競馬の祭典・日本ダービーへ
2023/5/26(金)
伏兵ながらも期待を持って臨んだというオークスは残念な結果となってしまったが、いよいよ上半期のG1戦線も終盤。5週連続で行われる東京でのG1もダービーと安田記念となってきた。今年は毎日杯を勝ったシーズンリッチと挑む。ジョッキー自身、ダービーの大舞台には2年ぶりの騎乗。ベストを尽くしてほしい。
成長を感じるシーズンリッチ
——今週はいよいよ日本ダービーですが、騎乗予定でいえば、土日ともに東京での騎乗ですね。まずは土曜の話題から伺っていきたいと思います。まず3歳1勝クラスのタナサンブラックは未勝利戦を初出走で勝ちましたね。
既走馬相手に通用しただけあって能力を感じました。中山から東京に替わってコースは違いますが、条件替わりも大丈夫だと思いますよ。
——スペイスフォースは距離短縮をしてきました。
ここのところ前進気勢が出てきたこともあって、距離を縮めてみようとなりました。あとはこの条件でどれだけ走れるか、ですね。
——富嶽賞のフォトスフィアや葉山特別のバニシングポイントとどうでしょうか。
フォトスフィアはハマり待ちの面は否めませんが、1勝クラスの勝ち方は良かったのでチャンスがあるとは思います。バニシングポイントは前走も引っ掛かるくらいでしたし、距離はマイルくらいの方がいいと思います。フットワーク自体は悪くないですし、変わり身に期待です。
——ホウオウセレシオンは長期休養明けですが、追い切りにも乗られたようですね。
1週前追い切りに乗せてもらったところ、さすがにこのブランクは感じましたが、能力のある分でカバーできれば理想です。
——日曜の未勝利戦ではマイショウチャンは接戦が続きます。キャルドーンは条件を変えてきました。
マイショウチャンは時計こそ遅いですけど、前走は今までよりも内容が良かったですよ。キャルドーンは前走もいい走りはしていましたが、距離を縮めることでもう一つ弾けてくれればと思います。
——青嵐賞のエイカイマッケンロは前回が初コンビでした。
乗り易くていい馬でしたね。安定して走ってきそうです。
——日本ダービー(G1)はシーズンリッチに騎乗。枠順が既に発表されました。
毎度、東京のこのコースでは同じような意見になってしまいますが、もう少し内が良かったですね(笑)。ただ、もらったところでやるしかないですからね。
——追い切りには2週続けて乗られたようですね。
以前より重心が変わってきていて、成長を感じました。前の印象では伸びて走ってしまっていたのが、今は体を起こせるようになっていました。コンディション的にもいいと思います。
——追い切りではどんな指示がありましたか。
1週前はしっかりやっていたので、今週に関しては気持ちよく走らせるように努めましたね。
——フットワークを見ると、距離は対応できそうに感じます。
2400mは乗り易そうですね。将来的にも長い距離を走っていきそうです。完成するのはまだまだ先だと思いますが、キレるよりはしぶとく脚を使う印象でしょうか。
——ここのところ活躍目立つドゥラメンテ産駒にも色々な馬に乗られてきました。
印象としては他の種牡馬よりタイプが違う馬が多いのですが、この馬と同じくしぶとい馬が多い印象ですね。そこは共通しているかもしれません。
——昨年はダービーでの騎乗がなかったですよね。
今でも一番勝ちたいレースといえばダービーになりますね。今年は乗れること自体、光栄なことですし、楽しみです。光栄な思いを乗せて臨みたいです。
状態面が影響したミッキーゴージャス
——先週の競馬では、オークス(G1)のミッキーゴージャスは期待のほど走れなかったように感じました。
精神的にはスタンド前発走ということで心配する面もあったのですが、落ち着いてドッシリしていました。ただ、ゲートが上手くいかず、そこからリズムをとってどこまでやれるか、と期待していたのですが、ちょっと非力さを露呈する走りになってしまいましたね。完成度は劣ることをお伝えしたと思いますが、非力な分でまだまだ差はありましたね。キャリアが浅い中でここまで来られたように素質はあるので、今後に期待したいです。
——ライリッズは相当際どい着差でした。
攻め馬からいい雰囲気で、いいレースはできると思っていました。頭数も少なくスムーズに走らせてもらえた面もあるのですが、外から来られるのが早く、追い出しも早くなりましたが、それでも凌ぎ切ってくれましたね。
——キングダラスも前走の2着から上積みがありました。
前走の内容からもいい勝負になる期待がありました。道中は忙しさを感じましたが、リズムは崩さず最後は弾けてくれましたね。
——クインズジュピタは最内枠でなければ……といったところでしょうか。
気性的にハミをとったりとらなかったり、不安定さはありました。ただ、素質的にはこのクラスでもやれると思いますよ。
——ルージュエヴァイユは馬群も密集していたので、どう抜けられるか難しい隊列になりましたね。
あそこで割っていけないのはこの馬の弱みですね。切れるよりはトビもゆったりしていますからね。スタートも出て、いい形で運べたのですが、狭くなりましたし、不利も受けましたから余計に影響しましたね。
——次週の安田記念(G1)はソングラインに騎乗。1週前追い切りにもまた乗られたそうですが、こちらも楽しみです。今週もありがとうございました!
ありがとうございます。
※次回は6月2日(金)に更新予定です!
プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。