'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
人気コーナー!トップジョッキーならではの本音、レースへの意気込みをお届けします!
11月11日時点1556勝
先週は4勝!今週も福島で騎乗
2023/7/14(金)
福島開催2週目は4勝を挙げたが、3週目は計13鞍の騎乗を予定している。先日、正式にワールドオールスタージョッキーズシリーズへの出場も発表されている。先週も「日曜の暑さは厳しかった」とのこと。ここへ来て気温も一層上がり、人馬も過酷な条件下での争いが続くが、ベストを尽くしてほしい。
ストーンリッジは現級で実績のある距離に変わって反撃
——今週も福島での騎乗ということですが、土曜の騎乗馬から伺っていきたいと思います。未勝利戦のスカイラーは東京で騎乗されましたね。
初ダートでしたが、モマれずに行けたことは良かったです。ということからも、今回もモマれないかどうかはポイントになりそうですね。一度使った分の上積みにも期待したいですし、福島に替わる点も問題ないかと思います。
——サトノアインスとアイアムユウシュンの新馬は追い切りに乗られたようですね。
サトノアインスは素軽さこそあるのですが、もう少し力強さがほしいところ。アイアムユウシュンは1週前追い切りでポテンシャルを感じました。ただ、子供っぽさがあってわがままな面がありますね。そのあたりが実戦に行ってどう出るか、ですね。
——南相馬特別のオールザタイムは新馬でいい勝ち方でしたね。
いいスピードがある走りでした。そこから休みが長い点と予定をスライドした分の影響がなければ、というところです。
——日曜のロジルーラーは東京の新馬を使いました。
一度使って良くなりそうですし、福島になるのもいいかなと思います。
——会津Sのパウオレは久々に騎乗されますね。
去年に乗せていただいた時は大人しさがあって、出遅れてモマれる形になってしまいました。スピードが持ち味という印象で、当日のテンション次第ですが、ここに入ってもいい勝負を期待したいですね。
——福島テレビオープンのストーンリッジはどうでしょうか。
前走はいい形だったのですが、距離を詰めるのはいい方向に出るのかなと思います。今の時計が掛かる馬場も合いそうですね。
先週はテン乗りで4勝
——先週の競馬について振り返っていただくと、サンティーテソーロは距離を短縮して臨んだ一戦でした。
いいスピードをみせてくれました。持っているモノからすれば、トモの入りっぷりがもっと良くなれば、より上を目指せるのかと思いますが、欲を言えば……という領域の話です。1200mは合っていると思いますし、現時点でもいい走りをしてくれましたね。
——グランオフィシエはスタートで軽い不利もあったとはいえ、緩い流れも想定外だったのではないでしょうか。
少し出負けして挟まれるような形。ポジションを取れなかったとはいえ、もう少し伸びて欲しかったですね。乗り易いタイプなのですが、器用という馬ではなく、大味なところがあるんですよね。状態は良かったですし、もう少し力を要したり、上がりが掛かる条件の方が合っていたのかと思います。
——ニューノーマルは勝ち馬が手強かったですが、器用な立ち回りに見えました。
ここ最近の形とは違いましたが、道中からいい雰囲気で走れていました。勝った馬は強かったですが、器用な馬ですね。
——アルヴィエンヌはこれまでと条件は違いましたね。
追い切りの段階でも感じていましたが、ワンターンの方が良さそうですね。距離もマイルならよりやれそうです。
——アイリッシュパールはどうでしたか。
「ゲートを出ない」とは言われていたのですが、返し馬に向かう前、厩務員さんからは「ここ最近は落ち着きが出てきた」という話を聞いていました。ゲートも決め手くれて、危なげない走りをしてくれました。
——シンボは東京コースによく使われていた印象ですが、重いハンデで勝ち切っていました。
凄く乗り易い馬ですね。ここのところ競馬も覚えてきたようですし、昔は自分から行くような馬だったようですが、内枠も良くてスムーズに出していけました。
——ダノンゴーイチはやはり距離が短いのでしょうか。
フットワーク的には短いのですが、どうしても呼吸の面で1200mという状態ですね。前走よりも呼吸の面は良かったのですが、なかなか噛み合ってこないですね……。
——ヤマニンエンディマは楽なペースでしたが、最後は着差もつけましたね。
馬も良くなっていたのでしょうね。そのおかげでスタートも二の脚も速かったのかと思います。まだ距離があっても良さそうですし、いい内容でした。
——新馬のオンザヴィーナスはどうでしたか。
センスのいい走りで追い切りの感触通りでした。勝った馬は強かったですね。
——今週のジャパンダートダービーは観られたかと思いますが、古巣・大井競馬所属のミックファイアが勝ちましたね。無敗の三冠達成という事で話題を呼びました。
強かったですね。久しぶりに地方でも中央に勝つ馬が出てきた感がありますね。近年は交流で地方馬が勝つことも増えていましたけど、今後が本当に楽しみになるような勝ち方だったと思います。今年の中央勢もレベルが高かったと思いますし、これまでとは違う展開や形になっても対応しましたからね。あの競馬ができたら幅が広がって行きそうですね。聞くところ気性は難しいようでしたし、それでいて強い相手に勝てたのがより大きかったと思います。
——先週は7月8日が43歳の誕生日に騎乗となりましたね。毎年、この夏の福島開催中に誕生日を迎えられることが多いですね。
確か誕生日当日に騎乗したのは久々だったんじゃないかと思います。現地ではファンの方からも祝っていただきましたが、この場を借りてしてありがとうございますとお伝えしたいです。中途半端な数字(歳)でもあり、特に期することとかはありませんが、毎週、コツコツやっていければと思います。
——次週は福島最終週。引き続きよろしくお願いいたします!
よろしくお願いいたします。
※次回は7月21日(金)に更新予定です!
プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。