'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
人気コーナー!トップジョッキーならではの本音、レースへの意気込みをお届けします!
12月16日時点1567勝
レパードSはオメガギネスに騎乗!休み明けの克服なるか
2023/8/4(金)
開幕週でありながら2場開催の先週は2勝をマーク。昨年の同時期はと言えば、新潟の開幕週で未勝利。それ以降は一年間、毎週の勝ち星を継続してきただけに、前年度のリベンジを果たしたとも言える。今週はジョッキーにとっても相性が良いとされるレパードSをはじめ12鞍の騎乗。さらに連続勝利を伸ばすことができるだろうか。
素質は「重賞級」のオメガギネス
——先週から始まった新潟ですが、日曜は最高気温が34℃という暑さの中でのレースでした。毎年、言っているような気もしますが、今年は今まで以上に暑さを感じる天気が続きます。乗られていてどうでしょうか。
今年に関しては、今までと違う感覚はありますね。体調面は気を遣っているので問題ありませんが、ひと際暑いとは思います。
——報道によれば7月の平均気温が観測史上最高、といったニュースも目にしました。夏場だから特に食事面などで変えていることはありますか。
やっぱり気温が高いことは数字にも現れているというわけですね。以前からお伝えした通り、食生活を(グルテンフリーに)改善してからは良くなったのでこれといったことはありません。とはいえ、涼しい時季よりも騎乗数が多いと疲れも出やすいですね。
——今週ですが、レパードS(G3)でオメガギネスが復帰します。
過去2戦ともいい内容で能力を感じました。重賞でも、と思っていたくらいです。ただ、順調さを欠いて、ここまで空いたというレース間隔ですからね。そこがどう出るかは未知数ですし、精神面で言えば使った方が良くなるタイプの気性をしているように思います。新潟は器用さも必要なコースとはいえ、ペースも流れてくれれば対応できると思いますが、今回は休み明けがどう出るかが重要ですね。
——土曜のアルデリシャスは追い切りに乗られたそうですね。
牝馬の割にパワーがあって体力もありそうです。速い脚に欠ける面もあるので、実戦に行ってどう出るか、というところでしょうか。
——新潟日報賞のヴェルトハイムは東京で乗られましたね。
前走は上手に走ってくれましたね。距離を短くしたのも合っていたと思いますし、引き続き走ってくれればいいですね。
——日曜の新馬のアエロプラニーノも追い切りに乗られたそうですね。
素軽さもあって体を使えて走っているのですが、ギアが変わらない印象がありますね。そこが新潟の外回りコースになると、課題かもしれません。
——ダリア賞のコラソンビートは未勝利戦を勝ってきました。
前走がいい勝ち方でした。思っていた以上に前進気勢のある馬で距離が短くなるのも良さそうです。
——苗場特別のヤマニンエンディマは福島に続く騎乗です。
前走はいい感触でしたし、昇級しても期待しています。
新潟開幕週は2勝スタート
——アイビスサマーダッシュ(G3)のジャングロは長期休養明けでした。
はい、まさにそんな走りでしたね。パドックで初めて跨らせていただき、良い馬の背中という感触。返し馬の雰囲気も良くてポテンシャルを感じました。ただ、レースでは休み明けが影響していましたね。今回に関しては、千直の適性云々ではなかったと思います。
——エイシンネクタルは展開が向いたとはいえ、しっかり差し切りました。
スタートも決まって流れに乗れて、ペースにも対応できていました。「コレは」という感触もありましたし、追ってからもしっかりとした脚取り。いい形で勝てました。
——新馬のミッキースターダムは惜しい着差でしたね。
一度先頭に立っているだけにもったいない結果でしたが、相手の強さも感じましたね。正直、距離は少し長いように感じましたが、未勝利であれば早い内に勝てそうです。
——エピファニーはどうだったでしょうか。
能力を出し切れず、申し訳ない結果になってしまいました。ただ、以前に比べれば精神的にも悪いところを出さないようになっていたので、成長を感じました。
——ドロームはソツなく立ち回っただけに惜しい着差でしたね。
レース映像を見る限り、センスは良さそうな雰囲気を感じていました。「1700mの方がいい」とは聞いていましたが、実際にレースを終えてもそう感じました。それでも十分走ってくれてはいるので惜しい結果でした。
——アスパルディーコは1勝クラスの3歳馬であれば、もっと頑張って良さそうなものでしたが……。
追い切りでも、もう少し良くなっていい感触はありましたが、それにしてもレースでは直線を向いて反応自体がなかったですね。ここまで対応できない馬ではないと思いますが。
——かなり速い流れだったとはいえ、エリーズダイヤは芝でも差してきました。
ダートだと1200mか1800mになってしまい、選択肢が極端になりますし、芝でもやれるんじゃないかと思いました。実際に上手に走ってくれています。
——サトノフォルテは新馬からブリンカーを着けていたほどでしたが、実際に気難しさを感じさせる走りでした。
思っていた通りという面は否めませんが、やっぱり精神面が阻害してしまっていますね。
——シカゴスティングは相手のミスに助けられた面はありますが、しっかり立ち回って押し切りました。
いいスピードがあって雰囲気のある馬ですね。気が入っていたので、新馬を使ったことによりテンションが高くはなっていましたが、押し切ってくれたのは何よりです。
——この2場開催となると、ジョッキーの人数が多くて乗り鞍確保も大変かと思います。少なくとも毎週ひとつは勝つことは意識されていたので、先週は土曜の朝イチで早々と勝てたことは良かったのではないでしょうか。
ただ、日曜の時点で未勝利だと少なからず焦りはあります。とはいえ、土曜から意識しているかと言えば、気にはしていないのは事実です。もちろん毎週続けることは大事ですが、一鞍、一鞍を大事にすることの方が意識しています。結果、日曜になって「まだ勝ってないな」と思い始めるくらいで。
——今週のトレセンでは関東オークスを制したパライバトルマリンの追い切りにも騎乗されていましたね。
はい、門別で乗せていただく予定です!
——今週もありがとうございました!
ありがとうございました!
※次回は8月11日(金)に更新予定です!
プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。