'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
人気コーナー!トップジョッキーならではの本音、レースへの意気込みをお届けします!
12月16日時点1567勝
4年ぶりのWASJ出場!初優勝なるか
2023/8/25(金)
先週は週中から北海道と新潟を転戦したが、今週末は久しぶりに連日、他場への遠征となる。ワールドオールスタージョッキーズシリーズはこれまでに2017年の2位もあったが、怪我もあったため2019年以来の出場となる。また、約1年続いている毎週の勝ち星を継続できるだろうか。
——今週はWASJに出場。連日、札幌での騎乗ということで、騎乗経験のある馬が極めて少ないですね。普段は乗ったことのある馬についてコメントをしていただいていたので、普段と違って話題は少なくなってしまいますが、よろしくお願いします。
よろしくお願いします。(日曜4Rの)ミニストリーは川崎の交流で乗せていただきましたが、乗り易いイメージはありますね。距離は長い感も受けますが、もうワンパンチというところです。
(日曜9R)アイリッシュパールは昇級しての力関係が課題になりそうですが、前走はスタートが遅いと言われながらも普通に出てくれましたね。それは調子が良かったからだと思いますが、ここも同様に出てくれるといいですね。先週、傷んでいるように感じた洋芝自体はこなせていいのかと思います。
——昨年、MVJを獲得されたことで出場権利を得てWASJは久々の出場ですね。
やっぱり結果を残さないと出場権利がありませんからね。出られることは率直に嬉しく思いますし、今後も出続けたいシリーズです。その中で勝てれば何よりです。
——日本を経験している騎手、していない騎手も含め、普段と違った顔ぶれになりますが、質の違いはありますか。
どうだろう。僕としてはそんなに感じないです。どんなクセがあるのか、そこも来てみないとわからないですけど、気にはならないですね。
——先週のレースでは札幌記念(G2)のラーグルフはどうだったでしょうか。
跨って力強さが出てきているとは感じました。ただ、まだトモが甘いところがあって、競馬でも影響していたように感じました。重くなっていた芝自体には対応していたと思いましたし、成長は感じられました。ただ、一線級とやるにはさらなる成長も欲しいところです。
——アルヴィエンヌは惜しい2着でした。
前走より気持ちも入っていましたね。馬自体は良くなっていましたが、窮屈なところもあり、苦しい競馬になりました。それでも我慢をしてくれて、感じていた通りワンターンになって良くなったと思います。
——ドゥレッツァは前が残る流れを思えば目立った勝ち方でしたね。
内枠の馬に外へ出てこられたことで、そこの判断が中途半端になって、位置取りを下げて馬へ負担を掛けてしまいましたね。それでも勝ち切ってくれたように能力は高いです。
——3コーナーも前がズラっと横に広がって行き場が難しくなりましたね。
あそこは空くだろうと思って内を選びましたが、上手くいけました。
——この時季に3勝クラスを制したことで秋への期待も膨らみますね。
将来的な適性の距離としてはこれくらいかなと思いますが、今後も楽しみですね。
——ウナギノボリはどうでしたか。
基本的に新潟のダートは前残りが続いていますが、このレースも前が残る流れでしたね。それに馬も前より硬さも感じました。他のレースでは、キングサーガなども前残りの馬場やコース形態も合わなかったです。
——テンペストは苦しい形でした。
能力はあると思いますが、レースはモタれて外に出せないくらい。解消されてくれれば楽しみですが、今回は何とか勝ったという内容でした。
——レガシーオブエリザは接戦でしたね。
いい形で運べていたのですが、こちらもモタれて推進力が逃げている走りでした。着差は僅かですが、マトモなら勝てたはずです。
——ブリーダーズゴールドカップ(Jpn3)のパライバトルマリンは2着でした。
こちらも馬場が乾いて勝ち馬に有利になってしまいましたね。勝ち馬は楽をしていましたし、もっとついて行ければと見えるかもしれませんが、行っていればこちらがもっと苦しくなったと思います。
——2度騎乗された上での適性はどう感じましたか。
既に調教でも実戦でも乗せていただいたのでイメージは変わりませんが、クリストフ(・ルメール)は「短いところの馬」と言っているんですよね。でも、自分としては長い距離かなと思います。
——先週といえば、南関東時代にも一緒に乗られていた左海誠二調教師(元騎手)の訃報が伝えられました。
驚きしかありませんでした。ショックですし、悔しいです……。
——船橋と大井で所属は違うものの、大きく言えば同年代ですよね。
そうですね。厩舎も開業されたばかりで、誠二さん自身もまだまだやっていく意欲があった訳ですから。僕自身ができることとすれば、誠二さんも応援してくれると思いますし、しっかり目の前の競馬に取り組んでいきたいです。
——次週は夏競馬最終週となります。またよろしくお願いいたします。
ありがとうございました。
※次回は9月1日(金)に更新予定です!
プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。