'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
人気コーナー!トップジョッキーならではの本音、レースへの意気込みをお届けします!
11月18日時点1558勝
カペラSはタガノクリステルと再コンビ!
2023/12/8(金)
先週日曜は3勝をマーク。年内の開催が残り僅かになる中、どれだけ勝ち星を伸ばせるだろうか。今週はカペラSなど15鞍の騎乗となる。
タガノクリステルは乾いた馬場をどうこなすか!?
——黒松賞のスピリットガイドは連続で騎乗されて、再び中山に戻る形になります。
前走は馬の成長が一番の勝因だと思います。中山か東京かどちらかと言われれば現時点ではどちらも走れている印象で、まだどっちが向いているかは何とも未知数な面もありますが、1200mになっても大丈夫でしょうね。
——レッドラマンシュの前走は1番人気ながら6着でした。
前走は体の重さが残っていたように思います。本来は1400mを中心としてしまいましたが、1200mの距離自体は気になりませんでしたし、慣れも見込めそうですね。また、休み明けになるのがどうか、ではありますが、3勝クラスでも人気になるように素質はあると思いますので改めて期待したいです。
——デコラシオンといえば中山コースが合う印象です。
そうですね。派手さはないものの、しぶとくて安定しているイメージです。
——2走前に乗られた際は厩舎サイドも調整面の難しさを口にしていたように記憶します。
そう言われていましたね。ただ、状態も上がりきらなかったとは言われながらも、実践では問題なく走ってくれましたよ。乗っていて気になる面ではなかったです。
——キングサーガは何度も乗られている馬ですね。
条件が替わった時や詰めて使った際に着順を落としてしまう感もありますね。中山より東京の方が合いそうな感覚があるのは事実ですが、勝ちきれないながらも安定しているところを出してほしいです。
——日曜のミシェットはどうでしょうか。
新馬、2戦目といい走りはしてくれていると思います。やや距離は忙しい可能性はありますが、条件が変わるので対応してほしいですね。
——新馬のルージュアベリアは追い切りに乗られましたね。
今週、ウッドでの追い切りに乗せていただきました。水準に動けていると思いますよ。まだこの年齢としても幼さがある面は見受けられたので実戦でしっかり走ってくれるといいですね。
——ミッキーファイトも初コンビながら追い切りで確認されていますね。
新馬後の2戦目だけに未知な面があることは事実ですが、能力的には1勝クラスを突破できていい存在。まだ緩さがあるものの、先々を踏まえてもいい競馬を期待しています!
——カペラS(G3)ではタガノクリステルに騎乗されます。
勝たせてもらった時は着差の通り強かったですね。馬場状態が一番気になっていまして、乾いた馬場になりそうなのは残念ではありますが、頑張ってほしいです。
——今週は天候が気になっていましたが、雨は望めそうにないですね。ただ、2走前のレースぶりはいい立ち回りだった記憶があります。
レースでは馬の気分を害さないよう気をつけましたが、凄くスムーズでしたし、モマれる形になっても大丈夫なタイプなのかと思います。1200mにも慣れが見込めそうですね。
——サザンステートの前走は混戦模様ながら昇級で2着でした。
相手に恵まれた感もありましたが、以前に乗せてもらった時より成長している分、昇級でも対応できた要因かと思っています。このクラスでも能力上位、とまでは断言しづらいところですが、中山マイルにも対応できる強みを活かしてほしいです。
先週は日曜に3勝!
——オタルエバーはリステッドを勝利。今後の伸びしろをどう感じられたか気になったところですが。
「イメージのあった馬」と言いますか、一緒のレースによく乗っていて、客観的に見ていたイメージはあったんです。レースはその感触も良かったのか、凄く上手に走ってくれましたね。伸びしろという面でいえば、体の緩さはまだあるように感じますし、中山でも結果を残してくれた通り、その辺りがパンとしてくれれば、もっと良くなるかもしれませんね。
——テーオードレフォンは初コンビでしたが、追い切りでも好タイムで臨んでいましたね。
前走はデキが落ちていたそうで、逆に今回は「良くなっている」と事前に聞いて臨みました。行きっぷりの良さもデキの良さからなるものだと感じましたし、最後もしっかり伸びてくれましたよ。いい時に乗せてもらってありがたいです。
——一方、ブーケファロスはラチ沿いを通った馬が上位に来る週の馬場とはいえ、最後方の馬が脚を使っていることを思えば、案外なレースぶりでした。
体重が増えていたのが良くなかったんですかね……。今まで感じたような反応や切れがなかったです。いい時の走りではなかったと思います。
——ベルシャンソンは前走を見ていると、中山でどうなのかなと自分の意見としては感じました。
正直なところ1800mはギリギリですね。返し馬からけっこう気が入っていました。乗り方も「強気」というよりは大事に行きました。上手くハマってくれました。
——エスカルは未勝利勝ちの内容は良かったように思います。外を回ったにしてもひと息でしたが……。
こちらは状態がいい頃よりはまだ足りていなかったかもしれませんね。重さを感じました。
——ヴァナルガンドのレースは先行有利のスローながらも勝ち馬には突き放されましたね。
この馬の走りはしてくれていると思いますが、今回は相手が手強かったですね。
——新馬がいい勝ち方だったショウナンラピダスですが、いかがだったでしょうか。
ゲートが出ないのは前回同様ですが、本音を言えば、もう少し伸びてくるところをみせてほしかったです。2戦目での変わり身という点で悪い方に出た訳ではないにしても、これだけ脚を使えないと距離の壁もあるのかなと思いました。
——出遅れたにしてもブツけられて嫌気を差したとかいうことではないのですね。
その後は普通にレースをしていますからね。フットワークも硬めなところがあるので、距離の限界なのかもしれませんね。
——そのあたりは観ていても感じるところはありましたが、走り方的にもコーナーが多いのもどちらかと言えば分が悪いのでしょうか。
それもあるのかもしれませんね。
——カピリナはこれなら勝てたかなと思ったところから、同厩の1週前に除外になった馬に差される結果でした。
馬主さんが違うのですが、追い切りの感触の差で言えば、まさかあの馬に負けるとは思わなかったのが本音です。まだレースに行くと精神的に幼い面は見受けられましたが、ラストは上がりを要したとはいえ、押し切ってほしかったですね。
——ターコイズS(G3)ではウインピクシスに騎乗とのことですが、次週はグリーンチャンネルで放送されている「競馬ブロス」に出演されるそうですね。次週もよろしくお願いします。
よろしくお願いします!
プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。