'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
人気コーナー!トップジョッキーならではの本音、レースへの意気込みをお届けします!
12月16日時点1567勝
今後へ向けて結果を出したいオメガギネスと東海Sへ!
2024/1/19(金)
今週はかねてよりお伝えしていた通りにオメガギネスに騎乗するため京都へ。まだキャリアが浅く未知な面は残すようだが、勝てばフェブラリーSへの優先出走権が与えられるレースでもあり、結果を残してほしい一戦だ。
キャリア4戦ながら対応力が光るオメガギネス
——今週は一番の注目といえば、日曜京都の東海Sを予定しているオメガギネスだと思います。2週続けて追い切りには騎乗されたようですね。
順調に来ていると思います。1週前追い切りでは、まだ体に余裕があるのかと感じましたが、今週は素軽くなっていましたし、走れる態勢になってきたと思いますよ。
——まだたった4戦しかしていませんが、俗に言う底を見せていない状態だと思います。コースは変わる点はどうでしょうか。
正直に言えば、適条件がどこなのか、自分でもわかりかねる面もありますが、幅広く走ってくれていますからね。左右は問わないですし、馬場状態も乾いた馬場でも、脚抜きが良くても大丈夫ですからね。どうなんでしょうか。あんまり速くならなければいいのかな、くらいに思っていたくらいです。それでも前走も不良馬場でしたからね。
——課題を挙げれば、こちらが観ていても感じる面はありましたが、「伸びて走ってしまう」ところですか。
それは多少ありますね。ただ、今回の追い切りも体を起こして走れるようにはなっていましたし、レパードSのようなことにはならないと思います。
——そこは今後、改善される余地はありますか?
ハッキリとはわからないです。あくまで馬の伸びしろもその馬それぞれですからね。でも、良くなる余地はあると思います。
——デビュー前の怪我の影響でそういった面もあるんですね。
やっぱりトモが弱いと伸びて走ってしまうところがありますよね。ただ、それでも現状はこなしてくれていますからね。
——レパードSの時はペース的にも前を行く馬の方が厳しかったと思います。それでも差し切れなかったことに関してはどうでしょうか。これは体質面の課題というよりは、予定していたレースを伸ばした調整過程の影響でしょうか。
そう思います。本来、使おうとしていたレースを使えず、度々、スライドしましたからね。当時に比べれば今回の方が良いですね。現状はこれといった明確な弱点もないですから、いい勝負をして欲しいです!
——土曜中山のエクリプスルバンはどうでしょうか。
素軽さはあって動けてはいます。あとは追ってから首を使えていないので、そのあたりが良くなってほしいです。
——リヤンドゥミラクルは3戦連続の騎乗です。
トビが軽くてバネもありますね。後ろからになると思うので展開が向いてくれれば。馬場が渋ったとしても、対応できそうな感触はあります。
——アイアムユウシュンの前走は馬体重も重かったんじゃないでしょうか。
もう一つ動ける予定がある印象でした。一度使っての上積みに期待です。
——初茜賞のメイショウコバトは再度のコンビです。
どんな形でも対応してくれるイメージで乗りやすいですね。その反面、もうワンパンチという結果になりやすいところもあるのかと思います。あまり脚抜きのいい馬場になってしまうと、そこも少し割引かと思います。
状態が上がってきたタイミングで騎乗できたクロジシジョー
——先週のレースではハイハローは長期休養明けで6着でした。
休み明けでもありましたし、この馬本来の気性的にもテンションがどうかと思っていましたが。我の強いところもあって、ゲート内でジッとすることができず、出遅れましたが、最後はしっかり伸びていましたね。次には繋がると思います。
——京成杯(G3)のグローリーアテインはここまで負けてしまうとは驚きでした。
2戦目になったことで気が入りすぎてしまっていましたね。攻め馬でもそんなところがあったとはいえ、ペースが変わる実戦ならハミが抜けるところがあったと思いましたが、あまくはなかったです。距離を縮めて、競馬を覚えて行く方が良さそうです。
——ジャニュアリーSをクロジシジョーで勝利されました。
返し馬からいい雰囲気で馬が良くなっていましたね。ポジションを以前より取れたのも状態が良かったからだと思います。
——とはいえ、ある程度、促すような追走でした。もっと距離が延びた方が良さそうですか。
でも、だからと言って延びたからこなせるかと言えば未知数ですね。今回に関しては、状態の良い時に乗せてもらえましたよ。
——ブーケファロスは前走がプラス体重。今回はハンデも重い方でしたが、どうだったでしょうか。
前走よりは動けていますね。後ろから行く馬には向いているペースではなかったですが、頑張っていますよ。
——キントリヒのレースは相手が悪かったように思います。
頑張ってくれてはいるんですけどね。どちらも変わらないのかと思いましたが、距離が長いと飽きちゃうようなので、2500mより2200mの方が合うのでしょうね。
——ジャグアールのレースは権利持ちだらけの豪華メンバーで頑張っていました。
着実に馬は良くなっていますね。勝ち馬は強かったですが、いい走りでしたし、勝てるチャンスも近いと思います。
——ミツカネジェミニのレースは絡まれなければ押し切れそうでしたが……。
厳しい展開になりましたね。ただ、馬はトモの甘さがあってコーナーを逆手前だったりとまだ確実性は足りませんが、上手く成長してほしいです。
——ショウナンマグマは以前のイメージで言えば中距離で引っ掛かる印象でした。
そのあたりも良くなっているようですね。前で落ち着いて走れるようになっていましたよ。
——ルージュスタニングはいいレース運びに感じましたが……。
この走りで芝では厳しいように感じました。背中は良い馬だと感じましたし、ダートなら走ってくれると思いますよ。
——サトノエピックはどうでしたか。
以前はテンに行けないのに楽に行けましたね。あとはあのペースで行ければ……という展開。マクられたのはキツかったです。
——コーナーでは滑っているようにも見えました。
いや、そんなことはなかったですよ。ただ、この馬も伸びて走るようなところがあるので、そう見えるのかもしれませんね。
——おそらく「何もない」と言われそうですが、ここのところ関西に行く機会がありますし、ここ最近は移動中にやっていることはあるんですか?
ないですね(笑)。
——マネージャーさんと一緒に帰られると思いますが、話したりとか。
いや、喋らないです。週末は(バレットとして)ずっといますし、僕もそんな喋る方じゃないですから(笑)。
——質問の仕方を間違えた気もしますが(笑)、次週からは東京開催!根岸S(G3)はパライバトルマリン、東京新聞杯(G3)はコナコーストとのこと。東京開催もよろしくお願いします!
よろしくお願いします!
プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。