'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
人気コーナー!トップジョッキーならではの本音、レースへの意気込みをお届けします!
11月18日時点1558勝
継続騎乗の多いラインナップで土日18鞍!
2024/3/15(金)
馬力タイプのカニキュル 今の芝もこなせそう
——先週は中京での騎乗もありましたが、今週は土日いずれも中山ですね。いつも通り騎乗経験のある馬を中心に伺いたいと思います。土曜のミツカネジェミニはレースでも乗られて、今週の追い切りにも乗られたようですね。前走は相手も手強かったように感じました。
追い切りでは変わらず順調にきていると感じました。いい意味で平行線ですね。タイプ的にも中山に戻ってもマイナスにはならないと思いますよ。
——ショウナンラピダスやブライテストドーンはどうでしょうか。
ショウナンラピダスは以前であればゲートも決まらなかったのですが、前回は流れに乗れた反面、力みもありました。あれならば中山の方がいいのかと思います。ブライテストドーンはクラスにメドは立っていると思います。もう少しメンタル面の成長は欲しいですし、器用さも欲しいところですが、前走以上を目指したいですね。
——ホウオウバリスタは久々に騎乗されます。
乗っていない時でも安定した走りはしていますからね。東京で走っているイメージもあるので距離は短くなりますが、いい走りをして欲しいです。
——フラワーC(G3)のカニキュルは追い切りに乗られましたね。
女の子ながら力があって馬力のある印象でした。乗る前にはまだ前後のバランスに差があってトモが緩い、とも伺ったのですが、確かにそう感じました。今の馬場は荒れていますが、馬力という面ではカバーできそうですね。
——乗られていないレースでしたが、未勝利は目立った勝ちっぷりでしたね。
どちらかと言えば中山より東京の方が合うのかなとは思います。それでも気性的な問題は現状では感じませんでしたし、今回のような3歳牝馬の長めの距離は合いそうですね。位置どりや当日の気配などはどうなるか、騎乗経験のある馬ではないのでわかりかねますが、そこは上手く対応したいです。
——日曜の未勝利戦ではジャミラヌールやデイジーには既に騎乗されていますね。
ジャミラヌールはちょっと硬めのタイプに感じましたが、上手に走ってくれました。もう少し体を起こして走れるのが理想ですが、前走からの成長を期待したいです。デイジーは前走がいい内容でしたし、成長も感じました。
——デイジーは新馬の後に中山ではどうですかという話をした際は「東京の方が良いんじゃないか」ということでしたね。
その点も2戦目にかけての変化を踏まえれば、今なら対応してくれそうですよ。
——ハイハローは長期休養明けを使いましたね。
1週前追い切りにも乗せていただきました。能力はあるのであとは当日の精神面次第ですね。攻め馬では問題ないので。
——キングダラスはどうでしょうか。
どちらかと言えば東京の方が合うと思いますが、相手なりにこなしてくれますからね。
——デコラシオンは以前に乗られた時のレースぶりが印象的。なかなか勝ち切るのは難しそうなタイプですね。
その通りです。安定はしてくれますし、今の馬場は良いと思いますが、なかなか前の馬を交わそうとしないのでね。上手くアプローチしたいです。
——千葉Sのクロジシジョーは再び騎乗されます。叩き良化タイプとは耳にしますが、連勝中ですね。
2走前に乗せていただいた際の印象は成長を感じました。それが結果に繋がったと思います。今ならここでも楽しみですね。
——スプリングS(G2)のスティンガーグラスはテン乗りですね。
観た印象でしかないですが、新馬もいいレースでしたね。重賞でどれだけ上積みがあるか、期待しています。
引退レースを飾りたかったククナ
——先週のレースではベネロングポイントは2番人気も7着でした。
序盤から忙しさを感じたし、勝負所でモタれるところがありましたね。コンディションに問題があったようには思いませんでしたが……。
——金鯱賞のノッキングポイントはいかがでしたか。
道中で上手く導いてあげられなかったことは反省です。それにしても直線は反応がなかったですね。追い切りでの感触でいえば、あそこまで動けないとは思わなかったので想定外でした。
——昇竜Sのアイアムユウシュンはどうでしたか。
上手に走ってくれたと思います。2走前のような走りができていれば、ここでも通用したと思いますが……。
——ロフティーイデアルはまたしても2着でした。
前半の行きっぷりなどはブリンカーの効果もあったと思います。ただ、やっぱり難しい馬ですね。内容自体は上手に走ってくれているのですが、勝負所でもう一つ気持ちの前向きさが欲しいです。
——パッカパッカブーで勝利されました。
今回は外枠と行く馬が少なかったことはプラスでしたね。今後はもう少し気性的な成長があると、競馬はしやすくなるのかなと思います。
——ピンクセイラーは接戦の中で3着でした。
あの日は内も外もどちらも馬場が悪く、それでいて差しが決まる流れ。よく頑張って走ってくれました。以前より精神面のたかぶりも許容範囲内でしたよ。
——中山牝馬S(G3)のククナは惜しかったです。
あそこまで行ったら勝ちたかったですね。重賞タイトルは持っていない馬なので前走にも言えることですが。スタート後に躓いた分、理想より位置も後ろになってしまったのが痛かったですね。それでもペースと斤量を思えば、こちらも同等の走りはしていたと思います。ラストランと聞いていたので何とか勝ちたかったです。
——アドマイヤラヴィはいかがでしたか。
上手いこと流れに乗せたかったですね。バランスを崩したり、色々とスムーズにいかなかったのは痛かったです。
——ジルバーンは勝ち馬がマイペースで逃げ切り。それでも最後に浮上しました。
乗りやすいタイプで上手に走ってくれたと思います。
——今週は皐月賞の騎乗予定も明らかになりました。次週も引き続き中山での騎乗とのこと。引き続きよろしくお願いいたします!
よろしくお願いします。
プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。