'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
人気コーナー!トップジョッキーならではの本音、レースへの意気込みをお届けします!
11月11日時点1556勝
秋競馬開幕週は紫苑SとセントウルSに騎乗!
2024/9/6(金)
先週をもって夏競馬が終了した競馬界。惜しくも連続リーディングとはならなかったが、福島では15勝、新潟では15勝を挙げた戸崎騎手。開幕週は土曜が中山、日曜が中京での騎乗となるが、注目は距離短縮となるダノンスコーピオンだろう。幸先いい秋競馬開幕週を期待したい。
魅力を感じて臨むセントウルS
——今週は日曜が中京での騎乗ですね。次週の日曜も中京で乗られることになりますが、遠征するだけに好結果を期待したいですね。セントウルS(G2)のダノンスコーピオンは初めての距離となりますね。
見ている限り状態は凄く良さそうですよね。今回は距離短縮が一つのポイントになりますが、条件は合うと感じています。
——一般的に距離を短縮する場合、行きっぷりがいい馬が距離を詰めるようなケースがあると思います。安田記念は前半の気配こそ確かに前進気勢が見えていたものの、基本的に後方から行く馬ですよね。
そうですね。それでも前回を走ってから良いんじゃないかと感じました。というのも、精神的な面も踏まえて1200mで遊びが無く走れそうですよね。今回に関しては、阪神のセントウルSではなく連続開催の中京ということで荒れた馬場や展開的にもさらにいい条件になると思います。
——初の1200mとしても小倉とかなら追走が厳しくなりそうですが、中京なら、ということですか。
コテコテのスプリンターかと言えば、そうではないと思います。ただ、そこはアプローチ次第で上手く運べればと思います。まだモタれるようなところなどもありますが、以前のようにヤメてしまうようなところもないでしょうからね。楽しみです。当時はスタートが決まっていたわけではありませんが、京王杯(スプリングC)ではしっかりと立ち回れていましたからね。この距離でもあんな競馬ができればと思います。
——その他の騎乗馬では、土曜中山のプレミアペガサスは引き続き乗られますね。
負けはしましたが、いい内容でした。力は上位だと思います。
——紫苑S(G3)のホーエリートは上半期以来の騎乗。追い切りにも乗られていましたね。
少し以前よりしっかりしたように感じました。追い切りではモタつく面があったので、そこがどう出るか、という懸念はありますが、距離は違うものの、中山は走っている舞台ですからね。そこに期待します。牝馬ながらスタミナがあるタイプだと感じています。
新潟はリーディングならず2位
——先週は残念ながら新潟リーディングとならなかったですね。
そうですね。悔しいところですが、新潟に関しては、とにかく暑さが厳しかったです。繰り返しになりますが、今年は湿度が高くて、これまで乗ってきた中でも一番暑かったように感じました。JRAに移籍してからと比較しても、年を重ねるごとに気候の変化を感じました。
——新潟記念(G3)のレッドラディエンスは残念ながら5着でした。
まず、位置に関しては決めつけずに臨みました。後ろからの形でリズム良くいけたと思っていましたし、雰囲気は良かったです。ただ、ギアを入れ出すのが早くなってしまいましたね。ラストはジリジリといった伸びでした。しかも、結果的には内を空ける形になるので、周りも外に出す分、外々を回らされ過ぎましたね。そのロスもあったように感じます。
——スタートは出ていたので、もっと流れに乗っていくのかなと思いながらみていました。
ただ、これまでも出たなりでやっていて、いつもと変わらない形ですね。ラストも脚は使っていますが、ハンデ差もありましたし、状態も福島が良過ぎたので、そこと比べるとどうかな、という面もありました。
——ルチアーナは減量騎手の馬に押し切られましたが、前進はしていますね。
レースも上手になってきていますし、1400mは良かったです。いい走りはできています。
——アトリウムチャペルはまさかの大敗ですね。
やっぱり雨はこの馬にとって良くなかったですね。周りも下げてきたことで余計に後ろからのレース運びになりましたし、スタートも悪かったです。広いコースながら新潟らしく他馬との兼ね合いが大きなロスになっていました。
——初コンビのジュンツバメガエシは4着でした。
良い馬でしたが、一度叩いて良くなりそうですね。次はいいと思いますよ。
——3歳未勝利戦のサラフォーコンは勝ち上がりました。
スピードをいかせて楽なペースで運べました。走りもしっかりしてきましたね。
——そういえば、夏の甲子園も終わりましたが、今年はいかがでしたか。
見られる時は見ていましたよ。特に決勝戦はいい試合だったなと思います!
——他にはボクシングなんかは見られたりしますか?
井上尚弥選手ですか?見ていた試合もありますが、今回は配信媒体が違ったので、見られなかったです(笑)。
——ご自身のトレーニングでは新しく取り組まれていることなどはありますか?
いや~新たにということはないですけどね。できることをしっかりやっていくだけです。
——今週は栗東で追い切りをつけられたそうですが、次週は中山と中京での騎乗。オールカマー(G2)ではサリエラに騎乗されるそうですね。次週もよろしくお願いします!
よろしくお願いいたします。
プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。