'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
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12月16日時点1567勝
秋華賞はステレンボッシュに騎乗!リベンジへ課題は?
2024/10/11(金)
3日間の今節は新潟、京都、東京と騎乗。中でも秋華賞はオークスで落鉄がありながら2着に敗れただけにリベンジを期したいところ。今週は栗東でも調教に騎乗しただけに、その感触も含め語ってもらった。
今週は栗東で追い切りに騎乗!
——今週は3日間開催ではありますが、日曜には秋華賞(G1)。ステレンボッシュに引き続き騎乗されますね。今回は栗東トレセンで追い切りに騎乗されていました。
この夏を越してどんな成長をしてくれたのか、跨るのが楽しみでした。力強さが増したように感じますし、成長はしていましたね。
——オークスではレース序盤に落鉄というアクシデント。それでいて2着でした。今度はコースが替わります。
レースでは一度しか乗っていませんが、器用さもありますからね。どちらでもこなせる印象です。乗りやすいタイプだと思っていますし、問題視はしていません。極端な枠にならなければとは思っていますが。今週は天気も良くて、いい馬場になりそうですが、問題ありません。
——桜花賞の時はゲートが決まりきらず、促しつつの追走に映りました。オークスのゲートは問題なかったですが、その心配はありませんか?
その課題はまだあると言えると思います。スタートはポイントになるでしょうね。流れ云々は枠が出て、並びを見てから想定しようと思いますが、こちらも前残りになるようなペースにならなければ、ですね。
——今まで馬群の中で我慢がきく競馬が多いですね。エピファネイア産駒というと前進気勢も強い産駒がいるイメージを受けますが、他の産駒と比較してどうでしょうか。
気性面もそんなに不安には感じないですね。総じてドッシリしていた印象です。どちらかと言えばリアクションが鈍くなるようなレース運びにならないといいなと思います。
——今回の追い切りでは反応がもう一つに映りましたし、そんなコメントもありましたね。
行きっぷりは問題ありませんでしたし、雰囲気は良かったです。ただ、追ってからがもう一つ欲しかったのは本音ですね。
——状態面が課題になりそうですね。
ただし、今回の追い切りを行ったことで変わってくるんじゃないかと。レースまで日数もありますからね。もう一つ上向いてくれればいいなと思います。
——土曜の新潟ではサンディブロンドやパレスドフィーヌはいかがでしょうか。
サンディブロンドは久しぶりの騎乗。当時より成長してほしいところですね。パレスドフィーヌは前進で進境が窺えました。引き続きいい方に向いていってくれれば理想です。
ボンヌソワレもう少し変わってきてほしい感はあるのですが、前走から変わってきてくれるか、期待したいです。プロフェータは砂を嫌がるところがありましたし、こちらも成長がほしいですね。
——メイショウハチローは追い切りに騎乗されたんですね。
元気の良さが目立つ馬でした。やんちゃな面もありましたが、能力は感じましたよ。現状でこの相手にどれだけやってくれるか、ですね。イメージ的には距離は短くなるかもしれませんが、(福永)ユーイチさんの厩舎がどう導いていくのか、次第で変わるのかもしれませんね。
——オメガウインクは昇級初戦です。
今回は斤量面も周りより有利ですね。感触以上に走ってくるのが、この血統らしいところでもあるので、そこに期待しています。
進境感じたローシャムパーク
——先週の毎日王冠(G2)ではローシャムパークは10着。展開も噛み合わなかったとはいえ、着順を落としてしまいました。
リズム良くいけるかがポイントだと思っていました。返し馬から操縦性が良くなってきたなと感じましたし、レースも良くなりましたね。スタートも上手に出てくれました。これまでならヨレて出ていくのが、ドーンと真っ直ぐ出てくれたんです。この点も改善されていました。道中も我慢が利いていて、上手に走ってくれたと思います。
ただ、ラストは伸びてくれなかったですね。アプローチの仕方もあったのかなとは思いますが。
——今回、敗れながらに道中の形が良くなったのは厩舎や放牧先などでの鍛錬の効果ですか。
それしかないと思いますね。今回の走りなら距離が延びてもいいように感じるくらいです。
——アピーリングルックのレースはかなり手強かったですね。
それは感じました。それでもいい形でしっかり走れていて、こちらも成長を感じました。敗れはしたのですが、先々が楽しみになる走りでした。
——サトノルフィアンは距離を延ばしたにしても、負け過ぎたように感じました。
行きっぷりが良過ぎてこれは引っ掛かりましたね。状態が良過ぎたからこそ、逆に引っ掛かってしまったとも言えます。ただ、1400mでも引っかかるくらいの行きっぷりですね。展開次第によりますが、もう1F短くても良いとは思いますが。
——サトノクロークは少頭数という条件も合わないのかと思いました。
頑張ってはくれていますけどね。東京じゃない方が合いそうですし、馬込みで運ぶくらいがいい馬だと思います。
——サトノアインスは湿ったダートが良かったのか、一変しましたね。
色々と上手くいきましたね。馬自体は今回の方がデキは良くなっていましたし、湿った馬場も合っていたと思います。直線も長いのでドンと構えましたが、末脚が活きましたね。
——アルーリングタイムも惜しい内容でした。
新馬以来ですが、成長を感じました。いい勝負ができるとイメージ通に運べましたね。馬もリズムよく走ってくれましたが、結果が残念でしたね。
キロノヴァは追い切り出も感じるところはありましたが、前と後ろのハマりがもう一つ。レースでもそこが出てしまいましたね。アドマイヤデイトナは上手に走ってくれましたね。どこかでいい勝負ができると思います。
——ドゥカートはダート替わりで勝ち上がりました。
こちらも軽いダートが良かったかもしれませんね。成長できれば今後も楽しみです。
——サウジアラビアRCのマイネルチケットはよく踏ん張っていますが…。
頑張ってくれているんですけどね。道中の行きっぷりなんかは前走よりあったくらいです。その中で冷静さを保って走ってくれていますが。
——個人的に感じていますが、適性は短距離なのでしょうか。
いや~トビだけでいえば、決して短いところではないんですよね。あとは成長することで、気性なのか走りか、どの性質が強くなるか、ですね。
——ジョージテソーロはどうでしたか。
スタートもよく、この馬のレースはできたと思います。クラスが上がるとペースも変わってきますからね。慣れていければいいですね。
——シヴァースは3着でした。
ゲートが上手く出ていけないと聞いていましたが、上手に出てくれました。2着馬より早く動けると良かったのですが、それでもこの距離もこなせますね。
——ロンドボスはステファノスが母系にいる血統。戸崎さんにとって縁のある血統ながら、この勝ちっぷり。今後が楽しみですね。
凄く乗りやすいですね。返し馬からオットリしていて、スタートもあんな感じでしたが、最後の伸び脚は凄いモノがありましたね。
——スカイタワーは見ての通りの出遅れが影響しましたか。
その通りです。それでもゲートがうるさかったわけじゃないので、2戦目になって精神面が悪い方にいっているわけではなかったです。
——東京盃のクロジシジョーはどうでしたか。
結果的には外々を回らされた分がこたえましたね、枠が違えばもう少し差は縮まったでしょうが。
——先日、ジャパンダートクラシックで2着のミッキーファイトはチャンピオンズC(G1)ということですが、今年の3歳ダート勢のレベルはどうでしたか。
いや~やっぱり3冠ができた効果もあるのか、レベルは高いと思います。ミッキーファイトも次も頑張ってほしいですね。
——次週は菊花賞にも騎乗されるようですね。今週もありがとうございました!
ありがとうございました。
プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。