'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
人気コーナー!トップジョッキーならではの本音、レースへの意気込みをお届けします!
11月18日時点1558勝
先週は5勝!今週も東京で騎乗!
2024/11/8(金)
開催替わりの先週は重賞で連対、5勝を挙げるなどの活躍。先々へ繋がりそうな勝利もあった。今週からは短期免許を取得する外国人騎手も増えて、より一層厳しい戦いが予想されるが、土日で16鞍を予定している。ベストを尽くしてほしいところだ。
ペースが流れて欲しい武蔵野S
——今週も東京での騎乗ですね。先週の騎乗馬で気になる勝ち方をした馬もいましたが、まずは週末の騎乗馬から伺っていきたいと思います。土曜の新馬のオルグジェシダはこれまで複数回騎乗されたようですね。
テンションが少し高めなのが気がかりですね。それでも、エンジンが掛かってからのフットワークはいいモノがありますよ。まだ体に緩さはあって、完成度は低いですが、頑張って欲しいです。
——オメガウインクは昇級で2戦目となります。前走はハンデ戦で斤量の恩恵はありましたが、今度はどうでしょうか。
前走は窮屈なレースになってしまいましたね。その中でもクラスにメドを立てた内容だったと思います。定量戦になっても、巻き返したいですね。
——武蔵野Sのキタノヴィジョンは追い切りに乗られたようですね。
乗りやすくて、ゆったりした走りの印象でした。戦歴からも長く脚使えるタイプの反面、展開には左右されそうです。上手く展開が向いて欲しいです。
——ソレイケドンチャンは続けて騎乗されます。
前走はダートで上手に走ってくれた。このまま経験を積んでいってほしいです。
——ニヴルヘイムは久々の騎乗になりますね。
この期間の間に変化もあると思いますからね。久々になりますが、どんな感じで成長してくれるか、ですね。
——重賞でも騎乗されたカニキュルは自己条件に戻ります。
前走で乗せてもらった感触からいうと、操縦性が気にはなりましたし、今回のポイントだと思います。もともと乗り難しいところがあった中でより難しさを感じました。欲を言えばペースは流れてくれた方が乗りやすいでしょうが…。馬場は渋るようだとあまりいい印象は感じないですね。
レイニング、ウェイワードアクトなど期待が膨らむ勝利
——先週は5勝を挙げられました。将来が楽しみな存在もいましたね。伺う順番は順不同ですが、新馬のレイニングは瞬発力勝負を制しましたね。見どころのある走りだったように感じました!
はい、先が楽しみになる内容でした。追い切りでも内目を回ったとしても11秒を切る時計も出していたように、脚が速いという確固たる証拠。レースでもその脚を使えましたね。
——前半の行きっぷりは想定内でしたか?
ゲートが遅いと聞いていたところ、思っていたよりついていけましたね。それより直線は左にヨレて走ってるんです。そこが良くなればもっと良くなりそうです。それは馬の成長も必要ですが、体のバランスの問題なので、整えてあげる乗り方も必要なのかと思います。
——気性的にはどうでしたか。
気性的に今のところは特に問題ないですね。ただ、常々言っているように新馬から2戦目は変わり身が良くも悪くもあるので、そこがどうクリアできるか、一つの壁かと思います。
——ウェイワードアクトは万事休すかと思いましたが、差し切りでしたね。
スタートがひと息で後ろからになってしまい、ペースも落ち着いて動くに動けませんでした。腹をくくって内を狙いましたが、手応えは有り余るくらい。狭いところでもいけました。
——今回は流れが遅かったこともあり、走破時計は詰められませんでした。そこはまだ改善できますか。
そう思います。前走より馬も良くなっていることを感じました。
——スティールブルーはいかがでしたか。
いいスタートを切って流れに乗れました。ただ、前が速いと思ったら、実際のペースをみたら遅かったんですよね。周りの騎手も「速かった」と言っていたので不可解でしたね。スティールブルー自身は脚を使えているけど、交わされているんですよね。距離は詰めた方が良いのかもしれません。
——クロミナンスは流れ的にもいい位置で勝ったかと思いました。
状態の良さを感じました。レースも流れたのでいいポジションでしたね。しかし、思っていた以上にタフな展開になりましたし、馬場は乾いていたものの、いつものパンパンという状態ではなかった分、勝ち馬には向いてしまったのかもしれません。ペースはそこまで速くなると思わなかったのですが、それでも上手く対応してくれたんですけどね。
——エンジェルマークは3着でした。
スタートから流れに乗っていけませんでした。まだ体が緩かったり、成長度の遅さの分の影響が出たと思います。最後は詰めていますし、本質的にもう少ししっかりしてくれればやれそうです。
——新馬のカラヴァジェスティはどうでしたか。
外枠もあって、なかなか内に入り込めなかった。それでも外々を回りながら差し切ってくれたのは能力があったからでしょうね。
——マイネルチケットも惜しい2着でした。
距離が短くなったことは良かったです。使い詰めできていますし、馬も毎回走ってくれて、負荷も掛かっているはず。それでも体調も維持して、よく頑張ってくれている。
——レガーロデルシエロは差せる流れになったはずですが、2着でしたね。
エンジンの掛かりが遅かったです。勝ててもおかしくない馬なのですが、あともう少しでした。
——インテルメディオはどうでしたか。
ワンペースといった印象でした。メリハリをつけるために距離を短くしてもいいんじゃないか、とは伝えました。
——アイアムイチバンは1番人気に支持されました。
この兄弟は皆、素質がありますね。レースは上手でしたし、叩いたことで良くなりそうです。
——同じく新馬のアロヒアリイはどうでしたか。
レースも上手ですが、まだ良くなる余地はありそうで、勝負所でモタつきました。追ってからの反応も良かったですね。このまま上手に成長してくれれば。
——どちらかと言えばパワーよりのお話でしたが、渋った馬場も良かったですか?
それもありそうですね。ただ、芝にいってからの方が感触が良かったですよ。
——カネラフィーナでも勝たれました。
凄く軽い走りでしたね。しかし、相反するようですが、スピードはもう一つでした。外枠もあって自分の走りはできたことが良かったです。
——門別でのJBC2歳優駿、グランジョルノは2着でした。
ゲートは出てくれましたし、道中も上手に走ってくれましたね。トモの緩さがあって、思っていたほど進んでいかなかったですね。それでも今度、成長できればと思います。
——先週の固め打ちで通算でも1555勝となりました。早いもので1500台も後半です。
そうですね。頑張って1600勝といきたいですね。
——前々から言っていたのですが、上位争いをしていたMVJも現在トップですね。
ここで教えてもらって気づきました(笑)。各部門の数字もあって成り立つので簡単ではないですが…頑張りたいですね。
——今週もありがとうございました!
ありがとうございました!
プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。