'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
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11月11日時点1556勝
G1初挑戦のジュンブロッサムを導けるか?
2024/11/15(金)
今週は土曜が東京、日曜が京都での騎乗。マイルチャンピオンシップには前哨戦で重賞初勝利を飾ったジュンブロッサムとのコンビとなるが、5歳にして今回がG1初挑戦になる。京都では3走前に好時計勝ちをしてきた実績もあり、コース替わりは問題なさそうだが、戦歴からも週末の天気は気がかりなところ。大舞台に向けた見通しを中心に語ってもらった。
関屋記念から富士Sでは明らかに良化
——今週はマイルCS(G1)ですね!ジュンブロッサムとは3戦連続のコンビになりますが、重賞を制して臨むことになりますね。
前走の勝ち方は良かったですね。以前との比較はありませんが、もともと素質がある馬が、ここへ来てようやく充実してきたのだと思います。
——関屋記念では位置取りの差もある負け方ながら、これまで高速決着や速い上がりを使える馬でした。関屋記念から富士ステークスへかけての変化はどう感じられましたか。
動き自体が素軽くなっていました。フットワークの質も変わってきていて。それが結果に繋がったのだと思います。
——フットワークと言いますと、富士ステークスの際はフットワークの伸びなどを示唆されていましたね。もともと硬さもあるタイプなのでしょうか。
そんな話をしましたね。関屋記念は硬さは感じました。それが富士Sでは伸びやかな状態になっていました。それが馬のデキ、状態面とかではなく、今回もおそらく大丈夫だと思いますけどね。
——陣営はトモのハマりが遅いから京都は合いそう、とも仰っていますね。
前回の走りであれば、そのハマりの面も大丈夫じゃないですかね。もちろん勝っている舞台ですし、京都が合うのは違いないと思います。
——そんなタイプですから、馬場は渋らない方がいいですか?
そうですねえ……良馬場の方が理想です。多少くらいの雨なら大丈夫でしょうけどね。天気予報も見ていましたが、理想を言えば全く降らない方が、とは思います。枠順も極端でなければいいですね。でも、雨がどれだけあるかによりますが、外なら外で悪い馬場を避けられますからね。
——関屋記念は出遅れと言いますか、テンでダッシュ力の差がありました。それが前走は流れに乗れていました。今回はどうでしょうか。
そこもフットワークに繋がる話です。前走くらいの位置で運べると思っていますよ。
——3走前の京都での走りも良かったですし、楽しみな一戦ですね!その他の騎乗馬では、土曜の東京ではジュンアサヒソラは追い切りに乗られたようですね。
能力を感じる馬でした。ゆったり走る馬で距離も保ちそうです。強いて言うならば中山などの方がタイプ的には合いそうですけどね。
——ボンヌソワレは昇級初戦です。
この馬は東京が良かったですね。昇級して体の成長も欲しい。変わってきてくれれば。
——デイジーはダートでも対応しましたね。
前走は初めてながら上手に走れていました。休み明けだったので良くなってくると思います。楽しみですね。
——ビップスコーピオンも継続騎乗です。
条件は合っていますね。勝負処は置かれる部分があるので、そこには気を付けたいです。多少、雨が降っても対応できるんじゃないでしょうか。
——アトリウムチャペルは再び東京で走ることになります。
能力はあるのですが、フットワークの硬さがあるので、そこを解消できれば結果につながりそうです。
天皇賞を回避したジャスティンミラノは引退へ
——先週は残念ながら1勝のみ。G1の裏開催ながらも少々苦戦するかなと思っていましたが……。初騎乗だったカンチェンジュンガはどうでしたか。
馬場入り、ゲートもテンションが良くない方向に行っているなと感じていたんです。ゲートの中でも潜った時に開けられてしまし、非常に悪い態勢でした。今まで経験したことのない態勢の時にゲートを開けられてしまった程で、瞬間的には「あっ、落ちたな」と思いました。
——パトロールを見ると、戸崎さんが下を向いてしまっていますもんね。1200mの重賞でも見せ場を作っていて、1400mには対応したように感じましたが。
最後はあれだけ来てますからね。どうも前走から苦しがるところがあって、ゲートも悪くなっていたようです。ただし、普通にゲートを出た時にどうなるか。この気性を踏まえると一概にこなせたとは言い難いですね。クリアな精神状態の時に走れるかどうか、そこでわかるのかと思います。
——ユキワリザクラは間隔が開いた中で勝利しました。
状態面がわからなかったですからね。返し馬に行ってからは状態は良いなと思いました。競馬もすごく上手でレース運びも理想通りにいきましたよ。
——テン乗りでしたが、チルカーノは東京コースになってどうかなと思っていました。
結果、もう少しポジションとって前々でいれば良かったです。こんなに負けることはなかったでしょうね。これでも問題なく走れているけど、伸び負けしていて、速い脚もどうなのかな。もっとタフな条件で距離もあった方が良いと感じました。
——カニキュルは危惧されていた面を露呈しましたか。
いや~、それでも我慢してくれたかなと。そんな中でこれだけ走れているので能力はあるのですが……。前走より条件が良くなりましたが、どうしても周りに馬がいるとこうなってしまいますね。よほど周りに馬がいないようなぽつんと最後方とかなら、違うのかもしれませんが、それはそれで巻き返すだけにより一瞬の脚も求められますからね。
——ラーンザロープスはテン乗りでしたね。
ダートは良さそうですね。少し勝負どころでモタつくところもありましたが、エンジン掛かってからは良い伸びでした。距離は1600mくらいまででしょうか。
——ブレスワードは上半期以来のレースでしたね。
スタートは出て、上手く流れには乗ってくれました。ただし、まだ浮ついて走っているところがあるので、重心が低くなると良くなりそうです。
——ココアミュレットも人気に推されましたが。
まだ線の細さがあって、体質的に頼りないところがありました。それがレースに行っても出てしまいました。
——ニヴルヘイムは福島で騎乗された馬でしたね。
当時と比べてガラッと変わっていたわけではなかったです。外から上がっていくことも考えたのですが、前が横に4頭で並んでしまっていたのでね。それをマクっていくには…という感じでした。
——武蔵野Sのキタノヴィジョンはどうでしたか。
4コーナーの手応えはどこまで上げられるか、オッと思うところがあったんです。しかし、追ってからがもう一つ。メンバーなのか、それとも言われているように、脚抜きのいい馬場の方が走りやすいのかもしれません。
——オメガウインクは勝ったかと思いました。ただ、不利がありましたね……。
あの着差ですからねえ。間違いなく不利の影響だと思います。ゴールした時は勝ったかはわからなかったですが、あの差なので惜しい結果です。
——新馬のオルグジェシダはいかがでしたか。
能力はあるけど、まだ動き切れていないです。もう少し弾んでほしいですね。良くなってくればと思います。
——そして、今週はジャスティンミラノの引退が発表されました。復帰までの期間も長かったので、こういうこともあるのかなと思うところはありましたが。
残念でしかないです。この後も活躍できたであろうという中でね……。ジャスティンミラノ自体が短い現役生活ではありましたが、その間に様々な経験をさせていただき、感謝しかありません。種牡馬にはなれるということで、第二の人生でさらに成功してくれることを願うばかりです。
——最後に。予定されていたチャンピオンズCは賞金的に厳しくなってしまいましたね。ただ、今後も京都への遠征は度々ある見込みとのこと。まずは今週の京都に期待しています。ありがとうございました!
ありがとうございました!
プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。