'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
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11月25日時点1561勝
中山→京都、異例のスケジュールで騎乗!
2024/11/29(金)
先週をもって2024年シーズンの東京開催が終了。戸崎騎手は年間を通して全体で2番目となる50勝、その内、秋は21勝を挙げた。今週から舞台が替わり、5回中山となるが、これまで中山では38勝を挙げている。今週と次週で遠征が続くが、どれだけホームグラウンドで勝ち星をマークできるか。日曜は重賞の行われない京都に赴く。実りある遠征となるだろうか。
重賞以外での関西圏への遠征は今冬以来
——今週から中山になりますが、土曜の中山から新馬戦に続く騎乗となるエオアリイはダート替わりになりますね。
新馬は芝でも頑張ってくれましたが、ダートの方がいい感触はありました。追い切りに乗せていただいたところ、体質の本質的な部分は変わっていないですが、状態の良さは感じました。ダートが絶対的に合うかどうかは未知数でも、これならいい勝負をしてほしいです。
——東京で走ることの多かったダノンマカルーは1200mに挑まれるのですね。
気性的にも短い方が集中力は保てるかなと思います。やってみないと分からないですが、いい方に向いて欲しいですね。基本、器用な馬ではないので、外枠の方が良さそうです。
——葉牡丹賞のマーズオデッセイはどうでしょうか。
新馬はそこまで課題を出さず、乗りやすくて、良い勝ち方でした。間隔があいたことで成長してくれれば理想です。
——ステイヤーズS(G2)のダンディズムは初コンビです。
どんなレースでも惜しいけれど、いいように捉えれば重賞でも差のない馬なのかと感じています。こういう距離でも走っていますからね。いいアプローチをできれば。
——ステークホルダーはブリンカーを着けた際が良い勝ちっぷりでしたね。
この条件でいい勝ち方でした。あの時のイメージでいきたいですね。馬場傾向はわかりませんが、外目の枠になってもわるくないと思います。
——日曜の京都ではコブラやグーヴェルナイユも騎乗経験がありますが、ウェイワードアクトが昇級初戦ですね。
ここまで強い勝ち方をできています。オープンに上がりますが、どうにかいい結果を出したいですね。
——前走は出遅れて、空いた内から差し切り。かなりペースが遅かっただけに、関西圏での1400m戦ということで流れが変わりそうですね。
距離に関しては、前走は行きっぷり自体が良かったので対応できそうです。距離も過去に1800mも試しましたが、こっちの方がこなせるんじゃないかと。だからといって1800mが全くダメだとは思っていませんが。あとはペースが上がった際、惑わされずに行ければいいですね。
——前走もペースが遅かったにも関わらず、勝ち切れたと言えますね。
気性的には輸送も気になるようなタイプではないです。モマれるような形になっても問題ないかと思います。もちろん初物尽くしですが、対応してほしいです。
3連勝に伸びしろを感じた存在
——先週の競馬ではアドマイヤマツリは連勝。1勝クラスを勝った際のお話では、クラス慣れが必要かと思いましたが……。
いつもそんな感じはするけれど、思っている以上に頑張ってくれるんですよね~。
——強い相手が力んだり、ということもあったとはいえ、好メンバーを相手に勝ったんじゃないかと思います。
そう思います。思っている以上に奥があるのかもしれませんし、強い内容でした。競馬も上手ですからね。
——シンフォーエバーは新馬以来の騎乗でした。
スピードがあるものの、折り合いが課題でしたね。前向きなのはいいことではあるけど、マジメに走ってしまい過ぎてしまいますね。もう少し気を抜いて走ってくれればと感じました。
——ピカピカサンダーは1番人気に支持されました。
レース映像を見るところ、チャンスがあると思っていました。結果的には体調面がもう一つだったんじゃないかと思います。
——アイアムイチバンはどうでしたか。
良くなっているところもあったのですが、、まだまだ成長がほしいところでしたね。
——キャプテンネキは内枠がどうかと思いましたが…。
そうですね。久々に乗せていただいたところ、馬は良くなっていると感じました。モマれると良くないと聞いていたのですが、内枠で難しい形になりましたね。
——グーテンベルクは新馬勝ちでした。
追い切りも良かったので、その走りは再現できたと思います。
——ソーダーンライトも2戦目で勝ち上がりました。
上手くいきましたね。今回はスタートが決まったら行こうと、スピードを活かしたいと先生とも話していた通りでしたね。
——阪神ジュベナイルF(G1)はコートアリシアンに騎乗。1週前追い切りに騎乗されましたね。
重賞でも好走しているように素質は感じました。折り合いなどの課題はあると思いますが、攻め馬だけで言えば問題なさそうでしたよ。あとは当日のテンションでしょうか。
——まだまだサンプル数は少ないですが、これまでの騎乗馬の話を伺っている限り、サートゥルナーリア産駒は瞬発力がありそうですね。
何だかそんな雰囲気はありますね。期待したいです。
——次週は中山と京都での騎乗ですね。有馬記念の騎乗馬も楽しみですが、一年最後の開催も活躍を期待しております!
ありがとうございます。
プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。