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'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
人気コーナー!トップジョッキーならではの本音、レースへの意気込みをお届けします!
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2月17日時点1585勝
フェブラリーS&ダイヤモンドS 上位人気候補に騎乗!
2025/2/21(金)
東京開催最終週であり、年が明けて最初のG1となるフェブラリーSが行われる今週末。戸崎騎手は連日、乗り鞍も多数、いずれの重賞でも上位人気が想定されている存在に騎乗する。特にミッキーファイトは条件替わりがポイントになるが、継続してコンビを組んできた成果を出せるだろうか。
長らくコンビを組んできたミッキーファイトとG1初挑戦へ!
——フェブラリーS(G1)はミッキーファイトと臨みます。
Jpn1には既に挑んでいましたが、ようやくこの馬とG1に向かえますね。初めて乗せてもらった時から素質を感じていましたが、ここでどれだけやれるか。チャンスだと思っています。楽しみに騎乗しています。
——様々な記事を拝見しましたが、東京コースになる点はポイントでしょうか。
新馬では走っていますからね。しかし、その時は新馬ですから極端に言えば別物ですよね。ここ最近、一回りのレースが多いですし、求められる部分が違う面は素質でカバーしてくれればと感じています。
——以前、指摘されていた点では、名古屋大賞典ではハミの取り方も再び強くなっていましたね。このメンバー、このコースになって、あの行きっぷりを上手く置き換えられそうですか。
上手く走ってくれればと思いますが、そこは。ポイントになりそうですね。
——元来、スタートは速くはないかと思いますが、理想の枠順はどうでしょうか。
先行できている時もありますが、基本的に速くないと思います。枠はそんなに極端でなければ、というところでしょうか。
——発走地点が芝になりますね。
そこは然程、問題ないと思っています。
——キャリア2戦目から乗り続けられています。2戦目の走破時計も素晴らしかったですが、そこからの変化はどうですか。
どこかを境にガラッと変わったというわけではなく、もともと力はあって、一戦ごとにジワジワと変化している感じですね。レース行ってからの、収まり、落ち着きも少しずつ良くなっていますね。ガラっとでははないけれど、右肩上がりに来ているのでしょうね。
——厩舎サイドも体のバランスなどを指摘されていますね。
バランス面の課題があるからこそ、ゲートが出られなかったりするんだと思います。ここからどれだけ伸びるか、ではありますが、完成度としてはまだまだと思います。
——その中でも馬体重は相当増えましたね。前走は地方競馬で体重計の出方とかが違ったのですかね。
乗った感じではそう太くは感じなかったですよ。
——先行馬もそれなりにいます。この距離での流れになって、戸惑ったりということは考えられますか。
それは大丈夫じゃないかなと。今までやってきて、安定していますからね。
——フェブラリーSといえばジョッキー的には過去2年は乗り替わり、乗ってきた馬が勝ってしまう等々ありました。その点はどうですか。
いや~それはそれ、この馬はこの馬なので別物ですね。今まで乗せてもらってきたこの馬と共に立てることが嬉しいですし、結果がついてくれれば何よりです。
——土曜の騎乗馬ではイズルードは昇級初戦になります。
前走を勝ってくれましたが、クラスが上がって条件がかわりますからね。まだモマれていないですし、どれだけやってくれますかね。
——テソリーノは追い切りに乗られたようですね。
大きい馬ですね。能力はありそうですが、まだ走りにバラついたところがありました。性格的にも幼く、若さもある分、レース行って対応してくれれば、でしょう。
——エリカエスティームは追い切りに乗られたようですね。
追い切りの乗り味はすごく良かったです。それでも結果が出ていないのは性格、気性の難しさなのでしょうね。ダートも含めて、持っているものを出せるかに尽きます。
——ヴァイザーブリックは安定していますね。
勝たせてもらった時もいい内容でした。それでもバランスを整えばもっと良くなりそうでした。近走を見ると、力つけていそうですね。
——トリプルコークも初コンビで追い切りに騎乗されました。
すごく軽い走りをする馬で、全体的にバランスが良かったです。乗りやすくて、操縦性もいいんじゃないでしょうか。東京コースでも合いそうですね。
——ビップスコーピオンは好相性の東京になりますね。
安定している反面、もうワンパンチという存在。展開、メンバーだったりと何か助けが欲しいですね。
——グーテンベルクは新馬勝ちで昇級になります。
新馬の追い切りはもう一つの中で勝ってくれました。キャリア2戦目になりますが、間隔も空いていますし、テンションなんかは大丈夫じゃないかと思います。上積みに期待します。
——アンゴラブラックは継続騎乗です。
すごく乗りやすい馬でした。もう一つ弾んで走ってくれると理想ですが、期待したいです。
——アイザックバローズは惜敗が続いていますが…。
ダートはやってみないとわからないですが、気分を害さないように走らせたいです。
——プロミシングスターは久しぶりの騎乗ですね。
乗せて頂いた時は後ろから行けて差す、いい内容でした。東京も合うのかと思います。
——ダイヤモンドS(G3)はヘデントールで臨まれます。こちらもG1ともども楽しみですね。
菊花賞では追い切りでいい感触を得て能力を感じていました。菊花賞も走ってくれたように、ここでも期待しています。
——左回りは経験済み、東京でも勝っていますね。
条件も問題ないでしょうね。スタートは遅れると思いますが、そこは能力で盛り返せるように期待したいなと。
——大きな馬ですし、窮屈な競馬よりは伸び伸び走れた方がいいですか。
枠的には、東京の長丁場だから特に気にはしていないです。まだどこがベストかわからないですが、素質でこの条件も対応してほしいです。
初コンビのカラマティアノスは惜しくも2着
——水曜の交流重賞、雲取賞(Jpn3)ではグランジョルノが2着でした、
追い切りで馬は良くなってきたのは感じていた。実際、レースに行っても前走で乗った時(2走前)よりも良くなっていましたね。まだまだ課題はあるけど、ここから良くなるといいですね。
——共同通信杯(G3)のカラマティアノスはどうでしたか。
追い切りではどうかな、と感じていました。レース行ってからはいい走りしてくれました。内にモタれるところも出さなかったし、しっかり最後まで走れていました。賞金を加算できたのは良かったと思います。
——2角では挟まれる格好になりましたね。
スムーズだったら、とは思いますが、あの後も上手に走れていますからね。大きな不利とは思っていないです。
——直線で内を狙ったのはモタれる面にも配慮していましたか。
それもありますし、馬場も内が良かったですから。両方ですね。
——ウェイワードアクトは3戦連続2着となってしまいました。
ポジションがどうかと思っていたところ、上手に出てくれて、いいところで競馬は進められました。置かれるところがあるので、改善されるといいのですが。
——手前を替えなかった点は懸念されていましたね。
自分としては懸念することではなかったのですが、今回もスムーズに替えていましたね。
——オメガウインクは接戦でしたが、休み明けでも走りましたね。
久しぶりの1600m、距離は懸念していましたが、上手に走ってくれました。ゴールした際は勝ったかと思ったのですが、頭の上げ下げの差でしたね。それでも状態的には一度使った方が良くなりそうです。
——シンバーシアはどうでしたか。
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ハナに行くつもりはなかったけど、スタートが抜群で行く形。真面目な馬で頑張ってくれました。
——クイーンC(G3)のロンドボスはどうでしたか。
理想とすれば力まずにリラックスして走らせたかったです。それはできたけど、ポジションが後ろ過ぎましたね。ただ、それよりも体調面というか、直線では伸びが無くヘロヘロになってしまっています。これは立て直しが必要かなと…。新馬とはまた違った走りでした。
——アバンデルは鼻出血もあったようですが、どうでしたか。
鼻出血は気付かなかったです。キレる感じがあったので、最後だけの競馬でも、と思っていました。それでもハミを噛むところがありましたが、少頭数ながらメンバーも揃っている中ではいい走りをしてくれています。
——アオイミモザは1番人気でしたが、意外な結果でした。
返し馬から硬さを感じました。4コーナーまでは良かったのですが、追い出してからがバラツキがありましたね。そこからは4角までのフットワークではなかったです。
——コルチェスターは昇級初戦でしたね。
すごく乗りやすくはなっていましたけどね。芝での硬さを感じました。これならダートでもいいのかもしれません。
——そして、先週は大井時代の先輩でもある的場文男さんの引退が発表されましたね。
競馬に対する思いは真似できない、精神的には真似できないところは沢山ある感じでした。だからこそ、長く続けられて、一線級でやられていたと思います。見習うべきところは沢山ある方で、自分も参考に活かしていきたいです。
——そして、南関東ではお父さんが船橋競馬の厩務員という舟山瑠泉騎手がデビューしますね。目標とする騎手は戸崎圭太騎手です。
そうでしたか?目標とする騎手に挙げてもらえるのは(菅原)明良以来だったかな。たぶん3人目かな。嬉しいですよね。騎手としてはいいモノを持っていて、成長してくると思います。あとは騎手として頭を使うことも大事なのでそこが上手くいけばいいですね。
——戸崎さんが教えることもありますか。
助言していければと思いますね。
——今週もありがとうございました!
ありがとうございました。
プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。