
'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
人気コーナー!トップジョッキーならではの本音、レースへの意気込みをお届けします!

5月12日時点1621勝
中山牝馬Sはホーエリートとコンビ継続!
2025/3/7(金)
月が替わり、開催も替わっての2週目。今節も土日ともに中山での騎乗となる。中でも、土曜の中山牝馬ステークスでは所属する田島俊明厩舎のホーエリートに継続騎乗。距離短縮となる点は気になるところだが、条件面を覆す走りができるだろうか。木曜の交流競走では落馬のアクシデントも、節目のJRA通算1600勝も目前。弾みをつけて欲しい。
——今週も中山での騎乗ということで、土曜の話題から伺っていきたいと思います。3歳未勝利戦のジョイナーテソーロ、クリプトスとどうでしょうか。
ジョイナーテソーロはもうワンパンチといった印象ですが、いい意味では崩れずに走ってくれそうです。クリプトスは競馬が上手。こちらももうひと押しがあればいいですが。
——ガンウルフはハンデ戦に臨みます。
斤量が軽いのが魅力でしょうからね。距離も延びますが、上手く噛み合って欲しいです。
——中山牝馬S(G3)にはホーエリートで臨みます。
追い切りでは順調にきていると感じました。距離はあった方がいいタイプなので、短くなる点がどうか、そこは気になるのが本音です。
——前走時も追い切りの感触を評価されていたのが印象的。それでも高いレベルを維持できていますか。
そうですね。そこは問題なさそうです。
——先週の中山の芝は内を回らないと厳しい印象でした。
そうですね。芝の塊が飛んでいたように、決して馬場が硬いわけじゃないのですが、内を回るか、先行しないと厳しいのは否めませんでした。この馬の脚質とは反しますから、そこは展開が向いてくれたらと感じています。
——予報としては微妙ですが、雨は降った方がプラスに出そうですね。アンドアイラヴハーは久しぶりの騎乗です。
当時の印象で言えばもう少しメリハリがほしい感はありました。当日の天気はわかりませんが、先行力を活かしたいですね。
——ミズイロホルトゥスも惜敗が続きます。
前走の条件も、中山でも大きな差はなく安定して走ってくれそうです。競馬は上手ですね。
——ヤマメキングはどうでしょうか。
昇級しても能力的にはすぐに対応できていましたね。課題はまだまだあると思いますが、現級でもやれただけに楽しみです。
——アドマイヤサジーは久しぶりの騎乗。追い切りにも乗られましたね。
追い切りでは素軽くて、順調そうでしたよ。コース実績はあるのでそこは気にしていません。
——弥生賞ディープインパクト記念(G2)のロードガレリアは初騎乗です。
以前は内にモタれるような面をみせていたので、その辺りを出さないように上手にアプローチできればいいですね。
——アオイミモザは昇級初戦で崩れてしまいましたが。
能力的には走っていいのですが、硬さを感じました。きちんと走れれば巻き返していいはずです。
——先週の競馬では中山記念(G2)のパラレルヴィジョンはどうでしたか。
枠云々よりも以前より体も立派になってきて、ゴツイ雰囲気でした。走りも軽さが足りなかったです。
——ジューンブレアは時計の速い馬場、またしても内枠ながらハイペースを押し切りました。
前走よりもテンションは高かったです。その点は心配になりましたが、上手に走ってくれましたね。いいスピードがあります。オープンでもスピードを活かせる条件ならば良さそうです。
——ジャミラヌールは前走が敗因を特定し難い内容だったようですが、今回はどうだったでしょうか。
ちょっと走れていない、良くない感じでしたね……。精神的なものなのでしょうか。前回は先行できたのに、今回はテンから全く進んでいかなかったです。
——トルショーはどうでしたか。
砂を被らない方がいい、とは伺っていたのですが、並び的にそうはいきませんでした。それでもモマれても大丈夫でしたね。相手は手強かったですが、経験を積んでいければと。
——サトノトルネードは着順を落としてしまいました。
ペースも遅くて内枠の分、対処しづらかったですね。
——オーシャンS(G3)のステークホルダーは馬場も合わなかったですか。
ゲートの中は長く待たされて、腰を落とす感じ。スタートは上手くできなかったです。そのあとは切り返して、4角もいい感じだったんですけどね。そこから詰められない辺り、これが重賞の壁なのかなと。
——前有利の馬場とはいえ、感触としては伸び切れなかったですか。
伸びきれなかったですね。
——ライトニングゼウスは1番人気に支持されました。
3角からも動けなくなってきていました。重たさを感じました。
——ブラックルビーは久しぶりの出走でした。
大きく変わってきてはいないけれど、勝てたというのは大きいですね。今後も順調に成長してくれれば。
——毎年、敢えて伺っていますが、時季的に花粉症という声が聞こえてきそうな天候になってきました。
今年も問題ないですよ。
——先日はドバイシーマクラシック(G1)でダノンデサイルに騎乗されることが発表されました。それ以外はありますか。
クロジシジョーに乗せてもらえることになりました。
——フリオーソ産駒ということで血統的には縁のある馬なので良かったですね。スプリングS(G2)は新馬戦で除外もあって実戦での騎乗が叶わなかったダノンセンチュリーに騎乗、次週もよろしくお願いします!
よろしくお願いします。
プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。