
'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
人気コーナー!トップジョッキーならではの本音、レースへの意気込みをお届けします!

4月21日時点1609勝
土曜は阪神でアンタレスS、日曜は皐月賞に騎乗!
2025/4/18(金)
今週は阪神と中山で騎乗。2週続けて阪神競馬場へ遠征するアンタレスSではオメガギネスとの再コンビとなる。今回は安田翔伍厩舎への転厩初戦でもあるが、ダノンデサイルと同じ騎手・厩舎だけに期待が膨らむ。
オメガギネスは新天地&再コンビで復調なるか
——まず、今週は土曜のアンタレスS(G3)でオメガギネスに騎乗されますね。久しぶりのコンビとなります!

23年グリーンチャンネルC勝利時
乗せていただいた時から能力は感じていました。重賞タイトルこそ取れていないんですが、もともと能力を感じていましたからね。今回は転厩ということで、どんな雰囲気になっているのか、そこも感じたいと思います。
——着差をつけて勝つこともあれば、間隔が詰まると成績を落としている印象はあります。
安定はしていない原因はあるでしょうね。以前は力む面もある時はありましたが、前走もそんなところもあったのかもしれません。それでも高いレベルで走れているのでね。久々の騎乗で変化も感じたいです。
——土曜は晴れ予報。馬場は脚抜きのいい方が合いますか。
そんなイメージはありますね。
——日曜のレースではアサクサグレースの前走は相手が手強かったですね。
上手に走ってくれました。あとはメンバー次第ですね。
——ルトンワージは久々の騎乗です。
もう勝利に近づいているかなと。あとはスムーズに走れれば2000mこなせるんじゃないかと思います。馬場は渋らない方が良さそうですね。
——アンゴラブラックはどうでしょうか。
2走前より前走の方がコンディション自体はすごく良かったです。その流れで来てくれれば。こちらも馬場は渋ると心配ですね。
——スターターンはどうでしょうか。
惜しい争いが続きますが、上手くいかないとモロさはありそうですね。それでもオープンでもやれる力はあると思っています。
——サトノクロークは2走ぶりのコンビです。
乗せてもらった時の敗因はよくわからないものでしたが、若干ながら距離が短くなるのはいいのかなと思います。
——皐月賞(G1)はカラマティアノスと挑まれます。
理想を言えば内が欲しかったですね。前走も敢えて内を狙ったように、モタれクセはあると思うので。それが右回りでもその可能性はあるんじゃないかと思います。中山コース自体は問題ないと思っていますし、あまり雨が降るようだとあまりよくないかなとは感じます。その中で手強い相手に一矢報いることができればと思います。
——追い切りにも乗られましたね。
共同通信杯の際は追い切りの段階から上手くいかなかったのですが、今回は良かったですよ。それでも、レースではモタれる可能性を頭に留めつつ乗りたいですね。
桜花賞は直前の雨も影響
——桜花賞のエリカエクスプレスは5着でした。
枠が出て先生とも話をした上で逃げるのも一つの選択肢という考えでした。本来は外から内を見るのが理想でしょうが、トップスターとでしたし、それも想定した通りでしたね。
馬場も考えると、ペースは流れてしまったのですが、リズム良く気持ちよく走れてはいましたけどね。
前回の内容からも返し馬から気性面には気を付けていましたけどね。4角でモノ見をしたことも、そうなる懸念は感じていました。
タフな馬場自体はこなせたと思います。しかし、パワーもあると感じていたものの、スピードに長けたタイプなので乾いた馬場の方が良かったかもしれません。
——その他のレースではガルサブランカで勝利されました。

返し馬から乗り味が良かったのですが、気難しさがあってスムーズに走れていないことがある、と聞いていました。1列目で運べれば理想でしたが、外の馬が早くて囲まれてあの位置に。
それでも手応えほど伸びはひと息でしたね。耳を絞ったりという気性面の課題が改善されればもっと良くなりそうです。

——シーリュウシーは前回のような馬場にはならなかったのでチャンスかと思いました。
返し馬からフットワークは良くて、先に行ける馬ではないのでレースの組み立てとしても、途中から動いていくつもりでした。ただ、ポジションを押し上げられず、なだれ込むような内容。今回に関しては力を出し切れておらず、原因がわからないですね。
——ブルーマエストロはどうでしたか。
返し馬から若さが目立ちましたね。何をやるべきなのか、もう一つ分かり切っていなかったようでした。レースも集中できるともっと良くなりそうです。
——テウメッサは前走のようなことはなかったですが、いかがだったでしょうか。
勝っていた頃は強さを感じさせる内容でしたね。ただ、それが丸く収まっているといいますか、悪いわけではありませんが、何か能力がはみ出てこないような雰囲気でしたね。組み立てとしてはイメージ通りでしたが、爆発力はもう一つでしたね。
——そして、先週はZOZOマリンスタジアムで始球式(ファーストピッチセレモニー)に参加されましたね。
いい経験をさせてもらいましたね。こんな機会をいただけて本当に感謝しています。ただ、本当に緊張しました。
始球式の前のキャッチボールを見ていると、フォームも安定していて、おおむね同じところにボールがまとまっている感がありました。さすが経験者だなと思っていました。
そこはある程度、自信があったんですよね。ただ、本番となると思った通りにいかなかったです。
——馬主でもある吉井理人監督とは会われましたか。
練習の合間に見つけてくれて、少し声を掛けていただきました。ただ、僕は知らなかったですが、選手には全く会えないんですね。キャッチボールの練習も隣の室内でやったくらいです。そこは残念でしたが。
——試合前ということで制限もあるのでしょうね。それ以前は練習もされていったんですか。
あくまで軽くですけどね。他の競技をやると、使っていない筋肉を使いますし、レースに響くと嫌だなと思っていまして。ただ、久々に野球に触れてキャッチボールは楽しいなと懐かしくなりましたね。
——学生時代はセカンドでしたよね。
試合に出ないセカンドです。キャプテンですけど(笑)。あと、大井の頃に一時期、草野球チームがあって、短い期間でしたが当時はけっこうやりましたよ。その時はピッチャーもやりましたが、基本的にマウンドに立つことはなかったんです。プロのグラウンドでマウンドに立つのはまた違いますね。レースと違って、一人に注目される雰囲気で。
——背番号は1番でした。どんな思いで選ばれたのですか。
3桁まで選べたそうですが、やっぱりエースで(打順が)4番って少年時代は憧れじゃないですか。学生はポジション番号が背番号になるので、だから1番にしてもらいましたね。
——熱心なファンの方もいらっしゃったようで、大きな声で声援を送っている方もいらっしゃりましたね。またの機会があるか、というところですが。次週は青葉賞のホウオウアートマン、フローラSのブラックルビーなどに騎乗。今週もありがとうございました!
ありがとうございました!
プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。