'14~'16年とJRA最多勝利騎手&MVJに輝いた戸崎圭太騎手による、大井競馬在籍時代から続く
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勝利数
12月16日時点1567勝
あの大物候補は「次戦が試金石」
2014/8/31(日)
新馬戦圧巻 ダノンリバティは次戦が試金石
-:夏場は新馬戦にも注目が集まる時季です。レース後に骨折が判明してしまいましたが、新馬勝ちを飾ったダノンリバティ(牡2、栗東・音無厩舎)はいかがでしたか?
戸崎圭太騎手:そうですね……。骨折はどこでやったかわからないですからね……。レースでは序盤は幾らか馬場も気にするような走りもしていた感じで、遊びながら付いていくほど、返し馬から凄くおっとりしていましたね。新馬とは思えないというか、ゆったりとおっとりしたタイプというか。だから、前半もああいうレースぶりになってしまったと思うのですが、どこか余裕ある走りはしていたので、直線を向いてからも行く馬を行かせて、ワンテンポ遅らせて追い出しましたね。
-:キングカメハメハ産駒はスイッチが入っていないような馬が多くないでしょうか?
圭太:そうですね。キングカメハメハ自体がそうでしたものね。ただ、競馬は上手ですよね。そんなイメージがあります。レースを使い始めてから、テンションが上がり過ぎてしまうから気を付けようとか、そういう心配もないですよね。
-:最後の2ハロンは速いラップになりました。その脚の感触はいかがでしたか?
圭太:モタモタしているな、と最初は思ったのですが、2着の馬(スモーキーナイト)も良い脚を使っていたし、頑張っていたのでね。“アレッ”と思ったので、徐々にギアを入れていきました。すると、よく反応してくれて、良い脚を使って伸びてくれましたね。
-:距離適性はもっと長いところも行けそうなタイプですか?
圭太:大丈夫だと思いますよ。フットワークも大きいタイプですね。
-:この勝ちっぷりに大物感を感じました。
圭太:そうですね。次でどんな競馬をしてくれるのか、楽しみですね。そこがポイントかと思います。何と言い表したら良いのか、難しいのですが、良い素質はあるものの、これからの馬という印象なので、どういう風に変わってくるか、成長してくるかな、という思いです。フットワークもまだ体を余して使えてないようなところがあるのでね。
-:現時点で騎乗してきた2歳馬の中では上位ですか?
圭太:そうですね。重要なのは次ですよね。次のレースが大事な気がします。変わってきてもらいたいタイプの馬なので、変わりそうな予感もあるし、やっぱり変わらない馬というのも競馬においてはいるじゃないですか。あれだけの馬でこんなことを言うのも偉そうですが……フフフ(笑)。でも、本当に素質はありますし、楽しみな馬です。
復調気配を感じさせるエクセラントカーヴ
-:エクセラントカーヴ(牝5、美浦・堀厩舎)の関屋記念は復活の兆しが見える結果でしたね。
圭太:返し馬から良い雰囲気でしたね。久々に集中しているし、落ち着いている、そう感じましたね。ゲートに入らなかったり、気難しい部分がある、と前にも言ったと思いますが、今回はスンナリと自分から入っていく感じだったので、精神面のコンディションは良い状態でしたね。
-:その違いはどういった理由から考えられますか?
圭太:厩舎は「普段から元気が出てきた」とも言っていましたし、仕上がりが良かったのだと思いますね。馬って面白いことに、凄く調子が良い時って、そうやって普段ゲートに入らない馬とかもスッと入ったり、ゲートがあまり良くない馬がポンと出ていったり、そんなことがよくあるんですよね。そういう雰囲気は僕も大事にしていますね。
-:気配が良くはなってきたものの、道悪の心配もありました。馬場は良くなりつつある状態でしたが、レース時の馬場はどんな状態でしたか?
圭太:発表は稍重でしたね。水分は含んでいるのですが、それほど荒れている感じはなかったですね。時計も速かったんですよね。新潟は水捌けが良くて、僕も馬場はもう少し悪いかと思っていましたから。
-:良馬場で来そうな軽いタイプの馬が平然と上位に絡んでいましたよね。
マネ:中京は凄く悪くて、新潟もカチカチで硬かったのが、何か理想的な馬場になってきましたね。そんなに硬くはないでしょう?
圭太:うん。どこの競馬場も硬さは取れてきているんだよね。他の競馬場も前とは全然違いますよ。エクセラントカーヴに関しては、もう少しパンパンというか、もう少し乾いていた方がもっと良い走りが出来ていたとは思いますね。
-:こなせるにはこなせるものの、基本的にはやや硬めとか、硬めの馬場でスピードが出るような。
圭太:そうですね。僕も少し大事に乗り過ぎて、位置取りが後ろ過ぎましたので、そこは反省したいというか、今後に活かしたいと思っています。
-:それは折り合い面が原因ですか?
圭太:折り合いもありましたし、ここ2戦は最後の伸びがあの馬の伸びじゃなかったので。少し溜め気味で、というか、いつもよりは終いを活かす形を意識しました。ああいう馬場だったので、差す馬も来ていましたからね。そういうイメージで行った分、位置取りが後ろになってしまいましたね。
-:位置取りでいえば、新潟日報賞のバクシンテイオーは、敢えてああいうレースだったのでしょうか?
圭太:「敢えて」ということもないですが、付けられる位置で競馬をしよう、とは思っていました。前走はああいう感じで良い脚で差してきているんでね。結局、あの馬も位置取りが後ろ過ぎるのかとは思ったのですが、あれだけの脚も使いますしね。難しいですね、競馬は。
-:何か、土、日と違った感じがしました。
圭太:う~ん……。いや、そういうイメージでは行っていましたね。エクセラントカーヴは前半ゴチャついていたので、ポジションを取りに行ったところで、もしかしたら引っ掛かった可能性もあるし、折り合いを欠いていたかもしれません。「この馬なり」の感じで、「なり」で付けられる位置が理想ですね。折り合いも状態が良くなると、けっこうテンションが上がってくるタイプなので、その辺も難しいタイプですからね。
-:今回良くなった理由は季節も影響があるのでしょうか?
圭太:どうなんですかね。去年もこのくらいの時季で走っていますからね。好きなのかもしれないですね。幾らか復調の兆しを見せられたと思うのでね。楽しみにしていた一頭なので、今後、活躍してもらいたいなと思いますね。
交流重賞は惜敗続き
-:サマーチャンピオンのガンジス(牡5、栗東・矢作厩舎)はいかがでしたか?
圭太:あの馬にとっては馬場が嫌だったかな。もう少し力のいる馬場の方が良いかもしれないですね。自分から走る気を出すタイプではないので、余計に時計が速いと嫌気を差してしまいますからね。
-:走る気がない馬にとって、時計の速いレースは厳しい条件なのですね。
圭太:そうですね。やっぱり嫌気を差しますよね。余計にそうなってしまうと思います。
-:この馬でいえば、地方の時計が掛かる馬場で良馬場だったら、気分的には良いかもしれませんね。
圭太:そうですね。遮眼を着けたり外したり、色々とやっていますのでね。走りきれてはいないはずですね。能力はある馬なのですが。
-:クラスターCのスイートジュエリー(牝5、栗東・安田隆厩舎)も惜しい2着でした。
圭太:そうですね。もう少し内枠が欲しかったですね。自分から早く行っても良かったのかもしれないですが、差し切れずに終わってしまったなと。しかし、体重はプラス17キロでしたが、馬は凄く良くなっていましたし。
-:前回がマイナス12キロと大きく減っていたのですね。
圭太:そうでしたね。今後、重賞戦線を賑わせてくれるような馬かとは感じましたね。
-:それはダートですか?
圭太:どちらでもやれそうですが、ダートが良いと思いますね。オープンに上がって、芝だと、フットワークからもダートが良いかな、という感じがしますね。
プロフィール
戸崎 圭太 - Keita Tosaki
1980年7月8日生まれ、栃木県出身。99年に大井競馬の香取和孝厩舎所属としてデビュー。初騎乗、初勝利を飾るなど若手時代から存在感を放っていたが、本格的に頭角を現したのは08年で306勝をマークし、初めて地方全国リーディング獲得した頃から。次第に中央競馬でのスポット参戦も増えていった。
11年には地方競馬在籍の身ながらも、安田記念を制して初のJRAG1勝ち。その名を全国に知らしめると、中央移籍の意向を表明し、JRA騎手試験を2度目の受験。自身3度目の挑戦で晴れて合格し、13年3月から中央入りを果たした。移籍2年目はジェンティルドンナで有馬記念を制す劇的な幕引きで初の中央リーディング(146勝)を獲得。16年も開催最終週までにもつれた争いを制し、3年連続のJRAリーディングに。史上初となる制裁点ゼロでのリーディングだった。19年にはJRA通算1000勝を達成、史上4人目のNARとのダブル1000勝となった。プライベートでは2022年より剣道道場・川崎真道館道場の総代表を務めている。