
外枠有利の新潟直線1000mで最内枠から内ラチ沿いを通って勝利するなど、その大胆な騎乗に注目度が
日増しにアップしている永島まなみ騎手が、騎乗論から日常まで余すことなく語りつくします!
"第2のメロディーレーン"!?可愛らしい2歳馬と阪神競馬に挑む!
2025/6/20(金)
先週末の阪神ではモア二やレアンダーといった伏兵で見せ場を作ったまなみ騎手。先週末のプレイバックから"小さな巨人"と挑む今週末の阪神競馬の展望、そして宝塚記念のレジェンドの逃げから"ノメる"の意味合い、お姉さんとの対談の話まで、今週も盛りだくさんでお届けします。
モアニと作った大きな見せ場!収穫ありな先週末
——先週末は土曜の阪神9R・3歳上1勝クラスのモアニで3着に食い込み、見せ場を作られました。雨の中、ナイスファイトでしたね。

そうですね、スタートはいつも通りだったのですが、最近ゲートの中でもだいぶ我慢してくれていて、道中いいリズムで運べました。最後は内からしっかり伸びてくれましたね。左前の落鉄があったにも関わらず、雨の中で内からしっかり伸びて頑張ってくれました。
——中1週と間隔が詰まっていましたが、状態面はいかがでしたか?
一度使って状態は凄く良かったです!中1週は問題なかったですね。
——内を突くプランはまなみ騎手の中で最初からあったのでしょうか。
そうですね、馬場も内目は良かったですし、ポジション的にもあそこから外を回してもなと思ったので内を突きました。

——前走もそうですが、最後まで見せ場を作ってくれる女の子ですね。
本当に根性のある子です。毎回堅実に一生懸命走ってくれますし、感謝ですね。
——レース後の様子はいかがでしょう。
そこまでテンションも上がり過ぎず、疲れもそこまでなさそうです。少し休ませてあげて夏の中京になる予定ですが、舞台は合うと思います!
——この日のメインレース・三宮Sでは、格上挑戦で単勝9番人気だったレアンダーでハナを切ると、しぶとく踏ん張り見せ場を作って4着に粘られました。

過去の映像を見ていてもハナのほうが良さそうでしたし、管理されている大根田先生からも「この馬場で51kgだったら、淡々としたペースで軽量を生かす競馬をしてほしい」という指示をいただいていたんです。
スタートセンスのある子で楽にハナに行けましたし、格上挑戦ながら最後までしっかり走ってくれました。
——1番人気のダブルハートボンドが2番手につく、逃げ馬にとっては簡単ではない展開だったように見えます。
そうでしたね、レース後に2番手にいたダブルハートボンドの(坂井)瑠星さんに「もうちょっとかわいがってくださいよぉ…」とは言ったんです(笑)
そうしたら瑠星さんは「俺の馬も手応え良過ぎたから(笑)」と。勝負事なので仕方ないところなのですが、それでもレアンダーは最後まで踏ん張ってくれましたし、しんどい形でもよく頑張ってくれました。



特徴的な流星、特徴的な眼を持つレアンダー
※まなみ騎手ご提供
——1000m通過59.4と速いペースでしたが、まなみ騎手の中では予定通りだったのでしょうか。
ずっとダブルハートボンドがくっついてきたのでそこまでペースは落とせなかったのですが、51kgとあの馬場を考えたら速過ぎなかったかなとは思います。
——今回は51kgで踏ん張る結果でしたが、ジョッキーの感覚からすると51kgは55kgなどに比べると行き脚の面や反応の面でまったく違うのでしょうか?
全然違いますね。私も以前の4kg減から2kg減になりましたが、これでも全然違います。影響の大きさを最近より感じます。
——惜しかったといえばこの日の6R・3歳未勝利のスタージョンムーンは、上がり600mメンバー中最速タイの脚で伸びて6着でした。スタート後に挟まれる不利がなければ…と思ってしまいます。

そうですね、スタートは出てくれたのですが、その後ガーンと挟まれてしまって…。綺麗に流れに乗れませんでした。それでも道中ロスなく回って、直線外目のいいところを狙って走りました。
坂を上り終えてからの脚は凄く良かったです。牝馬らしいちょっとカリカリする部分はありますが、次もっと良くなると思います!
——410kgと小さく、先週のコラムで「少し非力で動き切れないところがある」とのことでしたが、稍重の馬場でもよく伸びてきましたね。
理想は良馬場だったと思います。良馬場ならもっと伸びてくれていたかもしれません。

——直線でもキックバックを受けながらしぶとく伸びたあたり、根性のありそうな女の子に見えました。
そうですね、本当に根性のある子だと思います!良血のお嬢様とはちょっと違うイメージかもしれません(笑)。次も楽しみな子です。
"第2のメロディーレーン"を目指す戦いがスタート!
——今週末も3場開催となります。まなみ騎手は先週同様土日ともに阪神で騎乗され、いつも通り実戦と追い切りで騎乗経験のある馬を中心に伺うと、土曜2R・3歳未勝利では自厩舎の"キーちゃん"ことキタノプレンティと2戦連続でコンビを組まれます。
今回も乗せていただきますが、前走にしても途中まではいい走りをしてくれたんです。初めて乗った感じダートは合いそうだなと感じましたし、先週も調教でいい時計が出たように、だいぶ動けるようになっています。

——その先週金曜の追い切りですが、CWコースで6F77.7、ラスト1F12.1となかなかのタイムが出ていました。
そうなんです、予定よりもかなり速くなってしまったのですが、そこまでバッタリ脚が上がったわけではないんです。力はある子です。
——前走時に「めちゃくちゃやんちゃです」とおっしゃっていました。気性面の成長についてはいかがでしょう。
調教自体は初めて乗せていただきましたが、以前外から見ている時と比べて、思ったより落ち着いているなと感じました。精神面でもだいぶ大人になってくれていると思います!

——続く3R・3歳未勝利のメイショウルーチェはテン乗りですが、今週水曜、ダートコースで追い切りに騎乗されています。
追い切りではゲートから出させていただきましたが、正直トモが弱めでリズムが崩れるところはありました。ただゲートを出てからのスピードの乗りは良い馬なんです。距離が短くなるので、その分スピードを生かす競馬ができればなと思います。
——まなみ騎手がおっしゃっているように、今回は距離短縮となります。デビュー戦だった前走がダートの1800mで、今回がダート1200m。条件が一変しますね。
管理する飯田祐史先生ともお話しましたが、お母さんのメイショウハナグシが2000mの新馬戦を勝ったということで、最初は長い距離を使ったらしいんです。
そのデビュー戦ではザワ(小沢大仁騎手)が乗ったんですが、途中でバタバタになってしまったようなので、距離短縮はいいと感じています。

——4R・3歳未勝利では自厩舎の"ラスくん"ことラストショットと3戦連続でコンビを組まれます。前走は前進のある内容でした。
着実に競馬内容も良くなってくれています。理想を言えばゲートを出てから頭が上がってしまい、スピードの乗りがあまりスムーズではないところがあるので、そういった部分でもっと流れに乗っていければいいなと思います。
——これで連闘、中1週というローテになります。タフな男の子ですね。
そうですね、凄くタフで一生懸命な子です!
——さて、話題になりそうなのが5R・2歳新馬の自厩舎、"ナリくん"ことクライナリーゼです。馬名意味はドイツ語で"小さな巨人"、その小柄な身体から"第2のメロディーレーン"としてこれまでにも何度かコラムで紹介していただきました。中間の追い切りには何度も騎乗されています。

週中、"ナリくん"ことクライナリーゼと
中間も乗せていただいていて、ゲート試験も私が乗せていただきました。大きな課題はないのですが、まだ小さな課題も色々あったので、そこからは助手の西岡さんがずっと乗ってくださっています。
西岡さんのおかげで口向きも良くなってきて、だいぶ乗りやすくなっています。根は真面目で一生懸命走ってくれる子ですし、新馬から流れに乗っていきたいです。
——阪神芝1400mという条件についてはいかがでしょうか。
このくらいの距離のほうが今のナリくんには合っていると思います!

歯科検診?
——ラストショット同様YGGホースクラブ様の所属馬ということで、一口を持っていらっしゃる会員さんも読まれているかもしれません。性格面を伺ってみたいです。
本当に根は真面目で一生懸命な男の子なんですが、まだ時々2歳の男の子らしく、「ちょっとヤンチャしてみようかな…」という時があるんです。
でもやってやろうか…という素振りや雰囲気は見せたところで「ダメだよ!」と言うと、すぐにシュンとするんです(笑)。優しい子だなと思います。

担当の境美穂助手にじゃれつくクライナリーゼ
——ちょっとイタズラしてみようかなぁと思ったところで、担任の永島まなみ先生に怒られて…。
そうですね、ちょっとイタズラしてみようかな…という、可愛らしいヤンチャな部分があります(笑)。イタズラしようと「やってやるぜ!」みたいになる時があるのに、怒られるとシュンとなってすんなり歩いてくれます。ナリくん、めちゃくちゃ可愛いんです。
——ふと疑問に感じたのは、なぜクライナリーゼの真ん中をとって"ナリくん"になったのでしょう。
クライナリーゼは最初、"クラくん"と呼びそうになったんです。でも顔を見ていたら、なんだか「これはナリくんだな…」という気になったんです(笑)。
昔流行った"キテレツ大百科"のコロ助が語尾に「~なり」と付けていましたが、小さくて可愛いところが似てるじゃないですか(笑)。それでずっと「ナリくん、ナリくん」と呼んでいます。

——会員さんが喜びそうなエピソードをありがとうございます。土曜は自厩舎祭りです。メインレースの天保山Sでは、サトノルフィアンと4度目のコンビを組まれます。
ルフィアンはいつも一生懸命走ってくれますし、阪神の馬場も問題ないと思います。ちょっと折り合い面に気を付けて乗りたいです。
——今回が4カ月半の休み明けとなります。中間追い切りに騎乗されていないのですね。
ルフィアンに関してはずっと女性スタッフの林さんが乗ってくださっているのですが、追い切りはこちらでやっておくよーと言ってくださっているので、毎回林さんにお任せしています!

——日曜に話を移しまして、1R・3歳未勝利ではサートゥルナーリア産駒のストラーダレアーレと初めてコンビを組まれます。2週連続で追い切りに騎乗されていますが、先週の4F52.0、ラスト1F11.9など、いいタイムが出ていますね。
そうですね、追い切りではいいタイムも出ています。新馬前から調教に乗せていただいている馬で、その時に比べると格段に力をつけてくれています。先週と今週で比べると今週はだいぶ素軽くなっていました。距離短縮もプラスに出そうです。
——デビュー戦はダートの1800mで外々を回る形でした。感触としてはやはり今回のダート1400mのほうが良さそうなのですね。
そうですね。(鮫島)克駿さんが騎乗されていたデビュー戦のレースも観させていただいたのですが、ちょっと距離が長かったのかなという印象があります。
——こちらキャロットファーム様所属ということで、会員さんも読まれているかもしれません。性格面も伺ってみたいです。
めちゃくちゃいい子です!新馬前からおとなしくて、優秀で、前向きさもあって。何も言うことがないです。

——大変会員さんが喜ばれそうなコメントをありがとうございます。5走ぶり2度目の騎乗となる2R・3歳未勝利のメイショウキタダケはいかがでしょう。
(団野)大成さんが乗っているレースも見ていましたが、どうしてもワンペースなところがあって、なるべくポジションを取った中で競馬したいところです。
——日曜の最終レース・4歳上2勝クラスのバルダンツァは、まなみ騎手を背に連勝中、勢いに乗って昇級戦を迎えます。前走後に「左回りのほうがいいかもしれません」とおっしゃっていましたね。
そうですね、初めて右回りに乗せていただきますが、左回りのほうがいいイメージはあります。ただそこまで不器用な子ではなく、右回りでも悲観しなくていいかなとも思っています。昇級戦でもしっかり頑張ってくれると思います。
——強そうな3歳馬もいますが、昇級してペースが流れる分には良さそうでしょうか。
そうですね、ペースが流れる分にはいいと思います!

——前走後、「最近生意気になっているようです(笑)」とおっしゃっていました。2連勝で自信をつけた姿が楽しみですね。
前走のレース前に管理されている天間先生が「生意気になって帰ってきた(笑)」とおっしゃっていて、どんな感じになったんだろうと思っていたのですが、いざレースとなったら返し馬の段階から変わらずいい子でした!いい意味で自信だけつけてくれていたらなと思います。
レジェンドの逃げに感嘆!逃げと道悪の難しさとは
——先週のコラム、ファンの方の質問コーナーでは2歳新馬戦をジョッキー視点から解説していただきました。勉強になりました、という声をいただいています。
本当ですか、ありがとうございます…!

——ただ一番反響がありましたのは、馬っ気を出した際の"男の子の男の子が出る"という表現でした。
はいすいません、なんて言ったらいいのか分からなくて(笑)。
——放送コードギリギリでしたね。"攻めのまなみ"を見た気がします。
そうですね、結構攻めちゃいましたね(笑)。
——まな民の皆さんも慣れがありそうなので、今後もっと攻めていただいても構いません。
本当ですか!ならこれからもギリギリを攻めようかなと…!何事もギリギリが大事です。
——はみ出さないことを祈っております。さて、今週のファンの方からの質問コーナーですが、まなみ騎手、先週末の宝塚記念は武豊騎手騎乗のメイショウタバルが勝ったということで、スタンドだけでなく検量室も相当盛り上がったのではないでしょうか。

そうですね、検量室の中でも、「おお、豊さんだぁ!」といった感じで盛り上がりました!4コーナーでベラジオオペラがメイショウタバルに並びかけにいったあたりで、たぶんこのどちらかが勝つだろうという話にはなっていたんです。この勝負どころが一番盛り上がったかもしれません。
——PN.園田競馬ファンさんからご質問をいただきました。「こんにちは、先週の宝塚記念は凄いレースでした。武豊騎手のファンでもあるのですが、あのレースを見て、まなみさんが特にどこに凄みを感じましたか?いつも応援しています」というメッセージをいただきました。

やっぱり折り合いかなと思います。メイショウタバルはすごく引っ掛かることで有名かと思うのですが、レース前の調教師の先生方のコメントを見ていたら、石橋先生が「いつになく折り合いがいい」とおっしゃっているのを見たんです。
それでもスタートしてからゴールするまでの豊さんの折り合いの付け方はやっぱり凄いなと思いました。本当に凄いです。
引っ掛かる馬をゲートから踏んで出していくとより引っ掛かるんです。豊さんはポンとスタートを切った後に、そこまで踏まずにサーっと、綺麗に出されていくんです。どこかここ!というより、細かな一つ一つの技術、そしてスタートしてから競馬の流れに乗せていくのが本当に上手く、凄いと感じます。

——今回の宝塚記念はまなみ騎手は検量室のモニターで観ていたと思いますが、ジョッキー視点だとレース中、1、2コーナーや向正面といった早い段階で「豊さん上手い…!」と皆さん思うものなのでしょうか。
みんな思ったと思います。レースを見ていても「引っ掛かってないな…」という話になっていたんです。メイショウタバルは1コーナーあたりからガーっと行くところがあり、みんな「ハミを噛むのかなぁ」と言っていた中でタバルが折り合っていて、「やっぱり豊さん上手いなぁ!」と声が上がっていました。
——レース後、極端に緩みのないラップも話題になりました。もちろん後ろの動き次第だと思いますが、同じようなラップで逃げるのは相当難しいことなのでしょうか?
そうですね、引っ掛かる馬ならなおさら難しいです。

——今回の場合、メイショウタバルは横に並ばれるような逃げ方ではありませんでした。ジョッキー側からすると、2番手の馬が横につかれるのと斜め後ろにつかれるのでは、まるでプレッシャーが異なるのですか?
そうですね、"競馬は2番手の馬が作る"という言葉があるくらいです。2番手の馬が前の馬をつつくとその分ペースも速くなりますし、今回の宝塚のように2番手の馬が競ることなく後ろにいると、豊さんがペースを作りやすくなります。2番手次第で逃げ方も変わってきます。
——逆にこれはまなみ騎手が2番手にいる時もより意識してプレッシャーを掛けに行かれているのでしょうか。
ペース次第ですね。遅かったら後ろからまくってこられたり、前が残りやすくなってしまうのでプレッシャーを掛けにいったりはあります。
ずっとつつくと逃げ馬も脚が止まると同時に私の馬の脚もなくなって共倒れになるので、自分の乗っている馬がいかに息を入れて、流れに乗っていけるかを考えますね。

——逃げているジョッキーは振り向かないと誰がどこにいるか分からないと思いますが、逃げ馬に乗られている時に真後ろに誰かいるなとか、誰か来てるなとか、そのようなことは気配で感じ取れるのかも伺いたいです。
誰がというのは難しいですが、ある程度後続がどこらへんにいるなというのは分かります。後ろからマクられないように、横に並ばれる前に気配を感じ取って踏んでいく時はありますね。
自分の馬が末脚が切れない馬だと、マクられてしまえばレースが終わってしまうんです。マクってきやすいジョッキーの方は大体決まっているところもありますし、対策として気配を感じ取って早めに踏んでいきます。

——ちなみに、逃げている場合に"やってはいけないこと"などは、暗黙の了解として何かあるのでしょうか。
やってはいけないことは特にないですね。ただ、まだキャリアが浅い子は逃げると物見して、外に逃げたりして後ろの馬に迷惑をかけることがあるんです。
逃げてはいけないというわけではないですが、逃げるとしたら内ラチから離れないように、後続に迷惑を掛けないようより意識していますね。
——上手い先輩ジョッキーの皆さんは多いと思いますが、まなみ騎手の中で、逃げ方を参考にされている先輩ジョッキーは他にどなたがいるのか伺ってみたいです。
瑠星さんですね。ゲートも凄く上手ですし、大体どの馬でも前に行けるんです。逃げてからの残し方が本当に上手いなと感じています。

逃げ上手の若君・坂井瑠星騎手
——確かに坂井瑠星騎手の先行策からの粘り込みはよく見ます。そういえばこの宝塚記念の日は朝方の雨で、「馬場を苦にした」という敗因をよく見ました。「ノメった」という表現をよく聞きます。ジョッキー側からすると、これはどのような状態なのでしょう。
馬場が悪くて緩かったりすると、その分馬が力を使ってしまうんです。その分のハミにブラ下がったり、バランスの悪い走りになることを指していると思います。
——実戦初騎乗でも、調教に騎乗していればある程度ノメるタイプかどうかは分かるものなのでしょうか?
そうですね、ハミにブラ下がるタイプだなとか、大体は分かります。ただ中には調教で凄く乗り味がいいのに、競馬になるとハミにブラ下がったりバランスの悪い走りになったりする子もいるので、難しいところです。

——逆に、馬場を苦にしない馬の特徴などはありますか?
自厩舎だとトゥラヴェスーラなんかは凄く道悪が得意でしたが、トゥラヴェくんは体幹が本当に凄かったんです。トモの踏ん張りが利かない馬はノメったりすることが多いですね。
走り方もありますね。頭が高い馬は道悪になるとより上ずって走るところがあります。血統とかもあると思います。
——過去にダートで好走していたから芝の重たい馬場をこなせる、というパターンも…?
それもありますね、ダートを走っていた馬が芝の良馬場だと足りず、道悪になってより走れるという部分はあります。

——ノメる馬に対して、ジョッキーが何か対策は取れるものなのでしょうか。
なるべくレース前の返し馬などで馬のバランスを起こしたり、人の指示にしっかり従ってもらえるよう意識を伝えてみたりします。ただ生き物なので、どうしてもしんどくなってモタれたりしてしまう部分はありますね。
——たまに過去に重馬場ができていた馬が、稍重寄りの良馬場で「馬場をこなせなかった」というコメントを見る気がします。一言で道悪と言っても、"できる道悪"、"できない道悪"があるのでしょうか。
どうだろう…。道悪をこなす馬なら稍重と不良で比べたらそこまで変わらないかなと思います。不良過ぎる不良馬場だとまた別ですが…。

自厩舎シュテルンロットを可愛がるまなみ騎手
——今週も大変"学び"のある内容をありがとうございます。参考にされているまな民の方も多いと思います。
いえいえ、いつもありがとうございます!
——そんな"まなみ先生"ですが、今週行われたお姉さんの永島みなみさんとの対談は、なんと言いますか、凄かったですね。
凄かったですね…永島家ワールドでした(笑)
——実はまなみという名前にならない可能性があった、あとは最近お姉さんに行うイタズラなど、初めて出てきたエピソードばかりでした。
そうでしたね、色々バラされました(笑)

みなみさん曰く"パジャマ"
——まなみ騎手の素敵な服が"パジャマみたい"といじられていたのも、対談相手がお姉さんならではかなとも感じました。
しっかり言われましたね、「え?それパジャマ?」って(笑)。でも確かに鏡を見たら、私も「確かにな…」と思いました(笑)
——素敵なお話は来週以降公開していく予定です。来週もよろしくお願いいたします!
よろしくお願いします!

いつも永島まなみ騎手コラム"まなみの学び"をご覧いただきありがとうございます!コラム開始1年9カ月、ここまでまなみ騎手に色々な質問に答えていただきました。
"ファンの皆様と共に歩む"コラムとして、これからもファンの皆様の質問を幅広く頂戴し、ご本人に聞いていこうと思っております。
競馬に関すること、そして日常生活について、永島まなみ騎手にこれだけは聞いてみたい!ということをぜひご応募ください。頂いたご質問、メッセージは上記のようにご本人に届けさせていただきます。
すべてのご応募はメールにて受け付けております。メールの件名に「まなみ騎手へ」、本文にお名前(ペンネーム)を記載の上、以下のアドレスまでご質問をお願いいたします。皆様ぜひご投稿よろしくお願いします!
manami_nagashima@keibalab.jp
プロフィール
永島 まなみ - Manami Nagashima
2002年10月27日生まれ、兵庫県出身。
父は兵庫競馬で数多くの重賞を制した永島太郎元騎手(現調教師)。父の背中を見てジョッキーを志し、幼少期から乗馬を始め、2018年に競馬学校騎手課程37期生として入学。2021年にジョッキーデビュー。
同年3月14日中京2Rでアクイールに騎乗し初勝利を挙げると、1年目はJRA7勝を挙げる。そして2年目の22年に3倍となるJRA21勝を挙げ躍進。外枠有利が定説の新潟直線1000mで、セルレアを内ラチ沿いから勝利に導くなど大胆な騎乗も多く、ファンを魅了する騎乗に注目が集まっている。趣味は映画、ドラマ鑑賞、料理。好きな言葉は「一生懸命」。常に上を目指す期待のアスリート。