ゴールドアグリで新潟2歳S制覇

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安:そういやぁ、ゴールドアグリで新潟2歳Sも勝ったね。

戸:あの馬は、本当に最初で最後で。でも、あの時、ゴール前で影を見て吹っ飛んだじゃないですか。

安:そうそう。

戸:その後もずっと使っていたのに、全然ダメだったじゃないですか。あれは骨折していたんですよ。トモの分かりにくいところが。

安:しばらく経ってから分かったの?

戸:それが、新潟2歳Sが終わって、秋の京王杯2歳Sを使ってダメで、朝日杯フューチュリティSを使ってもダメで、おかしいな、こんなんじゃないと言っていて、その後によく検査をしたら、骨折していて「今回の競馬で骨折したものじゃない」と。逆算したら、やっぱりあの新潟の後だと。安藤さんも京王杯2歳Sの後に「これはおかしいわ」と言ってましたよね。色々とケアしながら行ったんだけど、やっぱり獣医さんも「これは分かり辛い」と。でも、馬は気にしていたみたいね。普段の歩様でも見せないんですよ。

安:トモだと余計にそうだろうね。

戸:今は、調教コースがウッドだとクッションが良いから、それぐらいだと全然分かんないんですよね。その程度の骨折なんだけど、やっぱりレースの硬い馬場に行けば、響くか何かしていたみたいで、あれが、あの馬が重賞を勝ったのは最初で最後だったんですけど、骨折は大きかったと思うので。あれも面白いことに、新馬はノリちゃんだったの。ノリちゃんも「これはなかなか面白いぞ」と言って、新潟2歳Sでも使おうかと言ったら「面白いね」みたいな感じもあったんですけど、エージェントの人が「そこは行けないんですよ」と。話半分で井上さんに電話をしたら「行きます」と。

だから、あの時の井上さんの判断も良かったんですよね。組合馬主さんという新しい馬主さんで、初めて持った馬に近かったのかな。だから、すごく喜んでくれたけど、あの後はなかなかね。簡単な骨折だったら、良くなる馬もいるんですけど、意外とそういう骨折とかすると後々引いて。もうちょっと良いとこまで行けた馬かもしれないですけど、分からない骨折に限って、後々引いちゃうんですよね。その後、安藤さんにも悪い状態で乗ってもらって申し訳なかったですね。


-:ゴールドアグリも最後に準オープンを勝って引退されたんですね。

戸:そうですね。一応、オープンに返り咲きできたので、良かったなとは思っていますけどね。

-:もっと大きく出世する可能性があったと?

戸:骨折がなければ、あったかなと思いますよね。

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