今年もスター候補が出現する!6月の第1週から、来年のクラシックへ向けた2歳新馬戦がスタートする。2018-19シーズンも、クラシックの上位馬は早期にトレセンへ入厩し、夏までにデビューを果たした馬ばかりだった。競馬ラボの特別取材班は、桜花賞馬グランアレグリアを輩出するなどクラシック戦線を席巻したノーザンファーム天栄・木実谷雄太場長を今年も独占直撃。グランアレグリアやコントラチェックのように、2歳5月までに美浦トレセンへ入厩済みの良血馬について聞いた。

今年も開幕週から大物候補が出陣!

ノーザンファーム育成の関東馬は2018-19シーズン、グランアレグリア、コントラチェック、フィリアプーラ、ウィクトーリアで世代限定の重賞5勝をマークした。他にも重賞好走馬や複数の勝ち鞍を挙げたオープン馬が多数おり、G1の出走表に名を連ね続けた。

ノーザンファーム天栄・木實谷場長に取材を続ける中で語っていたのが「早期デビューの重要性」。2017-18シーズンと同様に、活躍した馬たちは2歳の3月〜6月に入厩またはトレセン近郊へ移動し、8月までにデビューしていた馬ばかりだった。

2018-19シーズン前のインタビューは⇒

主なノーザンF育成・関東馬のデビューと入厩日 ※現3歳世代

馬名 デビュー 入厩
グランアレグリア 6月3日 3月30日
コントラチェク 7月8日 3月30日
ディキシーナイト 7月15日 3月30日
アガラス 6月10日 3月29日
ガルヴィハーラ 9月9日 4月5日
セリユーズ 9月2日 5月18日
ウィクトーリア 7月22日 5月25日
ヴィッテルスバッハ 8月25日 5月25日
スイープセレリタス 8月25日 5月26日
フィリアプーラ 10月14日 6月29日
ルガールカルム 9月22日 6月30日

ノーザンファームの生産馬がトライアル、前哨戦を使わずに多くのG1を勝ち、いわゆる「ぶっつけローテ」も不安材料と言われなくなりつつある。デビュー前の2歳馬も「ゲート試験を含めて数カ月在厩してからデビューする」という"常識"を打ち破って結果を出してきた。

近年、活躍馬のほとんどが2歳夏までに入厩し、ゲート試験をクリアした後はノーザンファーム天栄に戻して乗り込んでからデビューに備えている。今年の2歳世代でも、すでにトレセン入厩済み or 入厩直前の良血馬は多くいる。POGでも馬券でも欠かせないノーザンファーム育成の関東馬から、編集部オススメの10頭をリストアップした。「POGでポイントを稼ぐ=馬券に絡む」ということ。馬券を買う際にも、ぜひ覚えておいてほしい。

ブルトガング (牡、美浦・手塚厩舎)

ブルトガング

【場長コメント】3月27日に手塚貴久厩舎に入厩して、ゲート試験にも合格しました。500キロを超える馬格があって、全姉のグランアレグリアとはタイプが違う印象です。こちらは長めの距離でも大丈夫でしょう。2歳戦から活躍してくれる血統でしょうが、まだまだこれからの馬ですよ。6月22日(土)の東京芝1800m戦でのデビューを目標に進めています。

ブルトガング

グランアレグリアの全弟ブルトガング

カトゥルスフェリス (牝、美浦・藤沢和厩舎)

カトゥルスフェリス

【場長コメント】動きは素軽くて、スピードタイプだと思います。マイルあたりが主戦場になるのではないでしょうか。4月13日に藤沢和雄厩舎に入厩して、無事にゲート試験も合格しました。まだ非力な面が残っているので、しっかり体力をつけて夏あたりにデビューできればと考えています。

ラルナジェナ (牝、美浦・奥村武厩舎)

ラルナジェナ

【場長コメント】4月13日に奥村武厩舎に入厩して、ゲート試験にも合格しました。ノーザンF天栄で調整中です。6月下旬に開幕する2回福島開催でのデビューを目指しています。体はまだ成長の余地を残していますが気の良いタイプで、初戦から動けそうな感触は持っています。

レインカルナティオ (牡、美浦・小西厩舎)

レインカルナティオ

【場長コメント】全姉のテトラドラクマと比較して背中の使い方が良くて、一完歩が大きい馬です。こちらは2000mあたりまでは距離も対応できそうです。3月30日に小西一男厩舎に入厩して、ゲート試験も合格しました。6月23日(日)東京芝1600m戦でのデビューを予定しています。

スタインウェイ (牡、美浦・古賀慎厩舎)

スタインウェイ

【場長コメント】3月23日に古賀慎明厩舎に入厩し、3月中にゲート試験も合格しました。気性的にも前向きで、活気ある動きを見せています。初戦から動けそうですし、マイル前後で活躍してくれると思っています。6月1日(土)東京芝1400m戦でデビュー予定です。

エルセンブルグ (牡、美浦・相沢厩舎)

エルセンブルグ

【場長コメント】順調に乗り込んでいて、6月下旬〜7月上旬の福島デビューを目指しています。エピファネイア産駒は総じて馬格があって、お父さん譲りで気持ちが前向きな馬が多いですね。兄のカイザースクルーンのように、中距離が主戦場になってくると思います。

アブソルティスモ (牡、美浦・藤沢和厩舎)

アブソルティスモ

【場長コメント】父はダイワメジャーに替わりましたが、半兄のレイデオロと同じように前向きさがあって、2歳戦から活躍してくれそうな印象です。全兄のティソーナよりも背丈があってストライドも大きく、マイル以上の距離でも対応できると思います。6月の東京開催でデビュー予定です。

アブソルティスモ

レイデオロの半弟アブソルティスモ

ファートゥア (牝、美浦・手塚厩舎)

ファートゥア

【場長コメント】4月4日に古賀慎明厩舎に入厩してゲート試験を合格し、ノーザンF天栄で調整しています。気性が前向きでスピードもありそうですよ。6月東京の1400m戦か1600m戦でのデビューを目標に進めています。初戦から動けそうな感触はあります。

ゴルコンダ (牡、美浦・木村厩舎)

ゴルコンダ

【場長コメント】この血統は気性面に難しさのある馬が多いのですが、今のところ気の悪さも見せていません。3月22日に木村哲也厩舎に入厩して、ゲート試験を合格しました。フットワークも大きく、順調に来ているので、6月の東京開催でのデビューを目指しています。

アルムブラスト (牡、美浦・高橋文厩舎)

アルムブラスト

【場長コメント】リアルインパクト産駒は筋肉質な馬が多く、この馬も含めて短距離で活躍してくれそうなタイプが多いですね。お母さんも2歳戦で活躍した馬でしたので、早い時期から動けると思います。6月16日(日)東京芝1400m戦でのデビュー予定です。

サクセッション (牡、美浦・国枝厩舎)

サクセッション

【場長コメント】4月12日に国枝栄厩舎に入厩してゲート試験に合格し、ノーザンF天栄で乗り込んでいます。馬格があって前向きさもあり、初戦から動けるのではないでしょうか。お兄さんのクルーガーと同様に、マイル〜中距離に適性がありそうです。6月の東京開催でのデビューを目指しています。

サクセッション

美浦トレセンで調整されるサクセッション

ノーエクスキューズ (牡、美浦・和田郎厩舎)

ノーエクスキューズ

【場長コメント】4月5日に和田正一郎厩舎に入厩してゲート試験にも合格し、夏ごろのデビューを目指してノーザンF天栄で乗り込んでいます。馬格もあって前向きさもあるというのは、エピファネイア産駒らしいセールスポイントですね。主戦場は中距離になりそうです。

オーソリティ (牡、美浦・木村厩舎)

オーソリティ

【場長コメント】4月25日に木村哲也厩舎へ入厩して、ゲート試験を合格してノーザンF天栄に戻ってきてからも順調に動けています。オルフェーヴルの産駒にみられる気の難しさも、今のところは見せていません。7月あたりのデビューを考えています。

モーベット (牝、美浦・藤沢和厩舎)

モーベット

【場長コメント】4月13日に藤沢和雄厩舎に入厩して、無事にゲート試験も合格しました。トレセンでも順調に乗れていると聞いています。気性は前向きで、うまく初戦をクリアしてほしいですね。6月東京の開幕週にデビュー予定です。

トライフォーリアル (牡、美浦・萩原厩舎)

トライフォーリアル

【場長コメント】お父さん譲りのガッチリした馬体の持ち主で、スピードを生かせる舞台が合っていると思います。4月4日に萩原清厩舎に入厩して、ゲート試験に合格してからも順調に来ています。6月〜7月のデビューを予定しています。