【2歳馬トレセン最新レポ】第1回:シルヴェリオなど擁する池添学厩舎
2019/6/16(日)
6月1日からスタートした2歳新馬戦。来年のクラシックへ向けて、続々と良血馬・素質馬が登場しているが、今回は「馬券にも直結!すぐ勝てる厳選2歳馬リスト」に続き、期待馬を多数管理する厩舎を直撃!POG本などで紹介された以降の2歳馬たちの動向をお届けする。
第1回 栗東・池添学厩舎
シルヴェリオ (牡、父ハーツクライ×母シルヴァースカヤ)
池添学調教師「相変わらず良い背中をしていますね。とにかく賢くて、入ってきてすぐに、1頭でもどこでも乗れましたからね。再入厩後は良い意味で、パワーアップして帰ってきましたし、逆にいえば、ヤンチャになったところはあります。
(半姉の)ヴィルジニアはウチにいましたけど、タイプも違いますね。ヴィルジニアは他のお兄さんたちを含めて、能力はあるけど、やっぱり脚元のリスクで、あまり数を使っていなかったのですけど、この子は、今の時期に使えるということですからね。育成でも『問題なかった』と聞いていますし、普段の脚元を診ていても、2歳馬らしい感じです。背中は良いので、あとは調教でどれだけ動くというか、余裕を持って時計が出るようだったら、心配はないと思いますね。
ひとまず中身はシッカリしていますね。あとは、スピードの絶対値がどんなものか。『メッチャ良い』と言っていても、追い切りでダメだったりということは多々いますからね。1800mの新馬は宝塚記念の日にしかありませんが、盛り上がるでしょうし、楽しみですね」
ゴールドティア(牝、父キングカメハメハ×母ヒストリックスター)
半姉は2014年の桜花賞を制し、同年の凱旋門賞にも挑んだハープスター。サンデー系の父だった兄姉と異なり、父はキングカメハメハ。クラブでの募集総額は6000万円と期待の高さも窺える。5月上旬に入厩した。池添学調教師「上2頭のアスティルとリュラはウチでやらせてもらったのですけど、お父さんがキンカメに替わって、タイプが違いますね。体は460くらいとシッカリありますし、気性もスイッチのオン、オフがちゃんと出来ています。上2頭は気が強くて、ずっとカリカリしていたので、乗り難しいところがありましたが、この子はそういうところは見られなかったですね。
関節が柔らかいですね。ハッキングを見ていても柔らかいですし、乗っている人も『パワーがありそうだ』と言っていたので。僕も跨らせてもらったのですが、柔らかく良いキャンターをしていましたね。距離適性としてはマイルから1800、2000まででしょうか。短距離馬ではないですね。おそらく中京の最後あたりで下ろそうと思っています」
ローヌグレイシア(牝、父クロフネ×母アーデルハイト)
半姉は厩舎で管理され、忘れな草賞勝ちなどのロッテンマイヤー。祖母ビワハイジの牝系からはブエナビスタを筆頭に数々の活躍馬がいる。先のゴールドティアと同時期に入厩している。馬体重は500kg以上の見込み。池添学調教師「難なくゲートを受かってくれて、スタートはすごく速かったですね。パワータイプでガッと行きそうな感じなので、距離は1200~1600までかなと思います。兄弟は安定して走ってくれていますし、この馬も普段はちゃんとユッタリしています。デビューは中京開催ですね。中京開催の1200から1600のどこかになりそうです」
ミーアシャム(牝、父キンシャサノキセキ×母ダークサファイア)
厩舎としてはデビュー一番乗りとなり、6月8日の阪神芝1200m戦で3着に好走。管理するブルスクーロの全弟にあたる。池添学調教師「兄は短距離馬ですけど、気性的にそんなに前向きではなく、どこでもユッタリ乗れる感触でした。この馬はカッカッしていて、早くから走ってきそうですし、短距離のスピードタイプですね。使った後の2戦目が難しくなりそうな雰囲気はあるので、そこは対策したいですね」
なお、今後のデビュー予定については「夏は輸送競馬になりますからね。輸送した上に酷暑というリスクもあるので、夏の間に下ろすことは多くないと思います。中京開催で下ろしても、その子たちはおそらく夏場はもう1回牧場に出すでしょう。それだけでなく、夏場は3歳未勝利をどうやって勝たせるか、最後ですからそこにも重点を置いています」と見通しを語ってくれた。