皐月賞の裏でダービーを見据えた条件馬が勝利を狙っている!
2017/4/9(日)
4月8日中山5レースの未勝利戦で、POGでも大人気になったヘリファルテがデビュー戦で勝利。その前に聞いた話では、「まだ前向きさに欠け、デビューももう少し先になるのでは?」ということだったので当コーナーには載せなかったのだが、そんな状況で出走し勝ったのだから大したもの。
レースを見ると、スタートからムチを入れられても後方だったように、まだまだ走る気に欠ける現状だが、この先がかなり楽しみになって来た。ただPOGで指名した方には、嬉しさ半分悔しさ半分といったところか。もう少し早くデビューできれば、ダービー路線に乗れたかもしれないのだが。ただ無理をするなら、プリンシパルSを勝って、ダービーという路線も夢ではない。
さて今週は皐月賞。話題は牝馬のファンディーナに集中しているが、果たして結果は?
アドマイヤアゼリも、ここを勝って京都新聞杯に向かいたいクチか。12月末の新馬戦は2着も、間隔を開けて迎えた前走は外から力強く伸びて快勝。時計も悪くなかった。セレクトセールでは2億7000万円(税込)の値がついた良血馬。完成度も低く、この馬も伸びしろは大きい。この2頭の対決は見ものだ。
久々にデビュー馬で採り上げたいのは、土曜日の阪神未勝利芝1800m戦を予定しているモンドバーグ。半姉にはエリザベス女王杯勝ち馬のクイーンズリングがいる。CWで6F82秒台、5F67秒と水準の時計をマークしており仕上がりは上々。ルメール騎手を確保しており、初戦から行けそうな雰囲気だ。
ただし芝1800m戦だけに、相手は楽ではない。
ゼニステレスコープは、キャリアを積む毎にレース内容が向上。前走は速いペースで逃げながら3着に残っている。「休ませて馬にはフレッシュ感がある。マイルでも崩れず走ってくれたが、父系の血筋から距離は延びても良さそう」と池添学師。休養明けになるが、この話からも休養はプラス効果のほうが大きいようだ。
メイショウテンシャは前走こそ6着も、その前2戦はともに2着で、着差はクビとハナ。未勝利から抜け出すのは時間の問題だ。
同日の阪神未勝利芝1400m戦は、池江厩舎が2頭出しの構え。プロキシマは、デビューから3、5、5着だが、勝ち馬との差は少ない。「抑えるのに苦労する面が出てきたので、距離を短くしてみる。この条件でリラックスして走れるようなら」と池江師。半姉のノーブルジュエリーはオープン特別など6勝をマークした活躍馬。距離短縮で上昇を見込む。
アラハバードは、デビュー戦がクビ、クビ差の3着ですぐに勝ち上がれると見ていたが、以降は4、4、6着。もうひと押しがあれば勝ち負けになる。母のマトゥラーは、オルフェーヴル、ドリームジャーニーの半妹で、POGでも上位人気になった馬。故障で2歳のうちに引退したが、繁殖牝馬で結果を出したい。アラハバードは、そんな期待も担っている。
この池江厩舎の2頭では、ルメール騎手が騎乗することから、プロキシマのほうが優勢か。
他厩舎ではロードアイビスも有力。夏の札幌でデビューし3着後に6か月の長い休養。前走は久々でも4着に来ており、叩かれた今回は更に上位を見込める。
日曜日の阪神牝馬限定未勝利芝2000m戦は、ルエヴェルロールが2戦目。初戦は2番人気も6着。それから5か月休んでのレースとなる。半姉のシャルール(重賞2着2回)を含め兄姉8頭が勝ち上がっており、いわゆるクズの出ないきょうだい。この馬も初勝利にそう時間はかかるまい。
続いては中山。土曜日の未勝利芝2000m戦には、夏の新潟の新馬戦で2着以来、約8か月ぶりのオメガジェルベーラが復帰戦を迎える。「体つきがひと回り大きくなっている。プラス体重のほとんどが成長分。ブランク明けだが地力の高さで何とかなっても」と斎藤誠師。休養中にどれだけ成長したか見極めたい。
以前に挙げたアズレージョも、ここを予定。初戦のダートは大敗したが、芝に変えた前走は6着と前進を見せた。今回は更に差を詰めることができるのでは。
牝馬限定の未勝利ダート1800m戦は、初戦で2着のスターズインヘヴンが初勝利目前。半兄は中山ダート1800mで5勝のセンチュリオン。当該コースで勝ち上がりたい。
未勝利ダート1800m戦は、ここ4戦で3着が3度あるショウナンハドル。この馬も勝利間近だ。
皐月賞当日の中山は、未勝利芝2200m戦のフリージングレインが調子を上げている。2戦連続3着の後に9、12着と崩れたが、前走は中団から捲り4コーナーでは先頭。最後にミッキースワロー(次戦で500万特別勝ち)に差されたが2着を確保し復調を示した。終わってみれば差し馬が台頭したレースで、積極策の2着は内容も上々。今度も上位争いに入ってくる。
福島にも触れておこう。土曜日の牝馬限定未勝利芝1800m戦には、ロゴタイプの全妹になるステレオグラムが久々の出走。昨年8月札幌の新馬戦(6着)から約8か月。良血馬らしく、大きく変わった姿を見せてもらいたい。
同日の未勝利芝2000m戦は、フェアリーパウダーが関西から遠征。ダート戦は大敗したが、芝では3、4着。前に行けることから、福島もプラスに働く。
そろそろ2歳馬の入厩情報も始めよう。目を引いたのは、サトノオンリーワン。セレクトセールで1億3500万円(税込)の値がついた馬で、全兄に東スポ杯3着、ホープフルS、京成杯4着とPOG期間内に活躍したソールインパクトがいる。
何が驚いたって、この馬が堀厩舎だということ。こんな早い時期に堀厩舎の大物系が入ってくるのは珍しく、上位指名を考えておきたい。
プロフィール
山田 乗男 - Norio Yamada
厩舎育ちのPOG好きという変わり者。主なPOG実績として、過去にナリタブライアン、ビワハヤヒデ、ディープインパクト、オルフェーヴル、ブエナビスタ、ロジユニヴァース、ヴィクトワールピサ、アンライバルドら指名の実績を持つ。POG=超大物狙いということだが、その格高理論は仲間うちから一目を置かれている。有名競馬雑誌でPOGコーナーを担当中。