先週は日曜東京の新馬芝1800m戦に、サンデーRの1億円台の高額馬2頭、社台F生産馬8頭を含め、社台系の馬が12頭の大量出走。その影響なのか、今週はちょっと大人しい顔ぶれ。ただ、阪神ではPOG人気馬がデビューを迎える。

それが土曜の阪神芝2000m戦に出走予定のヴェルテアシャフト(牡2、栗東・池江寿厩舎)だ。母は北米のGⅠ勝ち馬。全兄はジークカイザー(現3勝)である。「上と比べて硬さもないし、稽古もやれば動く。レースにいっても攻め通りなら走ってきそう」と池江師。鞍上はM.デムーロ騎手。1週前調教(以降も調教は、主に1週前のもの)は、CWで5F67秒台、上がり1Fは11秒後半で、併せた馬に0.7秒先着と、上々の動きを見せている。兄のジークカイザーはデビューから2連勝。この馬も初戦から期待大だ。

同日の阪神ダート1400m戦は、11月19日の新馬戦を除外になったメリッサーニ(牝2、栗東・笹田厩舎)が出走。半兄にオープン特別を2勝したケツァルテナンゴがいる。坂路54.2-12.7秒の時計が出ていれば及第点。除外になったぶん乗り込み量も増えており、初戦から好勝負を期待したい。

土曜の中山ダート1200m戦は、ツィンクルペタル(牝2、美浦・大和田厩舎)が出走。近親に今年のセントライト記念を制したミッキースワローがいる。坂路55.0ー13.2秒は目立たないが、騎乗予定の藤田菜七子騎手は、「乗りやすい」と好評価。鞍上込みで注目を集める。

日曜は阪神で芝1600m戦。ノヴェレッテ(牝2、栗東・中尾秀厩舎)は、母がラフォルジュルネ(500万から1600万を3連勝)、母の弟にアーデント(オープン特別2勝)、母の妹にシャルール(重賞2着2回)がいる。CW6F81秒台、5F66秒、上がりも12秒前半と全体時計が速く、動きは良好。初戦から好勝負だ。鞍上は浜中騎手。

アンコールプリュ(牝2、栗東・友道厩舎)は、半兄がブラックシェル(ダービー3着、NHKマイルC2着)、半姉にシェルズレイ(重賞2着2回)。芝での調教は6Fで80秒を切ったが、上がりが13秒とかかってしまった。まだ良化の余地がありそうだ。鞍上はM.デムーロ騎手を予定。

中山では芝2000m戦。注目の良血馬エリスライト(牝2、美浦・久保田厩舎)が出走する。全姉マリアライト(GⅠ2勝)、半兄クリソライト(韓国、地方を含め重賞6勝)、リアファル(神戸新聞杯)と、兄姉には活躍馬が並ぶ。「乗り込んで良くなってきたし、古馬相手に併せても互角に動けている。奥手の血統だが、素質は感じている」と池内助手。鞍上は蛯名騎手。美浦ウッドで4F55秒台、上がりは13秒だが、重い馬場で馬ナリなら悪くはない。早くから能力全開する一族ではないので、長い目で見たい。

ピンクダイキリ(牝2、美浦・中舘厩舎)は、母の兄にオープン馬フサイチオーレがいる。美浦ウッドで5F68秒台、上がり13秒を余裕をもってマークし、水準レベルの動きは見せている。

中山ではダート1800m戦も。メジャーラプソディ(牝2、美浦・田村厩舎)は、半姉がメジャーエンブレム(GⅠ2勝)。先週のダート戦を除外され、ここへ回るようだ。1週前は坂路54秒3だが、2週前には美浦ウッドで6F82秒台の好時計を出しており、仕上がりは問題ない。

エールブラン(牡2、美浦・上原厩舎)は、近親にストーンステッパー(重賞2勝)。ウッド4F53秒台、上がり13秒前半は地味だが、外目を回り負荷はかけられている。

ワナビーハッカー(牡2、美浦・宗像厩舎)は、母がデビルズコーナー(3勝)。ウッド4F54秒台、上がり13秒前半と目立たないが、この馬も外目を回り、馬ナリの時計なら悪くない。

中京では芝1400m戦。アドマイヤセレブ(牝2、栗東・友道厩舎)は、近親にローズキングダム(GⅠ2勝)などがいる名族バラ一族だ。「いいスピードを持っていて、動きにもしなやかさがある。マイルくらいは保ってほしいが、距離はこのくらいが合いそう」と友道師。

1週前の芝調教は6F80秒台も、上がり13秒後半と崩れたが、2週前のCWでは上がり12秒をマークしており、走る下地はある。リビングマイライフ(牝2、美浦・久保田厩舎)は、母がアルーリングライフ(4勝)、母の姉にアルーリングボイス(重賞2勝)がいる。ポリトラックなので時計は出やすいのだが、6F67秒台、上がりは11秒半ばの時計を出している。2歳戦に強い一族で、新馬戦から勝負だ。

新規入厩で目立つのはセルゲイ。父はディープインパクトで、母は北米GⅡ勝ち馬。セレクトセールでは、1億800万円(税込)の高額がついている。

再入厩組では、イシュトバーン。GⅠでも好走したドナウブルーの初仔である。順調に行けば、阪神開催でデビューとなりそうだ。ウムラオフは、半兄がウムブルフ(4勝)。デビューは有馬記念当日の中山芝2000m戦を予定している。