陣営から「クラシック」の言葉が!除外続きのサラキア今週こそデビューへ
2018/1/14(日)
除外続きも陣営の期待が大きいサラキア
この時期の名物でもある新馬の除外ラッシュのおかげで、2週連続で除外の不運な馬も珍しくなってきた。今回紹介する馬の中にも、3週連続で登場となる馬もいる。状態の維持や、騎手の確保も難しく、どの新馬戦も難解なレースとなるだろう。
土曜日はダート戦ばかり。採り上げるのは京都ダート1400m。アルマーズ(牝3、栗東・藤岡健厩舎)は、半姉に桜花賞馬ジュエラーがいるが、父がエンパイアメーカーということもありダート戦でデビュー。1週前調教(以降、調教は主に1週前のもの)は、坂路56秒2-12秒7(一杯)と全体時計は平凡。ただ除外も考えての仕上がりで、まだまだ上積みはある。ミリラニ(牝3、栗東・中内田厩舎)は、半姉にトレジャースライト(現1600万)、半兄にイギリスのG2勝ち馬がいる。「牝馬にしては素直。終いが良く、動きもしっかりしている」と、栗東記者。1週前はポリトラックで5F68秒だが、2週前にはCWで5F69秒台、上がりは12秒を切る時計を出しており、ここは有力だ。
日曜日は3場で芝のレースがあり、楽しみな馬が並ぶ。京都芝1800m戦は、先週除外されたPOG人気馬グレートウォリアー(牡3、栗東・藤原英厩舎)が予定。1週前はCW5F69秒だが、年末にCW67秒、上がり11秒後半の時計を出し仕上がりは良好。藤原英厩舎なので、除外後でもしっかりデキはキープできているだろう。
ロクセラーナ(牝3、栗東・角居厩舎)は、母がアルゼンチンでG1を2勝。2週連続でCW5F67秒台、上がりも12秒前半の時計が出ており、初戦から期待できる。アニエーゼ(牝3、栗東・池江寿厩舎)は、母がウィルビーゼア(クイーンC3着)。1週前は4Fからだが、2週前にはCWで5F65秒台の速い時計を出しており、この馬も初戦から行ける構え。
オルトシア(牝3、栗東・笹田厩舎)は、母がメーデイア(交流重賞6勝)。母はダート馬だったが、初仔はディープインパクト産駒ということもあり芝デビュー。坂路54秒4-12秒4(一杯)と水準レベルの時計は出ている。オールフォーラヴ(牝3、栗東・中内田厩舎)は、母がレディアルバローザ(中山牝馬S)。3週連続当コーナー登場。つまり2週連続で除外になっているということで、さすがに今週はデビューとなるだろう。1週前はCW5F71秒しか出していないが、除外を考慮してのもの。年末には芝で軽快な動きを披露し、能力の一端は既に見せている。
中山では芝1600m戦。イルーシヴゴールド(牝3、美浦・大竹厩舎)は、母がイタリアG3勝ち馬。「奥手の印象で体つきにも成長待ちのところはあるが、それでも稽古はそれなりに動けている。気性がどう出てくるかだが、マイルから中距離が合っていそう」と大竹師。美浦ウッド69秒台は、重い馬場と余裕の手応えを考えれば悪くない。
エバーミランダ(牝3、美浦・久保田厩舎)は、全姉がサプルマインド(現4勝)、半兄がスティッフィリオ(セントライト記念4着)。「ディープインパクトの産駒らしく素軽く、芝向きのフットワークをする。全体にパンとして力がついてくればもっと良さそうだが、素質は感じる」と池内助手。1週前は美浦ウッドで4F53秒後半、2週前には坂路54秒6-12秒7をマークしており、いいイメージで初戦を迎えられそうだ。ドレサージュ(牝3、美浦・尾関厩舎)は、半兄にダコール(新潟大賞典)。調教は目立たず、叩いて良くなるタイプか。パストゥレイユ(牝3、美浦・田中剛厩舎)は、近親にヨーロッパチャンピオンステイヤーのミレナリーがいる。こちらも調教時計は目立たないが、余裕ある動きで変わり身は見込める。
中京では芝1600m戦。サラキア(牝3、栗東・池添学厩舎)も2週連続除外で、当コーナーは3週連続の登場となってしまった。半姉にはサロニカ(エルフィンS)がいる。仕上がっていることもあり、1週前は坂路55秒0。年末にはCW5F65秒台、上がり11秒半ばの速い時計を出し、既に能力はアピールしている。「クラシックを目指すには、この除外は厳しい」と陣営も2週連続除外に頭を抱えるだろうが、「クラシック」の言葉から、期待の大きさは伝わってくる。
ロンドンシーズン(牝3、栗東・安田隆厩舎)は、母がロンドンブリッジ(桜花賞2着)、半姉にダイワエルシエーロ(オークス)、半兄にビッグプラネット(重賞2勝)、グレーターロンドン(現6勝)と活躍馬が並ぶ。坂路53秒3-12秒5の時計を楽々マークし、この馬も兄姉同様能力は感じられる。フィナリザール(牝3、栗東・佐々晶厩舎)は、母が北米G1勝ち馬。調教時計は遅いが、まだまだ詰められる余裕は残している。最終調教でどれだけ出してくるか。
未出走の再入厩馬の注目はフィエールマン(牡3、美浦・手塚厩舎)。母はフランスでG2を2勝。サンデーRの募集価格は1億円という高馬だ。デビューは東京の2週目あたりを予定している。リンフォルツァンド(牝3、栗東・角居厩舎)は、全姉がタッチングスピーチ(ローズS)。晩成っぽいので、使いつつ良くなっていくだろう。
プロフィール
山田 乗男 - Norio Yamada
厩舎育ちのPOG好きという変わり者。主なPOG実績として、過去にナリタブライアン、ビワハヤヒデ、ディープインパクト、オルフェーヴル、ブエナビスタ、ロジユニヴァース、ヴィクトワールピサ、アンライバルドら指名の実績を持つ。POG=超大物狙いということだが、その格高理論は仲間うちから一目を置かれている。有名競馬雑誌でPOGコーナーを担当中。