阪神でディープ産駒リアオリヴィア、中山で「華麗なる一族」の期待馬登場
2018/9/17(月)
阪神マイルでは、POGで人気になったディープ牝馬が登場。中山2000mでは、現代版華麗なる一族の馬が対決する。
9月22日(土)
◆阪神芝1600m
リアオリヴィア(牝、ディープインパクト×リアアントニア、栗東・中竹厩舎)
母はブリーダーズCジュベナイルフィリーズ(G1)を勝ち、カナダ2歳チャンピオンに輝いた馬。牝馬に強い角居厩舎に入厩予定だったこと(現在は中竹厩舎)もあり、POGでも人気に。2歳下の当歳馬が、今年のセレクトセールで2億9000万円の最高価格で落札されたことも話題となった。1週前調教(以降も、調教は主に1週前のもの)はCWで5F72秒、終いの1Fは12秒。併せたカンタービレに見劣ったが、その相手が当週のローズSに勝った馬なのだから仕方ない。それでも最後まで食らいつこうと必至に走っており、勝負根性はなかなかのもの。調教をつけたM.デムーロ騎手も好印象を持っており、期待して良さそうだ。
ネルソンタッチ(牡、ディープインパクト×マイジェン、栗東・大久保龍厩舎)
セレクトセールでは、アメリカズカップ、ハーバーコマンドの馬主である谷掛龍夫氏に7560万円で落札された。調教は5F66秒後半、上り12秒前半と水準レベルにはある。
スーペルゴラッソ(牡、ハービンジャー×クリスティロマンス、栗東・加用厩舎)
母は3勝。母の妹にノボリディアーナ(府中牝馬S)がいる。調教は1週前こそ平凡だったが、2週前にはCWで11秒台の上り時計を出しており悪くない仕上がりだ。鞍上は松山騎手。
ヴァンドギャルド(牡、ディープインパクト×スキア、栗東・松永幹厩舎)
母はフランスG3勝ち馬。中間ナイラの症状があってデビューが延びる可能性もあるようだが、調教はCWで66秒台後半、上り12秒を出しており、予定通りデビューしても大丈夫なようだ。
◆中山芝1600m
ルガールカルム(牝、ロードカナロア×サンデースマイルⅡ、美浦・田村厩舎)
半兄はフルーキー(チャレンジC)。「もう少し馬体に幅が出てくるといいが、厩舎の格上馬と併せても互角以上に動けている。楽しみにしている1頭」と田村師。2週前に古馬オープンのセンチュリオンに先着し、1週前は美浦ウッドで5F66秒、1F12秒後半の好時計を出し、古馬500万に大きく先着。初戦から好勝負必至だ。鞍上はルメール騎手。
マカリカ(牝、ロードカナロア×フィラデルフィア、美浦・久保田厩舎)
近親にレディパステル(オークス)。調教は美浦ウッドで4F56秒台、1F12秒前半。テンをゆっくりいったこともあるが、美浦ウッドで上り12秒前半は褒められる。
9月23日(日)
◆阪神芝2000m
グランデストラーダ(牝、ハーツクライ×レジェンドトレイル、栗東・友道厩舎)
兄姉に目立った馬はいないが、7頭中6頭が2勝以上。母の姉にシンコウラブリイ(マイルCS)、ハッピーパス(京都牝馬S)がいる。「牝馬にしては馬格があり、しっかり稽古を積めている。ハーツクライの仔でまだ成長余地や奥がありそう」と友道師。調教は芝コースで行われ、5F66秒台、1F11秒後半。ビーチサンバに遅れたが、その馬は新馬戦で楽勝したほどの馬。更に手応えは馬ナリなので、遅れも大きなマイナスではない。
ヴァルトブルク(牡、ノヴェリスト×ヴァルパライソ、栗東・高橋康厩舎)
母は2勝。調教はCWでいっぱいに追われ5F68秒台、上り12秒半。時計のかかる馬場だったので、字面ほどは悪くない内容だ。鞍上は岩田騎手。
マスターフェンサー(牡、ジャスタウェイ×セクシーザムライ、栗東・角田厩舎)
半兄にトップディーヴォ(6勝)、エポック(5勝)とオープン馬が2頭いる。調教は5F68秒前半、1F12秒半ば。外目を回っており、中身は濃い。
◆阪神ダート1400m
アーズローヴァー(牝、キンシャサノキセキ×ヴィアンローズ、栗東・松下厩舎)
半兄にアジュールローズ(プリンシパルS)。調教はCW5F67秒台、1F12秒半で、オープン馬モズアトラクションに先着と上々の動き。鞍上は川田騎手。
◆中山芝2000m
ポルトラーノ(牡、オルフェーヴル×ポルトフィーノ、美浦・萩原厩舎)
母はエルフィンSを勝ってクラシック候補にもなった馬。祖母はエアグルーヴ(天皇賞・秋)で、他にも近親には活躍馬が多数おり、現代版「華麗なる一族」と呼ばれるダイナカールの一族である。「まだ重たいウッドチップに動き切れないところはある。モノは悪くないと思うで、体の使いを覚えてくれば」と萩原師。
ステリーナ(牝、トーセンホマレボシ×リングレット、美浦・大和田厩舎
祖母はオークス馬ダイナカール、母の姉はエアグルーヴで、前出のポルトラーノとは同族対決となる。調教は坂路で54秒8-13秒1(一杯)。時計は平凡だが、2週前までは上りが13秒後半かかっており、前進は見える。鞍上は石橋騎手。ウレキサイト(牡、ブラックタイド×ラフィントレイル、栗東・松永幹厩舎)
半兄にブレイズアトレイル(京成杯AH2着)、祖母はファビラスラフイン(秋華賞)。CWで外目をいっぱいに追われ5F67秒台、1F12秒前半の好時計をマークしている。鞍上は北村友騎手。
ペルソナデザイン(牡、ハーツクライ×コマーサント、美浦・大竹厩舎)
半兄はベストディール(京成杯)。時計の出にくい美浦ウッドで5F67秒半ば、1F13秒前半を馬ナリでマークし、古馬500万に先着と合格点だ。
新規入厩
シュヴァルツリーゼ(牡、ハーツクライ×ソベラニア、美浦・堀厩舎)
半兄は、2戦2勝でセントライト記念に出走のゼーゲン。牧場での動きも良好で、期待は高まる。
フォースキャリア(牡、ワークフォース×ムーンレディ、美浦・菊沢厩舎)
半兄はエイシンフラッシュ(日本ダービー)。
未出走馬の再入厩
ティグラーシャ(牝、ディープインパクト×シーズアタイガー、栗東・池添学厩舎)
母はアメリカの2歳牝馬チャンピオン。10月14日京都芝2000m戦を目標に仕上げていく。
タンタラス(牝、キングカメハメハ×ブエナビスタ、栗東・池添学厩舎)
母はジャパンCなどG1を6勝。10月8日京都芝1800m戦が目標。
ランブリングアレー(牝、ディープインパクト×ブルーミングアレー、栗東・友道厩舎)
母はフローラS3着。母の弟にトーセンラー(マイルCS)、スピルバーグ(天皇賞・秋)。10月6日京都芝1600戦を目標に仕上げていく。
リスト(牡、ディープインパクト×シルヴァースカヤ、栗東・池江厩舎)
全兄は5戦4勝のシルバーステート、新馬戦で後のダービー馬ワグネリアンと接戦したヘンリーバローズ。
メッシーナ(牝、ディープインパクト×シユーマ、美浦・堀厩舎)
全兄は4戦3勝のヘリファルテ、セントライト記念で上位人気に推されたブレステイキング。10月の東京開催でデビュー予定。
ディープサドラーズ(牡、ディープインパクト×メイキアシー、栗東・藤原英)
半兄ブラヴィッシモ(5勝)。セレクトセールでは1億5660万円で落札された馬。10月開催デビューを目指す。
プロフィール
山田 乗男 - Norio Yamada
厩舎育ちのPOG好きという変わり者。主なPOG実績として、過去にナリタブライアン、ビワハヤヒデ、ディープインパクト、オルフェーヴル、ブエナビスタ、ロジユニヴァース、ヴィクトワールピサ、アンライバルドら指名の実績を持つ。POG=超大物狙いということだが、その格高理論は仲間うちから一目を置かれている。有名競馬雑誌でPOGコーナーを担当中。