阪神マイルでは、POGで人気になったディープ牝馬が登場。中山2000mでは、現代版華麗なる一族の馬が対決する。

9月22日(土)
◆阪神芝1600m

リアオリヴィア(牝、ディープインパクト×リアアントニア、栗東・中竹厩舎)
母はブリーダーズCジュベナイルフィリーズ(G1)を勝ち、カナダ2歳チャンピオンに輝いた馬。牝馬に強い角居厩舎に入厩予定だったこと(現在は中竹厩舎)もあり、POGでも人気に。2歳下の当歳馬が、今年のセレクトセールで2億9000万円の最高価格で落札されたことも話題となった。1週前調教(以降も、調教は主に1週前のもの)はCWで5F72秒、終いの1Fは12秒。併せたカンタービレに見劣ったが、その相手が当週のローズSに勝った馬なのだから仕方ない。それでも最後まで食らいつこうと必至に走っており、勝負根性はなかなかのもの。調教をつけたM.デムーロ騎手も好印象を持っており、期待して良さそうだ。

ネルソンタッチ(牡、ディープインパクト×マイジェン、栗東・大久保龍厩舎)
セレクトセールでは、アメリカズカップ、ハーバーコマンドの馬主である谷掛龍夫氏に7560万円で落札された。調教は5F66秒後半、上り12秒前半と水準レベルにはある。

スーペルゴラッソ(牡、ハービンジャー×クリスティロマンス、栗東・加用厩舎)
母は3勝。母の妹にノボリディアーナ(府中牝馬S)がいる。調教は1週前こそ平凡だったが、2週前にはCWで11秒台の上り時計を出しており悪くない仕上がりだ。鞍上は松山騎手。

ヴァンドギャルド(牡、ディープインパクト×スキア、栗東・松永幹厩舎)
母はフランスG3勝ち馬。中間ナイラの症状があってデビューが延びる可能性もあるようだが、調教はCWで66秒台後半、上り12秒を出しており、予定通りデビューしても大丈夫なようだ。

◆中山芝1600m

ルガールカルム(牝、ロードカナロア×サンデースマイルⅡ、美浦・田村厩舎)
半兄はフルーキー(チャレンジC)。「もう少し馬体に幅が出てくるといいが、厩舎の格上馬と併せても互角以上に動けている。楽しみにしている1頭」と田村師。2週前に古馬オープンのセンチュリオンに先着し、1週前は美浦ウッドで5F66秒、1F12秒後半の好時計を出し、古馬500万に大きく先着。初戦から好勝負必至だ。鞍上はルメール騎手。

マカリカ(牝、ロードカナロア×フィラデルフィア、美浦・久保田厩舎)
近親にレディパステル(オークス)。調教は美浦ウッドで4F56秒台、1F12秒前半。テンをゆっくりいったこともあるが、美浦ウッドで上り12秒前半は褒められる。

9月23日(日)
◆阪神芝2000m

グランデストラーダ(牝、ハーツクライ×レジェンドトレイル、栗東・友道厩舎)
兄姉に目立った馬はいないが、7頭中6頭が2勝以上。母の姉にシンコウラブリイ(マイルCS)、ハッピーパス(京都牝馬S)がいる。「牝馬にしては馬格があり、しっかり稽古を積めている。ハーツクライの仔でまだ成長余地や奥がありそう」と友道師。調教は芝コースで行われ、5F66秒台、1F11秒後半。ビーチサンバに遅れたが、その馬は新馬戦で楽勝したほどの馬。更に手応えは馬ナリなので、遅れも大きなマイナスではない。

ヴァルトブルク(牡、ノヴェリスト×ヴァルパライソ、栗東・高橋康厩舎)
母は2勝。調教はCWでいっぱいに追われ5F68秒台、上り12秒半。時計のかかる馬場だったので、字面ほどは悪くない内容だ。鞍上は岩田騎手。

マスターフェンサー(牡、ジャスタウェイ×セクシーザムライ、栗東・角田厩舎)
半兄にトップディーヴォ(6勝)、エポック(5勝)とオープン馬が2頭いる。調教は5F68秒前半、1F12秒半ば。外目を回っており、中身は濃い。

◆阪神ダート1400m

アーズローヴァー(牝、キンシャサノキセキ×ヴィアンローズ、栗東・松下厩舎)
半兄にアジュールローズ(プリンシパルS)。調教はCW5F67秒台、1F12秒半で、オープン馬モズアトラクションに先着と上々の動き。鞍上は川田騎手。

◆中山芝2000m

ポルトラーノ(牡、オルフェーヴル×ポルトフィーノ、美浦・萩原厩舎)
母はエルフィンSを勝ってクラシック候補にもなった馬。祖母はエアグルーヴ(天皇賞・秋)で、他にも近親には活躍馬が多数おり、現代版「華麗なる一族」と呼ばれるダイナカールの一族である。「まだ重たいウッドチップに動き切れないところはある。モノは悪くないと思うで、体の使いを覚えてくれば」と萩原師。

ここ2週は上りが14秒かかっているが、馬場が重いことと、口向きが悪くしっかり走り切れていない影響もある。このあたりは馬具で工夫していくようだ。調教は平凡でも、レースで変わる可能性は大きい。鞍上はルメール騎手。

ステリーナ(牝、トーセンホマレボシ×リングレット、美浦・大和田厩舎

祖母はオークス馬ダイナカール、母の姉はエアグルーヴで、前出のポルトラーノとは同族対決となる。調教は坂路で54秒8-13秒1(一杯)。時計は平凡だが、2週前までは上りが13秒後半かかっており、前進は見える。鞍上は石橋騎手。

ウレキサイト(牡、ブラックタイド×ラフィントレイル、栗東・松永幹厩舎)
半兄にブレイズアトレイル(京成杯AH2着)、祖母はファビラスラフイン(秋華賞)。CWで外目をいっぱいに追われ5F67秒台、1F12秒前半の好時計をマークしている。鞍上は北村友騎手。

ペルソナデザイン(牡、ハーツクライ×コマーサント、美浦・大竹厩舎)
半兄はベストディール(京成杯)。時計の出にくい美浦ウッドで5F67秒半ば、1F13秒前半を馬ナリでマークし、古馬500万に先着と合格点だ。

新規入厩

シュヴァルツリーゼ(牡、ハーツクライ×ソベラニア、美浦・堀厩舎)
半兄は、2戦2勝でセントライト記念に出走のゼーゲン。牧場での動きも良好で、期待は高まる。

フォースキャリア(牡、ワークフォース×ムーンレディ、美浦・菊沢厩舎)
半兄はエイシンフラッシュ(日本ダービー)。

未出走馬の再入厩

ティグラーシャ(牝、ディープインパクト×シーズアタイガー、栗東・池添学厩舎)
母はアメリカの2歳牝馬チャンピオン。10月14日京都芝2000m戦を目標に仕上げていく。

タンタラス(牝、キングカメハメハ×ブエナビスタ、栗東・池添学厩舎)
母はジャパンCなどG1を6勝。10月8日京都芝1800m戦が目標。

ランブリングアレー(牝、ディープインパクト×ブルーミングアレー、栗東・友道厩舎)
母はフローラS3着。母の弟にトーセンラー(マイルCS)、スピルバーグ(天皇賞・秋)。10月6日京都芝1600戦を目標に仕上げていく。

リスト(牡、ディープインパクト×シルヴァースカヤ、栗東・池江厩舎)
全兄は5戦4勝のシルバーステート、新馬戦で後のダービー馬ワグネリアンと接戦したヘンリーバローズ。

メッシーナ(牝、ディープインパクト×シユーマ、美浦・堀厩舎)
全兄は4戦3勝のヘリファルテ、セントライト記念で上位人気に推されたブレステイキング。10月の東京開催でデビュー予定。

ディープサドラーズ(牡、ディープインパクト×メイキアシー、栗東・藤原英)
半兄ブラヴィッシモ(5勝)。セレクトセールでは1億5660万円で落札された馬。10月開催デビューを目指す。