菊花賞週といえば「伝説の新馬」!ワールドプレミア出陣
2018/10/14(日)
菊花賞デーの新馬戦は、「伝説の新馬」と言われたレースもあり、上位から活躍馬が多数出ている。代表的なレースは2008年。1着アンライバルド、3着ブエナビスタ、4着スリーロールスが後にG1を勝ち、2着リーチザクラウンがダービーで2着。翌2009年は1着ローズキングダム、2着ヴィクトワールピサがG1勝ち。
その後も2010年1着ダノンバラードは宝塚記念2着、2012年1着エピファネイアはG1を2勝、2013年1着トーセンスターダムは豪州のG1で2着、2015年1着ドレッドノータスは重賞勝ち、そして昨年の1着グレイルも重賞勝ち。最近は、使い分けの影響やデビューが早まる傾向から、かつてのようなメンバーは集まらなくなったが、それでも勝ち馬が後に活躍する確率は相変わらず高い。今年はアノ良血馬が勝てば、重賞勝ちの王手か。そして土曜日の東京芝2000m戦では、POG人気馬が激突の予定。ここもアツイ戦いが期待できる。
10月20日(土)
◆東京芝2000m
サトノジェネシス(牡、ディープインパクト×マルペンサ、美浦・堀厩舎)
全兄は、先の京都大賞典勝ちで復活の兆しを見せたサトノダイヤモンド(G1を2勝)。POGでは当然、上位人気になった。「乗り込むにつれて動きがしっかりしてきた。速いところにいくとフットワークが良く、能力を感じる馬」と森助手。1週前調教(以降も調教は主に1週前のもの)は美浦ウッドで一杯に追われ、5F69秒台、1F13秒をマークし、古馬1000万のクラシコに先着。堀厩舎なら、この時計で十分だ。鞍上はモレイラ騎手。
ランフォザローゼス(牡、キングカメハメハ×ラストグルーヴ、美浦・藤沢和厩舎)
セレクトセール1億3500万円(税込み)。2代母はエアグルーヴ(G1を2勝)、3代母はダイナカール(オークス)、母のきょうだいにはG1馬のアドマイヤグルーヴ、ルーラーシップをはじめフォゲッタブル、グルヴェイグと重賞勝ち馬が4頭いる。「徐々に良くなってきたし、血統背景もいい馬でモノは悪くない。距離も中距離以上あっていい」と津曲助手。8月下旬から乗り込んでおり運動量は豊富。時計も、7日の坂路で55秒6-12秒6、11日は美浦ウッドで4F56秒台、1F12秒後半と、終いの時計を詰めつつある。鞍上はルメール騎手。
リーヴル(牡、ノヴェリスト×プラージュ、美浦・萩原厩舎)
母は3勝。3代母はダイナフェアリー(重賞5勝)。先週のマイル戦を予定も、鞍上のアドバイスで2000m戦のここへ延ばしてきた。調教は美浦ウッドで5F69秒後半、1F13秒前半の時計を楽にマークし、古馬1000万に先着。延ばしたおかげで調教内容も良くなってきている。
ヴィクトリーキー(牡、ヴィクトワールピサ×キーオブライフ、美浦・黒岩)
母の弟に2戦2勝の素質馬ミスティックグロウがいる。調教は、美浦ウッド5F66秒台、1F13秒半ばの時計を馬ナリでマークし、1000万のミュートロギアを追走し併入している。調教内容は合格点だが、テンションが上がりやすい馬なので、パドックはよく観察したい。
◆東京芝1600m
タニノミッション(牝InvincibleSpirit×Vodka、栗東・中竹厩舎)
母はG1を6勝のウオッカ。「父が変わって兄姉たちとはタイプが違う。気持ちも勝ったところがあるし、短い距離でスピードを生かす競馬が合っていそう」と辻野助手。調教は8日の坂路で53秒9-14秒3。急仕上げ気味ではあるが、気性的に初戦から走りそうな雰囲気もある。鞍上はモレイラ騎手。
ハーメティキスト(牡、ロードカナロア×ミスティックリップス、美浦・木村厩舎)
半兄ミスティックグロウ(2戦2勝)。前出ヴィクトリーキーのおじになる。調教は美浦ウッド5F70秒、1F13秒前半の時計を楽に出し、動きは良好。鞍上はデムーロ騎手に依頼中。
ルヴォルグ(牡、ディープインパクト×キトゥンカブードル、美浦・藤沢和厩舎)
母はアメリカのG3勝ち馬。美浦ウッドで4F56秒台、上り12秒後半の時計を出し、新馬のランフォザローゼスを追走して併入。順調に仕上げは進んでいる。なお同日の芝2000mに出走する可能性もある。
◆京都芝1400m(牝)
ティレニア(牝、ジャスタウェイ×アマルフィターナ、栗東・高橋亮厩舎)
母の姉はスリープレスナイト(スプリンターズS)。2週前にCWで5F66秒台、1F12秒半ばの時計を出し、1週前はポリトラックで5F68秒台、1F11秒台半ばの時計をマーク。初戦から行けそうだ。鞍上は浜中騎手。
ブランノワール(牝、ロードカナロア×プチノワール、栗東・須貝厩舎)
半姉はローブティサージュ(阪神JF)。坂路で53秒4-12秒8を一杯にマークし、併せた相手を一気に突き放した。気性が幼く本当に良くなるのは先だが、調教の動きから現状でも好勝負可能だ。鞍上は池添騎手。
エメラルドスピアー(牝、ルーラーシップ×アラドヴァル、栗東・西浦厩舎)
近親にハーツクライ(G1を2勝)。CWで一杯に追われ5F68秒、1F11秒後半の好時計をマーク。初戦から期待できる。
エイシンポジション(牝、オルフェーヴル×エイシンパンサー、栗東・野中厩舎)
母は4勝し、ファンタジーS3着。CWを一杯に5F68秒台、1F12秒でオープン馬カゼノコと併入。母同様2歳戦から動ける。
ロナ(牝、ロードカナロア×エアジャメヴー、栗東・橋口厩舎)
母の姉にエアメサイア(秋華賞)、母の兄にエアシェイディ(アメリカJCC)がいる。CWで5F68秒台半ば、1F11秒後半を一杯にマーク。同厩の期待馬ヴィクトリアピース、エールヴォアに続きたい。
◆京都ダート1400m
グルーヴィット(牡、ロードカナロア×スペシャルグルーヴ、栗東・松永幹厩舎)
3代母はエアグルーヴ(G1を2勝)。坂路54秒0-12秒7を一杯にマークし、併せた相手に2馬身程度先着している。鞍上は岩田騎手。
10月21日(日)
◆東京芝1400m
エスタジ(牝、ロードカナロア×マリーシャンタル、美浦・木村厩舎)
名族ダイナカール一族の一頭で半兄にファントムライト(6勝)、近親にエアグルーヴ(G1を2勝)、ドゥラメンテ(G1を2勝)、ルーラーシップ(クイーンエリザベス2世C)らがいる。調教は美浦ウッドで4F54秒台、12秒台半ばの時計を馬ナリでマークし、1000万のデュッセルドルフと併入。血統的にも期待は高い。
◆東京ダート1600m
ロサデラルス(牡、クロフネ×ロージーチャーム、美浦・新開厩舎)
近親にアグネスゴールド(重賞2勝)、フサイチゼノン(弥生賞)。先週除外されて、ここへまわってきた。調教は美浦ウッドで5F70秒、1F13秒台半ばと目立たなかったが、2週前はウッドで5F68秒、1F12秒台半ばの時計を出しており、水準レベルにはある。
◆京都芝1800m
ワールドプレミア(牡、ディープインパクト×マンデラ、栗東・友道厩舎)
セレクトセール2億5920万円(税込)。全兄にワールドエース(重賞2勝、皐月賞2着)がいる。坂路52秒9-12秒8は時間帯を考えると優秀で、古馬1000万のジュンスパーヒカルに楽々先着している。フォームや雰囲気も良く、先々まで期待したい。
クルージーン(牡、ロードカナロア×エリンコート、栗東・藤岡厩舎)
母はオークス馬。先週予定も、もう少し乗り込み量を増やしたいということで1週延ばした。調教はCWで6F83秒台、5F67秒前半、1F12秒台半ばの時計を一杯にマークしている。鞍上は藤岡佑騎手。
エスポワール(牡、オルフェーヴル×スカーレット、栗東・中竹厩舎)
半兄はアドミラブル(青葉賞)。CWで一杯に追われ5F70秒台、1F12秒をマークし、クリアザトラックに先着。レースが近づき、動きも良くなってきている。鞍上はデムーロ騎手。
ジューンアイリス(牝ダンカーク×コロナガール、栗東・武英厩舎)
母の兄にオープンまで行ったタガノマーシャル(5勝)がいる。調教はCWで5F67秒、1F12秒前半を一杯にマークし、併せた相手に先着。「乗り味がいい」と厩舎での評判もいい。
◆新潟芝1600m(牝)
トロシュナ(牝、スクリーンヒーロー×スーヴェニアギフト、美浦・大竹厩舎)
兄姉にシュプリームギフト、ベステゲシェンク、ロワアブソリュー、デアレガーロとオープン馬が4頭いる。美浦ウッドで6F81秒台、5F66秒台、1F12秒台半ばの好時計を馬ナリでマークし、仕上がりは上々だ。
ジュエルインザサン(牝、ルーラーシップ×ジュエルオブザナイト、美浦・和田郎)丸山騎手
半姉はデビューから3連勝したディープジュエリー。美浦ウッドで5F71秒台、1F13秒後半は目立たないが、時計はまだまだ詰められる余裕がある。◆新規入厩
レーヴドゥラメール(牝、ロードカナロア×レーヴディソール、栗東・松下厩舎)
母は阪神JFを含めデビューから4連勝。4月に栗東に入る予定も腰に疲れが出て、ここまで入厩が延びしてしまった。今後は順調に行ってほしいものである。
半姉はクイーンズリング(エリザベス女王杯)。
◆未出走馬再入厩
オーサムウインド(牝、ディープインパクト×オーサムフェザー、栗東・友道厩舎)
全兄はスーパーフェザー(青葉賞3着)。11月11日京都芝1400m牝馬限定戦が目標。
コパカティ(牝、ハービンジャー×、アロマティコ、栗東・佐々木晶)
母は秋華賞、エリザベス女王杯ともに3着。
プロフィール
山田 乗男 - Norio Yamada
厩舎育ちのPOG好きという変わり者。主なPOG実績として、過去にナリタブライアン、ビワハヤヒデ、ディープインパクト、オルフェーヴル、ブエナビスタ、ロジユニヴァース、ヴィクトワールピサ、アンライバルドら指名の実績を持つ。POG=超大物狙いということだが、その格高理論は仲間うちから一目を置かれている。有名競馬雑誌でPOGコーナーを担当中。