除外ラッシュのおかげで、先週取り上げた馬を再度載せるパターンが増えてきた。もはや2週連続の除外も珍しいことではなく、3週連続で同じ馬を紹介するケースもあるかもしれない。それくらい新馬戦は厳しい状況にある。年明けデビューは、いろいろな意味で不利が大きい。

1月26日(土)
◆京都ダート1200m

ガイヤルド(牡、ヘニーヒューズ×ゴールデンロッド、美浦・田島厩舎)
ステイゴールド(香港ヴァーズ勝ち馬)、ショウナンパンドラ(ジャパンC、秋華賞勝ち馬)など活躍馬を多数出しているゴールデンサッシュの一族。1月14日中山ダート1200m戦を除外され、ここへ回ってきた。1週前調教(以降も調教は主に1週前のもの)は、坂路58秒3-13秒0(一杯)。除外のおかげで本数を重ねているが、時計がなかなか詰まってこないのは気がかりなところ。

◆東京ダート1400m

グレースベイ(牝、ヴィクトワールピサ×クーデンビーチ、栗東・安田翔厩舎)
半姉サザナミ(5勝)、近親ダノンチェイサー(現2勝)。19日の京都ダート1400m戦を除外となった。調教はCWで4F53秒台半ば、1F12秒台前半を楽々マーク。坂路でも2、3週前に52秒台を出し仕上がりは進んでいる。鞍上は岩田騎手。

◆中京芝1600m

サトノソレイユ(牝、Frankel×Debonneiar、栗東・池江厩舎)
兄は豪州G1を2勝したハートネル。調教はCWで一杯に5F67秒台前半、1F11秒台後半。新馬のアテンポラルを追走し、最後は1馬身程度先着している。まだ負荷をかけた調教が少ない段階で、この内容は高く評価できる。

アテンポラル(牡、ハーツクライ×タンタスエルテ、栗東・池江厩舎)
半兄タンタアレグリア(アメリカJCC勝ち馬)。先のサトノソレイユとCWで併せ、一杯に5F67秒台半ば、1F11秒台後半。遅れてしまったが、時計は出ている。

レッドムルガン(牡、ハービンジャー×ビジュアルショック、栗東・松永幹厩舎)
半姉ブラックスビーチ(現3勝、スイートピーS1着)。20日の中京2000m戦を除外。調教はCWで5F67秒、1F12秒前半を出し、若駒Sに出走したリオンリオンと併入。先週も同じ馬と併せたが、2週ともにレッドムルガンのほうが優勢だった。鞍上はM.デムーロ騎手。

レッドアウローラ(牝、ディープインパクト×レジュールダムール、栗東・音無厩舎)
母は3勝。母の弟グラッツィア(7勝)、スーパームーン(AJCC2着)。CWで一杯に5F67秒台後半、1F13秒台前半の時計で、3頭併せで外を通り最内の馬には先着、真ん中の馬には1馬身程度遅れている。デビューまでにもう少し時計を詰めていきたい。

ヴィルデフラウ(牝、ジャスタウェイ×ニンフⅡ、栗東・須貝厩舎)
近親に同世代のオープン馬ハッピーアワー(すずらん賞1着、デイリー杯2歳S3着)。2月3日の京都マイル戦を予定も、除外を考慮し1週前のこのレースに投票予定。それでも坂路で51秒7-12秒5(一杯)の好時計が出ており、もし出走となっても好勝負できる状態にはある。

ハピネスブルーム(牝、ロードカナロア×シードオブハピネス、栗東・小崎厩舎)
母の兄ケイティープライド(函館記念2着)。除外を考え、ここから入れていく。調教はCWで気合を入れる程度に5F67秒台半ば、1F12秒0と時計はしっかり出ている。

ジーガスリッド(牡、ヴィクトワールピサ×ハルーワソング、栗東・友道厩舎)
半兄マーティンボロ(重賞2勝)、フレールジャック(ラジオNIKKEI賞1着)。CWで一杯に追われ、5F67秒台半ば、1F12秒台後半。併せた新馬に僅かに遅れている。鞍上は藤岡康騎手。

セルプランタン(牝、ロードカナロア×マドモアゼルドパリ、栗東・安田隆厩舎)
半姉マキシマムドパリ(重賞2勝)。20日京都芝マイル戦を除外。調教はCWで一杯に5F66秒台後半、1F12秒台半ば。古馬1000万を追走し僅かに遅れている。

1月27日(日)
◆京都芝1800m

リャスナ(牝、ディープインパクト×ココシュニック、栗東・高野厩舎)
全兄ステファノス(富士S1着、G1で2着3回)。調教はCWで一杯に6F82秒、5F66秒台半ば、1F12秒台半ば。3歳500万の馬に大きく先着している。調教の動きは良く、血統的にも楽しみな馬である。

レッドアクトレス(牝、スクリーンヒーロー×トゥーピー、栗東・藤原英厩舎)
半兄サトノラーゼン(京都新聞杯勝ち馬、ダービー2着)、サトノクロニクル(チャレンジC勝ち馬)。20日の中京芝2000mを除外。調教はCWで5F67秒台後半、1F12秒台前半を余裕をもってマーク。2週前にもCWで5F68秒、1F12秒台後半の時計を出しており仕上がりは上々だ。鞍上は川田騎手

ユニコーンライオン(牡、No Nay Never×Muravka、栗東・矢作厩舎)
兄はフランスG1勝ち馬で、募集価格は2億円(ライオンRH)。20日の京都芝1600m戦を除外。調教は坂路51秒7-12秒0(一杯)。その前にも坂路、CWで好時計を連発しており、初戦から期待大。

◆東京芝1800m

キスラー(牡、ディープインパクト×シャンパンドーロ、栗東・池江厩舎)
半兄は6戦4勝のフォギーナイト。セレクトセールで2億1060万円(税込)の高額がついた。「ディープインパクト産駒らしく、芝向きの軽いフットワーク。動きは良く、水準以上の素質を感じる」と兼武助手。調教は坂路55秒6-12秒7(馬なり)。CWでも上り1F12秒を切るレベルの時計を2本出しており、いい形でデビューを迎えられそうだ。鞍上は武豊騎手。

キャノピーウォーク(牝、ロードカナロア×ロンドンブリッジ、美浦・大竹厩舎)
母はファンタジーS勝ち馬、桜花賞2着。半姉ダイワエルシエーロ(オークス馬)、半兄ビッグプラネット(アーリントンC)、グレーターロンドン(中京記念)。「以前に入厩した時よりも良くなってきた。そのあたりは血統馬らしく、これから変わってきそう」と大竹師。調教はウッド6F82秒台、5F68秒台半ば、1F14秒台半ば。時計だけ見るとバタバタになったように思われるが、抑えていたものでバテたわけではない。

レイバーリフォーム(牝、ルーラーシップ×ワーキングホース、美浦・小島茂厩舎)
母は4勝。半姉ワーキングプライド(4勝)、調教はウッドで4F56秒台後半、1F13秒台前半。まだまだ時計を詰められる余裕はある。

ウォルフズハウル(牡、ハーツクライ×アークティックシルク、美浦・栗田徹厩舎)
半姉ゴールデンナンバー(5勝。京都牝馬S2着)。調教は坂路52秒7-12秒6(一杯)。以前は上りがかかっていたが、本数を重ねて上がりも速くなってきた。

パシフィスタ(牡、マンハッタンカフェ×ピューリティー、美浦・中川厩舎)
半姉ピュアブリーゼ(オークス2着)。20日の中山を除外。調教はウッド5F71秒台、1F14秒台後半を馬なり。2週前にはウッド4F53秒台前半、1F13秒台前半を楽にマークしている。しかし息遣いが荒くまだまだ成長途上なので、使いながら良くなっていくことを願いたい。

デッドアヘッド(牡、ハーツクライ×ベイトゥベイ、美浦・藤沢和厩舎)
母は北米のG2、G3勝ち馬。調教はウッド4F57秒台半ば、1F13秒台前半を楽走でマーク。ここに投票するが、本当の目標は翌週の東京芝1800m戦。

◆東京ダート1600m

カフェクラウン(牡、Mineshaft×Two Trail Sioux、美浦・堀厩舎)
母は北米G2勝ち馬。OBS2歳スプリングセールで30万ドルで落札されている。「まだこれからの馬と思うが、乗り込むにつれて良くなってきた。初戦から期待できる能力は感じる」と森助手。調教はウッドでしっかり追われ、6F82秒台、5F67秒台後半、1F12秒台半ばをマークし、古馬1600万ヘリファルテを追走しての先着。堀厩舎にしては珍しく長めから速い時計を出し、意欲を感じる。鞍上はルメール騎手。

フィードバック(牡、ブラックタイド×エンドレスビジネス、美浦・鈴木伸厩舎)
母は4勝。1月20日の中山ダート1800m戦を除外。調教は1月13日に坂路56秒4-12秒4(馬なり)。先週はルメール騎手でデビュー予定だったほどなので、期待は高いはずだ。

レッドグラティアス(牡、シンボリクリスエス×サンクスアロット、美浦・大竹厩舎)
半兄ブレスアロット(5勝)、母の妹レッドリヴェール(阪神JF)。調教はウッド5F69秒台前半、1F14秒前半を余力残しでマーク。540キロを超える大型馬なので、叩いて更に良くなりそうな雰囲気だ。鞍上は北村宏騎手。