今週の東京は中距離戦がなく、芝・ダートともにマイル戦。本来は中距離でデビューしたいのに、除外で仕方なくマイル戦デビューとなった馬も存在すると思われる。予想する際は距離に関するコメントや、血統をチェックして検討したい。

2月9日(土)
◆東京芝1600m

ウォルフズハウル(牡、ハーツクライ×アークティックシルク、美浦・栗田徹厩舎)
半姉ゴールデンナンバー(5勝、京都牝馬S2着)。2月3日東京1800m戦を除外になっている。「パンとしないところがあったが、乗り込むにつれて背腰がしっかりしてきた。攻め量は豊富で息はできている」と栗田徹師。1週前調教(以降も調教は主に1週前のもの)は、ポリトラックで5F68秒台後半、1F11秒台後半。古馬1000万のヒストリアに1馬身ほど遅れたが、いっぱいに追ったわけではないので問題ない。既に坂路で52秒台を2本出しており、仕上がりは順調に進んでいる。

デッドアヘッド(牡、ハーツクライ×ベイトゥベイ、美浦・藤沢和厩舎)
母は北米のG2、G3勝ち馬。2週連続の除外で、今週はようやく待望のデビューとなりそうだ。調教は坂路54秒5-12秒4(馬なり)。似たような調教を何本も出しており、仕上がりに不安は無し。好レースを期待できる。

レイバーリフォーム(牝、ルーラーシップ×ワーキングウーマン、美浦・小島茂厩舎)
母は4勝。半姉ワーキングプライド(4勝)。2週連続で除外。調教はウッドで一杯に4F56秒台後半、1F13秒台半ばで、ロードクエストに1馬身程度遅れている。併せている相手から、期待の高さが窺える。

エクセランフィーユ(牝、Frankel×エクセレンスⅡ、美浦・戸田厩舎)
母はフランスG3勝ち馬、フランスオークス3着。調教はウッド4F55秒台半ば、1F13秒台半ばを余力十分にマーク。馬体が420キロ台と小柄で、そのためか調教ではそれほど攻められていない。最終調教でどれだけ負荷をかけてくるか。

キートス(牝、ハーツクライ×レインボーダリア、美浦・菊沢厩舎)
母はエリザベス女王杯勝ち馬。調教は、北のCコース(ダート)で、5F68秒台前半、1F12秒台後半の時計を余力をもってマーク。馬体が小さく、これからの成長に期待したい。鞍上は母の主戦を務めた柴田善騎手。

トレミエール(牝、ハーツクライ×サマーナイトシティ、栗東・西園厩舎)
半兄サダムパテック(マイルCS勝ち馬)、半姉ジュールポレール(ヴィクトリマイル勝ち馬)。2週連続で除外。調教は坂路52秒8-12秒8(一杯)。併せた馬に遅れたが、時計は出ている。なお新馬戦ではなく、京都マイルの未勝利戦でデビューする可能性もある。

ジーガスリッド(牡3、栗東・友道厩舎)(牡、ヴィクトワールピサ×ハルーワソング、栗東・友道厩舎)
半兄マーティンボロ(重賞2勝)、フレールジャック(ラジオNIKKEI賞勝ち馬)。2月3日の東京芝1800m戦を除外。「予定する出走馬が多い時期で、2度の除外は見越して調整。血統馬らしく、雰囲気はいい」と友道師。調教は坂路55秒4-13秒1(一杯)。坂路では時計が出ないが、コース追いでは水準レベルの動きは見せている。鞍上は北村友騎手。

テイクザヘルム(牝、ノヴェリスト×ヴェラブランカ、栗東・安田翔厩舎)
母の兄フサイチホウオー(重賞3連勝)、母の姉トールポピー(G1を2勝)、母の妹アヴェンチュラ(秋華賞勝ち馬)。2月2日の東京ダート1400m戦を除外。調教はCW6F81秒台、5F65秒台後半、1F12秒台半ばの時計で、古馬500万を大きく追走して先着。初戦から好レースを期待できる。鞍上は戸崎騎手。

レッドサイオン(牡、ロードカナロア×レッドベルフィーユ、美浦・藤沢和厩舎)
母の姉にマンデシャ(全欧3歳牝馬チャンピオン)。調教は坂路55秒3-12秒9(馬なり)。気性も考え、抑えての調教内容。除外を考慮しており、その場合は翌週の東京芝1800m戦へスライドの予定。

ラヴアフェアー(牝、ディープインパクト×リーサルヒート、美浦・古賀慎厩舎)
半姉トータルヒート(5勝)。2月3日東京芝1800m戦を除外。調教はウッド5F68秒台半ば、1F13秒台前半。牧場でしっかり乗ってきていることもあり、仕上がりは良好だ。

◆京都ダート1400m

シルバースミス(牝、オルフェーヴル×リングジアラーム、栗東・橋口厩舎)
母の兄にハレルヤサンデー(7勝)。2週連続で除外。本当は1800mあたりを使いたいようだが、今週の関西ダートは1400m戦のみ。こちらも対応できるとみての出走だが、必ずしも本意ではないだろう。この時期の新馬戦の難しいところだ。調教は坂路53秒5-12秒8(馬なり)。2週前にも坂路53秒0-12秒7(馬なり)、1月3日にはCWで6F80秒台の速い時計も出しており、仕上がり面は問題ない。

2月10日(日)
◆京都芝2000m

ダイアナブライト(牝、ディープインパクト×チェリーコレクト、栗東・石坂正厩舎)
母はイタリアオークス(G2)勝ち馬、全姉ダノングレース(現3勝)。調教は、CW5F67秒台半ば、1F13秒台後半。終い一杯になる調教が目立つので、まだまだ詰めていきたい。鞍上は浜中騎手。

シーリアスラブ(牡、ディープインパクト×シリアスアティテュード、栗東・音無厩舎)
全兄スティッフェリオ(福島記念勝ち馬)。2月3日京都1600m戦を除外。調教は坂路52秒5-13秒2(馬なり)。2週前にはCWで6F81秒台を出し、スタンバイOK。初戦から勝ち負けを期待したい。

ラディアントパレス(牝、ハービンジャー×アドマイヤセプター、栗東・中内田厩舎)
母は5勝。母の弟にドゥラメンテ(ダービーなどG1を2勝)。2月3日京都芝1600m戦を除外。調教はポリトラックで5F70秒、1F12秒台半ばで、併せた新馬に2馬身程度の遅れ。ただ2週前の芝調教では、上り11秒台半ばの速い時計を出している。

◆京都芝1600m(未勝利戦)

ビュブリス(牝、ヴィクトワールピサ×ベアトリスⅡ、栗東・高野厩舎)
母はドイツG3勝ち馬。調教は、CW6F81秒台、5F67秒台前半、1F13秒台後半。最後は一杯になったがテンから飛ばしたためで、全体時計は速い。なお新馬戦は除外の確率が高いため、未勝利戦でデビュー。高野厩舎は、リャスナも未勝利戦デビューで勝っており、既走馬相手の2勝目なるか。鞍上は福永騎手。

◆東京ダート1600m

メイプルクリーク(牝、ゴールドアリュール×スカイアライアンス、美浦・尾関厩舎)
母は北米G3勝ち馬。2週連続で除外。調教は坂路で54秒9-12秒8(馬なり)。1週前にもウッドで一杯に5F68秒台半ば、1F12秒台後半と時計は出ている。

ランドスケープ(牝、ジャスタウェイ×ベストロケーション、美浦・武井厩舎)
母は5勝、京都牝馬S2着。祖母はダイナアクトレス(重賞4勝)。調教はウッドで一杯に4F55秒台半ば、1F13秒台後半。本数、時計ともに足りないが、これが初めての出馬投票なので除外の可能性は高く、デビューまでに時計を詰める時間はある。

レッドグラティアス(牡、シンボリクリスエス×サンクスアロット、美浦・大竹厩舎)
半兄ブレスアロット(現5勝)。2週連続で除外。調教はウッド4F54秒台後半、1F13秒台前半を楽にマーク。出走が延びて調教内容も良くなってきている。

◆小倉芝1200m

カレンモエ(牝、ロードカナロア×カレンチャン、栗東・安田隆厩舎)
母は1200mのG1を2勝。2月3日中京ダート1400m戦を除外。「ゲート試験は秋に合格。放牧に出して成長を促し、徐々に緩さは解消してきた。まだ幼さはあるが、両親同様に先々良くなってきそう」と安田隆師。調教はCWで一杯に追われ6F82秒台、5F66秒台前半、1F12秒。2週前にも好時計を出しており、初戦から好勝負を期待。

マイタイムオブデイ(牝、Australia×ラックビーアレディトゥナイト、栗東・松永幹厩舎)
母のきょうだいにメイビー(全欧2歳牝馬チャンピオン)がいる。調教は坂路54秒7-13秒4(一杯)。新馬に3馬身ほど先着したが、時計は平凡だった。鞍上は北村友騎手。