大注目の菊花賞デー!今年の伝説は東京2000m?
2019/10/14(月)
数々の活躍馬がデビューし、「伝説新馬」と呼ばれることもある菊花賞デーの新馬戦。ただ今年は、菊花賞前日の東京2000m戦が伝説新馬となるかもしれない。なお、10月13日から21日に順延となった東京の新馬戦は、出走予定馬がそのまま出てくるか不明なので、不掲載とさせていただきます。
10月19日
◆東京2000m
サトノフラッグ(牡、ディープインパクト×バラダセール、美浦・国枝厩舎)
母はアルゼンチン3歳牝馬チャンピオン。半姉ダンサール(現3勝)、セレクトセール1億7820万円(税込)。新潟デビューの予定もあったが、当時は併せ馬で遅れることも多く、万全を期すためにデビューは取りやめて放牧。これが良かったか、再入厩後は併せ馬で遅れることはほとんど無く、カレンブーケドールとも併入を果たしている。予定していたレースを更に1週延ばし、満を持してデビューを迎える。鞍上は戸崎騎手。
カイザーライン(牡、エピファネイア×アヴェンチュラ、栗東・藤原英厩舎)
母は秋華賞勝ち馬。母の姉トールポピー(G1を2勝)、フサイチホウオー(重賞3勝)。1週前調教(以降も調教は、主に1週前のもの)は、CWで5F67秒台前半、1F12秒台前半を軽くマーク。有力馬の多い藤原英厩舎の中でも、特に目立つ一頭だ。鞍上は福永騎手。なお、27日の京都ダート1800m戦にまわる可能性もある。
フィリオアレグロ(牡、ディープインパクト×ジョコンダⅡ、美浦・堀厩舎)
半兄サトノクラウン(国内外でG1を2勝)、半姉ポンデザール(現4勝)。北海道のノーザンFにいた頃は510キロあったそうだが、美浦では470キロ台に。胃潰瘍の治療薬を与えたというから、現状は弱いところがあるのだろう。「以前は自らハミを取ってくれなかったが、追い切りを重ねて走りがしっかりしてきた。素質は高く、初戦から」と森助手。調教は美浦ウッドで一杯に5F68秒台前半、1F12秒台半ば。状態に少々不安はあるものの、そこは堀厩舎の馬。レースへ行けば、いきなり能力発揮の場面もある。鞍上はデムーロ騎手。
レッドルレーヴ(牝、キングカメハメハ×ラストグルーヴ、美浦・藤沢和厩舎)
全兄ランフォザローゼス(重賞2着2回)。母の姉アドマイヤグルーヴ(G1を2勝)、母の兄ルーラーシップ(海外GⅠ勝ち馬)。「時間をかけてじっくり調教を積んできた。普段から無駄なことをせず、牝馬でも落ち着きがある」と津曲助手。藤沢厩舎なので派手な時計は見られないが、坂路55~56秒台の時計を何本も出しており、仕上げに抜かりはあるまい。鞍上はルメール騎手。
エルバルーチェ(牝、オルフェーヴル×クィーンスプマンテ、美浦・小島茂厩舎)
母はエリザベス女王杯勝ち馬。調教は美浦ウッドで5F68秒台半ば、1F13秒台前半を抑えてマーク。ここまで強い調教は少ないが、小島茂厩舎はこのパターンでもしっかり仕上がっているケースが多いので心配はあるまい。鞍上は田辺騎手。
◆東京ダート1600m
フラッフィクラウド(牡、クロフネ×アルアマーナ、美浦・萩原厩舎)
近親ゴールドアリュール(交流含むG1を4勝)、ペルシアンナイト(マイルCS勝ち馬)。調教は、美浦ウッドで5F67秒台半ば、1F12秒台後半と水準レベルの時計は出ている。鞍上は津村騎手。
◆京都芝1600m(牝馬限定)
アトリビュート(牝、ディープインパクト×ブラックエンブレム、栗東・高野厩舎)
母は秋華賞勝ち馬。半兄ブライトエンブレム(札幌2歳S勝ち馬)、アストラエンブレム(重賞2着2回)、半姉ウィクトーリア(ローズS勝ち馬)。調教は、栗東坂路で54秒2-12秒7(一杯)。新馬に1馬身遅れたが、追走したものである。気性に難しいところがあるので、川田騎手騎乗は心強い。
エメルヴェイエ(牝、ルーラーシップ×メルヴェイユドール、栗東・石坂正厩舎)
母は3勝、マーメイドS3着。栗東坂路55秒1-13秒4(強め)と時計は遅いが、まだ余力はあるので、更なる変わり身は見込める。
ランクリッツ(牝、ディープインパクト×レインボーダリア、栗東・浅見厩舎)
母はエリザベス女王杯勝ち馬。夏の札幌でデビュー予定も、ソエが出て放牧。まだ完全に不安が無くなったわけでは無いようだが、デビューが決まったように良化は進んでいる。
10月20日
◆東京芝1600m
スパングルドスター(牝、ディープインパクト×スタセリタ、美浦・藤沢和厩舎)
半姉ソウルスターリング(G1を2勝)、全姉シェーングランツ(アルテミスS勝ち馬)。14日の東京マイル戦を予定も、除外となったので、ここへ回る予定。藤沢厩舎なので目立った時計は無いが、本数は重ねており仕上がりに心配はない。
クロノメーター(牡、ゴールドシップ×タイムウィルテル、美浦・尾形厩舎)
半姉マジックタイム(ダービー卿CT勝ち馬)。美浦ウッドで5F68秒台後半、1F13秒台後半。併せ馬で遅れたが、一杯に追ったわけではないので、まだまだ時計は詰められる。
エンスロール(牡、ハーツクライ×セデュイールⅡ、栗東・須貝厩舎)
母は北米G2勝ち馬。坂路52秒4-13秒0(一杯)で、併せた新馬に先着している。鞍上はシュタルケ騎手。
◆京都芝1800m
レクセランス(牡、ディープインパクト×エクセランスⅡ、栗東・池添学厩舎)
母はフランスオークス、フランス1000ギニーともに3着。半姉エクセランフィーユ(現3戦2勝)。CWで一杯に5F67秒台前半、1F11秒台後半で、古馬1勝クラスのブルスクーロと併入、古馬2勝クラスのブラックモリオンに先着。この週のCWで終い12秒を切れれば優秀だ。鞍上は川田騎手。
ウォルフライエ(牡、ディープインパクト×ニンフⅡ、栗東・池江厩舎)
おじにヨハネスブルク(全欧&アメリカ2歳牡馬チャンピオン)。CWで一杯に追われ、5F68秒台半ば、1F12秒台後半。古馬1勝クラスのアルクス、新馬のテイルウォークに遅れている。以前より併せ馬で遅れる調教が多いことは不安だが、時計そのものは悪くない。鞍上はデムーロ騎手。
ストリクトコード(牝、ディープインパクト×レニーズゴットジップ、栗東・庄野厩舎)
母は北米でGⅠ2着が4回。CWで5F68秒台、1F12秒台後半を抑えてマーク。CWで速めの時計を出したのは初めてなので、この一本で変わってくるだろう。鞍上は浜中騎手。
◆京都芝1400m
フェルハール(牝、ダイワメジャー×メジロハリス、栗東・安田隆厩舎)
CWで一杯に5F67秒台前半、1F12秒台前半。併せた相手に1馬身程度先着している。鞍上はルメール騎手。
◆新潟1600m(牝馬限定)
リリレフア(牝、ロードカナロア×リリサイド、栗東・矢作厩舎)
半姉リスグラシュー(G1を2勝)。「リスグラシュー同様に気性的な難しさがないのがいい。父が替わって距離適性は短くなりそうだが、いいモノがある」と矢作師。調教は坂路で54秒7-12秒6。鞍上は姉のリスグラシューの初勝利時に騎乗していた中谷騎手。
ブランシュフルール(牝、ジャスタウェイ×エレイン、美浦・大竹厩舎)
母の兄サダムパテック(マイルCS勝ち馬)、母の妹ジュールポレール(ヴィクトリアマイル勝ち馬)。美浦ウッド5F69秒台、1F13秒台半ばで併せた相手に遅れたが、抑え気味の走りなので、それほど気にすることはあるまい。
セブンシースケイプ(牝、ワールドエース×シーザシー、美浦・勢司厩舎)
半兄ザダル(現4戦3勝、セントライト記念3着)。ダートの美浦北Cコースで、5F69秒台、1F13秒台前半。坂路では走りが安定していないということなので、現状は非力な面が残っているのかもしれない。
ジレーネ(牝、キングカメハメハ×ソベラニア、栗東・高野厩舎)
半兄シュヴァルツリーゼ(弥生賞2着)。坂路55秒4-12秒9(一杯)。小柄で非力なのか坂路では時計が出ないが、動きは悪くない。鞍上は吉田隼人騎手。
◆新規入厩
ヴィクトリーレーン(牡、ヴィクトワールピサ×カウアイレーン、栗東・清水久厩舎)
母はターコイズSなど5勝。半兄ステイフーリッシュ(京都新聞杯勝ち馬)
サトノシャローム(牡、ロードカナロア×シャムロッカー、栗東・池江厩舎)
母は豪州3歳牝馬チャンピオン。セレクトセール1億9440万円(税込)
プロフィール
山田 乗男 - Norio Yamada
厩舎育ちのPOG好きという変わり者。主なPOG実績として、過去にナリタブライアン、ビワハヤヒデ、ディープインパクト、オルフェーヴル、ブエナビスタ、ロジユニヴァース、ヴィクトワールピサ、アンライバルドら指名の実績を持つ。POG=超大物狙いということだが、その格高理論は仲間うちから一目を置かれている。有名競馬雑誌でPOGコーナーを担当中。