宝塚記念デーは新馬も見逃せない!有力ジョッキーにあわせて話題馬も続々デビュー!
2016/6/19(日)
有力騎手集う宝塚記念デーは新馬戦もアツい!
G1の日はリーディング上位騎手が揃うので、これに合わせて新馬戦も有力馬が多く出てくる。宝塚記念当日の阪神芝1800mの新馬戦も、なかなか粒のそろった一戦だ。まずは馬主が金子真人HDのアカカ(牝2、栗東・音無厩舎)。「牝馬にしては馬格があるし、稽古も動く。血統的に長めの条件が良さそう」と音無師。
しっかりM.デムーロ騎手を抑えているあたり、早くから評判になっていたことが分かる。1週前の坂路でも51秒9(以降、調教は全て1週前のもの)を馬なりでマークしており、仕上がりは上々だ。
名牝系フェアリードールの一族になるスティーマーレーン(牡2、栗東・浜田厩舎)も坂路で52秒5と水準の時計が出ている。時間をかけて調整し、だいぶ息遣いが良くなってきた。フットワークから芝で良さそう」と浜田師。父がダノンシャンティで、活躍の場は芝のマイルから中距離あたりか。
クリスタルバブルス(牡2、栗東・加用厩舎)はCWで68秒8-12秒2(一杯)。外目を回ったもので内容は濃い。半兄のクリスタルボーイはオープン勝ち、現3歳の兄クリスタルタイソンは3戦2勝と活躍しており、弟にも期待がかかる。
半兄にセレクトセールで1億以上の値がついたサトノダイレンサ、半姉にサウジアラビアロイヤルCで少差4着のリセエンヌを持つアンバーミニー(牝2、栗東・松永幹厩舎)。ルメール騎手を抑えて期待は高いのだろうが、坂路では一杯に追われ56秒3-12秒7で、併せた馬に遅れてしまった。調教は走らないタイプなのか。オツウの全弟になるレッドクライム(牡2、栗東・須貝尚厩舎)も、調教時計は平凡。これもレースでどこまで変わるか。
他では、調教で水準の時計が出ているサーカムスタンス(牡2、栗東・池添学厩舎)、ドリームソルジャー(牡2、栗東・渡辺厩舎)、新馬勝ちのダノンバウンドの一つ下になるスピリットソウル(牡2、栗東・大久龍厩舎)、牝馬3冠スティルインラブの一族になるプエルタデルソル(牡2、栗東・池江寿厩舎)なども候補に挙がりそうだ。
昨年の宝塚記念デーは良血ポルトフォイユが初陣を飾っていた
舞台を東京に変え、こちらはマイル戦が好メンバー。ハウメア(牝2、美浦・藤沢和厩舎)は、半兄にセレクトセールで1億5000万円近い値がついたデュエルプラネットがいる。藤沢厩舎らしく目立った時計は出ていないものの、同厩期待の3歳馬ラヴィエベールと併せ馬を行い、順調に調整は進んでいる。藤沢師も大きな期待をかけているようなので、将来が楽しみである。
調教が目立つのはアンノートル(牡2、美浦・池上弘厩舎)。ウッド5F65秒前半と、この時期の新馬としてはかなり速い時計をマークしている。半兄にはマイネルリヒト、サウンドアプローズと2頭の準オープンがおり、こちらはオープンまで進めたい。POGでも人気になったテソーロ(牡2、栗東・矢作厩舎)は、阪神芝1800mから、こちらへまわってきた。ただCWでの時計は平凡で、レースまでどこまで詰めてくるか。
宝塚記念の裏で騎手が集まらないのか、東京の芝1800m戦は、1週前段階では少々手薄。こうなるとウインブライト(牡2、美浦・畠山吉厩舎)が優勢。時計の出にくい美浦坂路で53秒台を連発し、しっかり12秒前半の時計で上がれているのだから脚力は十分。全姉のウインファビラスは阪神JF、新潟2歳Sで2着しており、2歳戦から行けるタイプだ。
函館へ飛んで、牝馬限定の1200戦は、ジュウニンノナカマ(牝2、栗東・矢作厩舎)に注目。母の初仔になるので少し小柄。ゆかりの血統でもあるから期待はしている」と矢作師。母は函館スプリントSの勝ち馬で、コース適性はある。勝って函館2歳Sへ向かいたい。
- アカカ
- 牝、栗東・音無、父クロフネ×母クイーンカアフマヌ
- スティーマーレーン
- 牡、栗東・浜田、父ダノンシャンティ×母ウエストコースト
- ハウメア
- 牝、美浦・藤沢和、父キングカメハメハ×母ダイヤモンドディーバ
今年はさらに注目の藤沢和厩舎から超良血馬が入厩!
それでは新規入厩を見ていきたい。藤沢和厩舎に多くの2歳馬が入ってきたが、血統的に目立つのは2頭。
ソウルスターリング(牝2、美浦・藤沢和厩舎)は、父が世界的注目の種牡馬フランケル、母がフランス、アメリカでGⅠを勝ちまくった名牝スタセリタという超良血。アルトリウス(牡2、美浦・藤沢和厩舎)も、母が桜花賞馬レジネッタという良血だ。今年の藤沢和厩舎は例年以上に質がいいという話だが、この2頭の入厩もあり、ますます注目度は増している。
堀厩舎は、コリエドール(牡2、美浦・堀厩舎)。母がローズS勝ちのレクレドール、半兄が京成杯勝ちのベルーフで、中距離が活躍の場か。オメガドラクロワ(牡2、美浦・堀厩舎)は、セレクトセール約9000万円の値がついた馬。半兄トーセンマイティ、半姉アイアムルビーはともに準オープンまで出世。この兄弟で初めての堀厩舎入厩で、弟はオープン間違いなし?
岡田牧雄氏が強く推奨していたディバインコード(牡2、美浦・栗田博厩舎)は、母がアネモネS勝ちのツーデイズノーチス、半姉が東京の芝1400mで1分20秒1の好時計を出したワンスインナムーン。マイル以下を中心に、堅実にポイントを稼いでくれるだろう。
函館入厩組からは、インヴィクタ(牡2、栗東・友道厩舎)。個人的には、今年のハービンジャー産駒の中では最も評判が良かったと感じており、厩舎の傾向からも長く活躍が見込める。
血統背景はもはや世界レベルといえるソウルスターリング
- ソウルスターリング
- 牝2、美浦・藤沢和、父Frankel×母スタセリタ
- アルトリウス
- 牡2、美浦・藤沢和、父キングカメハメハ×母レジネッタ
プロフィール
山田 乗男 - Norio Yamada
厩舎育ちのPOG好きという変わり者。主なPOG実績として、過去にナリタブライアン、ビワハヤヒデ、ディープインパクト、オルフェーヴル、ブエナビスタ、ロジユニヴァース、ヴィクトワールピサ、アンライバルドら指名の実績を持つ。POG=超大物狙いということだが、その格高理論は仲間うちから一目を置かれている。有名競馬雑誌でPOGコーナーを担当中。