中京新馬には重賞勝ち馬の産駒が続々登場!

夏開催になっても、毎週のように良血馬がデビューする関西勢は、やはり層が厚い。中京2週目のマイル戦もなかなかの好カードだ。まずは、母に交流重賞7勝のラヴェリータを持つワンフォーオール(牡2、栗東・松元茂厩舎)「上はダートで勝っているが、父が変わって芝向きの瞬発力がある」と松元茂師。鞍上は福永騎手を予定している。調教(特別な表記以外は全て1週前のもの)は、坂路54秒4-12秒5(強め)で、併せた馬に先着。上がり12秒5で締めていれば、まずは合格点だ。

ダンビュライト

▲マリアライト、リアファルなど一族に活躍馬多数のダンビュライト


こちらは秋華賞勝ち馬レッドディザイアを母に持つビッグディザイア(牡2、栗東・松永幹厩舎)「時間をかけて調整し、入厩当初の緩さも解消してきた。ゆかりの血統なので当然、期待はしている」と松永幹師。鞍上はルメール騎手を予定。じっくり乗りこまれてはいるものの、調教は坂路55秒0-12秒9(一杯)と目立たず。レースでの変身を期待したい。
ダンビュライト(牡2、栗東・音無厩舎)は、半兄にラブラドライド、母の弟にG1馬アロンダイト、いとこにクリソライトマリアライトリアファルきょうだいと、一族は多くの馬が活躍している。坂路では一杯に追われ51秒6をマーク。まずは他の出走馬をリードか。調教ならラモントルドール(牝2、栗東・清水久厩舎)も負けていない。CWで67秒0-12秒0(一杯)、その前週には67秒3-12秒1(馬なり)と、2週連続で速い上がりをマークしている。半姉はダービー卿CTで牡馬を破ったマジックタイム。姉のような末脚があれば、先も楽しみになる。

ラモントルドール

▲ラモントルドールの半姉は今年重賞制覇のマジックタイム


翌日の芝1400m戦は、調教、血統からジューヌエコール(牝2、栗東・安田隆厩舎)。4Fから内目をまわったこともあるが、CWで51秒1-11秒9(一杯)と、上がり12秒0を切って来た。ロジユニヴァースランフォルセノーザンリバーなど活躍馬が多数いるソニンクの一族で、母のルミナスポイントもオープン馬、全兄ルミナスウイング、半姉ルミナスパレードともに準オープンで活躍している。この馬も芝ダート問わず、1400m前後で活躍が見込まれる。

福島では、日曜日に芝1800m戦。注目はヤングマンパワーの半弟キュイキュイ(牝2、美浦・手塚厩舎)だ。2週前のウッドでは馬なりで5F68秒前半の時計をマークと仕上がりも進んでおり、いい状態でレースを迎えられそうだ。マツリダダイキチ(牡2、美浦・国枝厩舎)は兄にズンダモチレッドラウダがおり、千葉のサラブレッドセールでは5400万円で落札された。昨年は千葉セリの馬が不振だったが、今年はどうなるか。この馬が結果を出せば、他の同セリ出身馬にも注目が集まってくるだろう。

同日の芝1200m戦はタリズマ(牡2、美浦・奥村武厩舎)が、坂路で54秒4-12秒2(一杯)の好時計を出し一歩リード。産駒が短距離で活躍しているアドマイヤマックスを父に持ち、1200mデビューもOKだ。

マツリダダイキチ

▲千葉セリにて5400万で落札されたマツリダダイキチ


今年のクラシックを賑わせたエアスピネルの弟も入厩!

函館では、10日の日曜日に開催初の1800m戦が行われ、メンバーも揃いそうだ。まずはイエローダイヤ(牡2、美浦・二ノ宮厩舎)「美浦と函館で十分な乗り込みを消化したので太めなく仕上がっている。バテないので距離もあって良さそうなタイプ」と高橋助手。鞍上は三浦騎手を予定している。速い馬場にまだまだ疑問が残るアイルハヴアナザー産駒だが、洋芝なら大丈夫か。

ここに出走予定のサトノアリシア(牝2、栗東・平田厩舎)とタガノアシュラ(牡2、栗東・五十嵐厩舎)は1週前に両馬により2頭併せ。形は併入だが、サトノアリシアが追走する形で、時計はウッドで67秒6-12秒7(一杯)と、なかなか速い時計を出してきた。当週の調教でよほど調子落ちの傾向がみられなければ、レース当日は上位人気になりそうだ。時計的には約1秒見劣る形になったタガノアシュラだが、2週前に比べるとよくなっている。陣営も前から「走る」と力が入っていた馬で、浜中騎手を鞍上に迎えたところにも自信が見える。

サテンドール(牝2、栗東・浅見厩舎)は、叔父にサトノノブレスヒカルオオゾラきょうだいがおり、セレクトセールでは3672万円(税込)で落札された。6月26日には、ウッドで1Fを12秒前半で上がって、併せた相手に大差先着とレースへ向けて楽しみは増している。他にも、アネモネS勝ち馬ペイシャフェリシタを姉に持つペイシャフローレス(牝2、美浦・高市厩舎)もおり、先々に繋がるレースとなろう。

コケレールの2014

▲全兄より早いデビューが見込めそうなコケレールの2014


続いては入厩情報。先週は、POGでも上位人気になった馬が複数入って来た。まずは、池江寿厩舎の2頭から。サトノシャーク(牡2、栗東・池江寿厩舎)は、母がアルゼンチンでG1を5勝したオジャグワ。半兄リベルタンゴは現在2勝で期待ほどの結果を挙げられなかったが、今度は父がディープインパクトに変わり、期待大だ。馬名は未定だが、コケレールの2014(牝2、栗東・池江寿厩舎)も思っていた以上に早く入厩。全兄のラヴィエベールは2月にデビューして現在3戦2勝。こちらは兄より遥かに早くデビューできそうなので、兄以上の期待をかけていい。

ディープ産駒では、こちらも派手な良血。全姉にタッチングスピーチがいるムーヴザワールド(牡2、栗東・石坂厩舎)。少々晩成の匂いもする一族なので、始動が早いのは嬉しい。最後はキングカメハメハ産駒からエアウインザー(牡2、栗東・角居厩舎)。全兄がクラシック戦線で活躍したエアスピネルになる。これまで上4頭は全て笹田厩舎だったが、はじめて角居厩舎に入厩。ここは匂うところだ。