木村哲師も期待大!あの良血馬が遂に初陣へ

世はオリンピック一色だが、POGファンはオリンピックより新馬戦。POG人気馬がデビュー予定の今週も目が離せない。

目玉となるのは、日曜日の新潟マイル戦を予定しているフローレスマジック(牝2、美浦・木村厩舎)。全姉にGⅠ馬ラキシス、全兄に京王杯SCを勝ったサトノアラジンがおり、今年の2歳牝馬の中では1、2の人気だった。「能力の高い馬で、稽古をこなしても苦しがることがない。これだけの血統なので期待は大きい」と木村師。鞍上にはルメール騎手を予定している。

調教は木村厩舎のパターン通り派手な時計は出ていないが、似たような調教内容のランガディアが先週の新馬を快勝しており、心配はあるまい。と言っても、クラシックが目標の馬なので、初戦でガチガチの仕上がりも無いだろう。まずは結果より、内容を重視してレースを見させていただく。

フローレスマジック

▲今年のPOGランキング牝馬部門で人気を集めているフローレスマジック


先週のレースを除外になったジャーミネイト(牡2、栗東・中内田)も、ここへ参戦。CWで67秒台、上がり12秒前半を出しており、新馬戦としては合格点を与えられる(以降、各馬の調教は主に1週前のもの)。母のクラックシードはGⅠまで歩を進めており、仔もクラシック出走を目指したい。

このレースは他にも、母の姉にブラックエンブレム(秋華賞)がいるアドバンスクライ(牡2、美浦・武藤厩舎)、近親がエイシンツルギザン(NHKマイルC2着)のリゾネーター(牡2、美浦・牧厩舎)、半兄にオープン馬シャインモーメントがいるチェリートリトン(牡2、美浦・小西厩舎)も予定している。

前日の芝1800m戦には、フローレスマジックの同僚レッドエレノア(牝2、美浦・木村厩舎)がスタンバイ。「丈夫でどっしりとしている。奥手な傾向にあるハーツクライ産駒なので、じっくりと育てていきたい」と木村師。こちらも鞍上はルメール騎手を予定している。全兄にカポーティスター(日経新春杯)がおり、長い目で見ていきたい。

日曜日のダート1800m戦は、先週の芝のレースを除外されたトレンドライン(牡2、美浦・金成厩舎)がまわってきた。芝からダートへの変更が、この馬にどのような道をつくるのか。ここには、近親にロールオブザダイス(平安S)がいるウォーターメロン(牡2、美浦・新開厩舎)も出走。ウッドで2週連続68秒台を出し、水準の時計はマークしている。

札幌でも良血馬たちが続々始動!

札幌でも良血馬が動き出している。日曜日の芝1800m戦には、ダイナカール一族のサトノリュウガ(牡2、栗東・平田厩舎)が出走。「背中の感触がいい馬で、キャンターにいくと弾むような動きをする。素質がありそう」と小林助手。鞍上には池添騎手を予定。ドゥラメンテエアグルーヴアドマイヤグルーヴルーラーシップなど活躍馬が多数出ている、いわゆる華麗なる一族。先々まで注目だ。

ここにはベルーフ(京成杯)の半弟になるコリエドール(牡2、美浦・堀厩舎)も予定。美浦ウッドを12秒前半で上がっており、能力の一端が見える。堀厩舎というだけで期待は高まる。前日の1500m戦では、先の安田記念を勝ったロゴタイプの半妹になるステレオグラム(牝2、美浦・田中剛厩舎)がデビュー。当初は動きも目立たなかったが、ここへきてウッドで66秒の時計を出し上昇気配を示している。

ラユロット(牝2、美浦・藤沢和厩舎)は、母がフィリーズレビューで2着したユメノオーラジャングルクルーズ(ジャパンC4着)と併せて互角の動きを見せており、初戦から行けそうな雰囲気だ。

コリエドール

▲半兄はあのロゴタイプ!気配も上昇で楽しみな一頭だ


小倉からは短距離路線の注目馬がデビュー

小倉はどうしても短距離系の馬が目立ち、POG的にはマークが薄くなるが、血統、厩舎の傾向から、土曜日のダート1000m戦予定のウィッシュノート(牡2、栗東・安田厩舎)は有力。最近の安田厩舎のパターンであるCW4F追いで、上がり12秒1を出している。母はダート短距離で4勝したデイトユアドリーム、近親に短距離ダートのオープン特別を2勝したマハーバリプラムがおり、この馬も同じ路線を歩むことになろう。

日曜日芝1200m戦の注目はルパルク(セン2、栗東・西園厩舎)。気性に問題があって6月頭に去勢手術を行ったが、その後は順調でデビューを迎える。半兄には短距離の重賞を3勝し、スプリンターズSでも2着のパドトロワ。初戦から快足ぶりを見せてもらいたい。

新規入厩で目立つのはアドミラブル(牡2、栗東・音無厩舎)。母系からはフサイチコンコルドアンライバルドヴィクトリーらのG1馬をはじめ活躍馬が多数出ており、POGではお馴染みの一族だ。全兄のタブレットは脚部に不安を抱え出世できなかったが、新馬戦を楽勝して注目を集めた馬。全姉のイザベルも10戦4勝で、重賞も狙える素質馬だった。そんな背景もあり、アドミラブルもPOGでは上位で消えていた(ちなみに私も某POGで指名)。上2頭は体質が弱かったことは気になるが、無事に行けばクラシックを狙える素質はあると見る。

再入厩では、ヴァナヘイム(牡2、栗東・角居厩舎)に目が行く。すでにゲート試験を終えているので、デビューに向けての調整となる。恐らく9月の阪神開催になると思うが、このペースなら、小倉や新潟の後半デビューもありそう。いずれにしても順調に進んでいるのは何よりだ。

ヴァナヘイム

▲デビューが待ち遠しい、こちらもPOG指名数上位馬ヴァナヘイム