除外に悩まされながらも、良血馬が多数スタンバイ!
2017/2/5(日)
サトノクラウンとも併せた堀厩舎の期待馬がデビュー
除外が多く、出走予定馬が出られないこともあれば、5頭枠のせいで先週のスイーズドリームスのように除外権利狙いの馬が入ってしまったりと陣営も頭を悩ませる時期が続く。こちらも、挙げた馬が除外馬のとばっちりを受け出てこないケース(馬主、関連厩舎の使い分けなど)も増えている。2月12日の東京芝1800m戦も、先週の千八戦で20頭の除外があったので、どこまで出られるか……。
まずはマンハイム(牝3、美浦・国枝厩舎)。半兄にワールドエース(皐月賞2着)がいる。「体質的にしっかりしてないところがあり、牧場先からそのあたりをケアしながら進めてきた。素質はあると思うし、パンとしてくれば」と国枝師。1週前(※以降も調教は主に1週前のもの)の坂路では53秒4-12秒8を余裕をもってマークし、併せた未勝利馬に先着している。師の話通り、現状は完成度が低く思い切り仕上げてきた感はないが、血統的な背景から先々は走ってきそうだ。
エリティエール(牝3、美浦・大竹厩舎)は、半姉がルージュバック(重賞3勝)。「まだ精神的にも幼い面があり、経験が必要になってくると思う。動きは悪くないので、そのあたりがコントロールできるようになれば」と大竹師。1、2週前はウッドで長めから追われ、5F70秒台を馬ナリでマーク。こちらも完全に仕上げてきた感はないが、徐々に良くなってきている。
2月東京で有力馬を降ろしてくる堀厩舎からは、ソレイユドパリ(牡3、美浦・堀厩舎)。半兄にエアフォースブルー(デューハーストSなど、英、愛でGⅠ3勝)がいる。ウッドで70秒台の時計だが、2週前にサトノクラウンと併せ馬をやったあたりに高い期待が窺える。この厩舎は秋の東京でも、目立たない時計の馬が何頭も新馬戦を勝っており、時計に拘る必要はあるまい。
ニシノリサイタル(牡3、美浦・武藤厩舎)は、スプリンターのネロ(京阪杯)の半弟だが、父の影響かデビューは1800m戦を選択。調教は地味も、レースで変身を期待。
サーロンドン(牡3、美浦・田村厩舎)は、半兄がハギノハイブリッド(京都新聞杯)。1月20日にはウッドで66秒台を出しており態勢は整っている。
コーブルク(牡3、美浦・勢司厩舎)は、坂路で54秒3-12秒7が出ていれば合格点。一族は欧州の長距離で活躍馬が多く、デビュー後は更に距離を延ばして良さが出てくるのではないか。
前日の東京ダート1600m戦は、ウノピアットブリオ(セ3、美浦・藤沢厩舎)。藤沢厩舎らしく目立った時計はないが、先月末には坂路55秒2-12秒8の時計を出しており、先週人気で敗れたレッドヴィクターよりは進んでいるイメージ。近親には同厩の活躍馬カジノドライヴ(フェブラリーS2着)がおり、力も入るはずだ。
二冠牝馬の仔が順調に時計を出して、いよいよ出走!
京都も、2月12日に芝1800m戦。血統的に注目を集めているのがハルノヒダマリ(牝3、栗東・西浦厩舎)。母はオークス、秋華賞を勝った名牝カワカミプリンセスだ。「この血統は真面目すぎる産駒が多いが、この仔は気性的にも距離は保ちそう。見た目も母の面影がある」と西浦師。調教では古馬オープンのブラックムーンと併せたため、さすがに離されたが時計は出ているので、それほど心配しなくてもいいだろう。
石坂厩舎は2頭がスタンバイ。シェアザモーメント(牡3、栗東・石坂厩舎)は、半姉にレッドクラウディア(交流GⅢクイーン賞)。坂路で53秒9-13秒0の時計が出ているが、「初戦からのタイプではない」(陣営)とのこと。もう一頭のレッドジュラーレ(牝3、栗東・石坂厩舎)は、母が七夕賞、小倉記念、府中牝馬Sと重賞3連勝したイタリアンレッド。坂路54秒6と地味だが、まだ太目が残っているのも影響しているのか。叩いてからのタイプかもしれない。
同じ東京HRからはレッドラーザム(牡3、栗東・音無厩舎)。母のアグネスラズベリは、函館SSを勝つなど8勝をマークしている。1月28日の新馬戦を除外され、2週延ばしてのデビュー。併せ馬で遅れたが、坂路52秒5と時計は出ている。
終いが目立ったのはオースミメテオール(牡3、栗東・松永厩舎)。CWで5F71秒台と全体は遅いが、終い重点で12秒を切る時計をマークした。半兄はオースミベスト(4勝)、マルカベスト(4勝)と活躍馬が出ている。
前日の京都ダート1400m戦は、1月28日の京都マイル戦を除外されたヘルデンレーベン(牡3、栗東・須貝厩舎)がまわってきた。半兄はブラヴィッシモ(5勝、阪急杯3着)で、1400mにも対応できるだろう。
新規入厩組では、カルトデュモンド(牡3、栗東・須貝厩舎)がトレセン入り。昨年の夏頃に入るという噂もあったのだが、アクシデントが多くここまで延びてしまった。半兄にはアメリカでGⅠを3勝したゲームオンデュートがおり、期待は高い。
イルーシヴハピネスは、父がフランケル、半姉がフランス1000ギニーを勝ったイルーシヴウェーヴという注目の一頭。ソウルスターリング、ミスエルテに続けるか。
再入厩では、クロスアミュレット(牝3、栗東・梅田厩舎)。全兄は豪州でGⅠウイナーに輝いたアドマヤイヤラクティで、長く活躍を見込める。
プロフィール
山田 乗男 - Norio Yamada
厩舎育ちのPOG好きという変わり者。主なPOG実績として、過去にナリタブライアン、ビワハヤヒデ、ディープインパクト、オルフェーヴル、ブエナビスタ、ロジユニヴァース、ヴィクトワールピサ、アンライバルドら指名の実績を持つ。POG=超大物狙いということだが、その格高理論は仲間うちから一目を置かれている。有名競馬雑誌でPOGコーナーを担当中。