
初めての個人所有馬ジャスタウェイがレーティング世界No.1の評価を獲得し、種牡馬に。
人並み外れた馬運の持ち主が脚本家という本業のキャリアを活かし、馬主ライフを書き下ろします。
『カリボールの出走が』
2025/3/31(月)
皆さん、こんにちは。ライター大和屋です。先日カリボールが出走した千葉S、ダートの1200mで結果は惨敗。本当はその前の週に行われた米子城ステークスに出走したかったのですが除外されてしまいました。今回はちょっとその出走できるかの右往左往について書かせてもらおうかと思います。
OP特別の出走は、3着以内に入った馬と、準OPを勝ち上がった馬に優先出走権があります。そして、あとの馬達は収得賞金関係なしに出走間隔が長いほうから出走が決定していきます。今回はこの条件だけでいうと6分の4の確率で出走できるはずでした。
僕もそう思っていたのですが実はそうじゃなかったのです。今回出走したかった米子城ステークスはハンデ戦。本来除外対象であるはずの馬がハンデによって優先的に出走できるようになるとのこと。その結果カリボールは6分の4ではなく6分の2の確率での出走となるのでした。
こりゃあもう出られないやと半分諦めの境地となっていたところ。カリボール、入りましたと連絡が、しかも鞍上が笠松競馬の名手、渡辺竜也ジョッキーに決まったとのこと!
そりゃあ楽しみ、うまく先行できれば一発あるかもよと思ったその矢先、あ、カリボールですが抽選になっていたようで結果、除外でしたとの連絡がやってきたのです。
いやあ、あの週は振り回されまくりました。ハンデ戦のOP特別にはそんな仕組みがあったなんて結構長いこと競馬をしていましたがこの瞬間まで知りませんでした。そんなこんなで次の週のダート戦へと矛先を向けたのでありました。
原ジョッキーによると。今回はスタート直後に他馬とぶつかってしまったのが敗因です。ダートがダメな訳では決してありません。年を取ってやる気を失ったわけでもないですし、まだまだやれるかと思われますとのことでした。一生懸命走っているとのことですのでまだ引退はさせません。
ただ、去年の勝利から一年がすぎようとしているので、一年以内に加算された賞金による出走のアドバンテージがなくなります。出られるレースがより不透明になっていくので、これからは芝、ダートを問わずに出られるレースを選択していく必要があるとのことです。
これからは走れるレースを探すことがより難しくなりますが、なりふり構わず走っていればいつか何かが起こるはずです。なんとか頑張ってほしいですね。
引退後の方針はなんとなく決まっているので怪我だけはしないでくださいね。とまあジャスタウェイの時も天皇賞を勝つまではずっと出られる・出られないで振り回されてはきましたが、出走の可否は馬主にとって切っても切り離せないものなのかもしれません。カリボール、次走は春雷ステークスの予定です。出られるといいなぁ。
おめでたくない話をひとつ。エポエポサンが故障してしまいました。蹄の炎症だそうで、なかなか扱いが難しいところだそうです。うまくいけば夏に戻れるかもしれないとのことですが、場所が場所だけに楽観はしないほうがよいとのこと。まずはゆっくり休んでいただきましょう。
オシゲ、エルデストサン、キングロコマイカイ、コウリュウ、シックスパックと、全体的に故障が多い愛馬達ですが、無事に走ってくれている馬のほうが少なくなっている現状、今年の目標を健康第一にしていただけになかなか頭が痛いところです。愛馬の中で一番勝利が近いと思われていたエポサンの戦線離脱、今年の初勝利はいつになることやら……。
それからまあまあ良い話を。辻助さんと半持ちのエオスモンの23ですが、今月中に移動する予定となりました。そのためにはやいところ名前をつけてくれとのことで、今絶賛名前を考え中なのですが、なかなか難しいですね。
自分だけならこれが良いと自分が思えば遠慮なくつけられますが、半持ちとなるとそうではありません。助さんはなんでもよいと言ってくれていますが、なんでもよいことはきっとないはずです。何か良い名前を考えなければ……。
おめでたいお話をひとつ。辻牧場にて我が愛馬であるプリティジェニーが無事初仔を出産しています。父親はピクシーナイトの女の子です。とてもよい仔が生まれたそうで、◎だとのことです。派手な流星をしたとってもプリティーな仔でございます。



辻牧場さんではもう何頭も出産を経験させてもらっていますが◎と言われたのは初めてかもしれません。良い仔がでたとのことで今後も楽しみになってきました。是非とも順調に育ってもらって大きな舞台で活躍していただきたいと願っております。とはいえ父ピクシーナイトですので短い所が舞台となってくるのでしょうかね?
そんなこんなで出産の季節でございます。このあとイイナヅケもマダムジェニファーも出産を控えております。まずは無事に生まれてきていただきたいですね。
そしたらすぐに次のお相手は、みたいな話になるところが馬の世界の話ではありますが、今は新しい生命の誕生を待ちわびていたいと思います。出産の報告はいつでも手放しで嬉しいですからね。
了
プロフィール
大和屋 暁 - Akatsuki Yamatoya
脚本家・作詞家・ライター。若くして一口馬主に出資を始め、クラブ馬主歴2年目にハーツクライと運命的な出会いを果たすと、有馬記念、ドバイシーマクラシックを制す大活躍。しかし、ノド鳴りによるアクシデントに見まわれ、突如として引退したことに一念発起、馬主になる決心を固めた。個人馬主としては、初めてデビューを果たした所有馬ジャスタウェイが大活躍の強運ぶりを発揮。遂には、目標であったドバイ遠征を実現させ、ドバイデューティーフリー(現在のドバイターフ)を圧勝。「自らの馬でドバイを勝つという」夢を実現させたばかりでなく、そのパフォーマンスが評価され、2014年度のワールドベストレースホースランキングでは、日本馬史上初の1位を獲得している。
現在の現役所有馬はカリボール、マジカルステージ、ジャスコ、キングロコマイカイ。一口馬主や共有馬ではアウィルアウェイ、ルーツドール、イストワールファムなどに出資している。
本業ではアニメ版「銀魂」、「スーパー戦隊シリーズ」などの脚本を手がけ、2020年公開の映画「デジモンアドベンチャー」も担当。愛馬との数年間に及ぶ足跡を綿密に綴った『ジャスタウェイな本』などの執筆も手がけた。