初めての個人所有馬ジャスタウェイがレーティング世界No.1の評価を獲得し、種牡馬に。
人並み外れた馬運の持ち主が脚本家という本業のキャリアを活かし、馬主ライフを書き下ろします。
『久しぶりの』
2019/3/14(木)
皆さんこんにちは。ライター大和屋です。まず最初に、久しぶりに我が愛馬カリボール(牡3、栗東・須貝尚厩舎)が勝利してくれました。本当に良かったと思います。新馬戦2着からの2戦目、阪神芝1800mの未勝利戦。前走よりも200mの距離短縮、鞍上はJRAでデビュー2週目のフジカンこと藤井勘一郎騎手で、3番人気でレースに挑みます。
ゲートが開くと最高のスタートを決めると好位の内に待機。特に無理することなく流れに乗ると、直線良い手ごたえで先行2頭の間を縫って先頭に立ちました。猛追してくる二着馬をなんとかしのぎ一着でゴール。今回も上手な競馬をしてくれたかと思います。前回もそうでしたが直線に向いて先頭に立つとソラを使うというかふわっとするので(前走では内側にささっていたような)見ている方は心臓が止まりそうになるのですが、これは距離なのか、気性なのかどっちなのでしょう?とにもかくにも勝ってくれたので良いのですが、次走はここらへんも課題となりそうです。関係者や知人の皆さんに話を聞くと距離は短縮したほうがよさそうというコメントを沢山もらいます。
中には連闘でファルコンステークスを使って欲しいくらいだという人もいたくらいですので、次走はさらに距離を短縮し、マイルのレースになりそうです。一時はアーリントンカップか?などという話もありましたが、まだまだ緩い部分があるということですので、自己条件に回ることになりそう。騎手は引き続きフジカンさんにお願いすることになりそうです。すべては馬の状態次第ではありますが、このまま続戦する方針です。
というわけで2000mの新馬戦という話を聞いた時には、勝ち上がったその先には、青葉賞や京都新聞杯なんかに挑戦できるのでは、という妄想がありましたが、距離はどんどんと短縮され、はるか遠くに微かに見えるかもしれない目標はNHKマイルカップ(G1)となりました。
次勝っても抽選、負ければ春のG1路線の夢は無くなります。ですが、馬を見る限り完成するのはまだまだ先のことなので、ゆっくり無理せずに行くのが一番だと思います。アーリントンC親子制覇なんていうのもよぎりましたが、何より一つ勝ってくれたことがありがたいことだと思います。
続いては同じ日に行われたフィリーズレビュー(G2)についてです。アウィルアウェイ(牝3、栗東・高野厩舎)は抜群のスタートを切ると、熾烈な先行争いに巻き込まれ、自慢の末脚を繰り出すことなく力尽きました。ジョッキーのコメントを見るとスタートが良すぎたのが裏目に出たとのこと。さらには今日のような馬場ではあまり後ろから行くのは得策ではないと思っていたみたいです。
次走は予定通り桜花賞へと駒を進めます。石橋脩騎手も優秀な騎手ですので、今回みたいなことにはならないでしょうし、今回の敗戦でマークも緩くなり気楽にレースが出来る事でしょう。アウィルアウェイの能力を存分に発揮できるような思い切ったレースをしてくれることでしょう。距離延長や折り合いなどいろいろな課題はあるかもしれませんが、本番での石橋騎手の会心の騎乗に期待しております。
そして、もうひとつ、ノーザンファームよりイイナヅケの仔が無事産まれたとの報告を受けました。元気な牝馬だそうです。これで自家生産の馬は2頭続けての女の子となりました。
お父さんは言うまでもなくジャスタウエイでございます。次に生まれてくる予定のオツウの仔(父キングカメハメハ)は牡馬か牝馬か、はたしてどっちになるのでしょうか?
というわけですっかり季節は春です。クラシックや500万条件や出産など、イベント目白押しな感じです。久しぶりの愛馬の勝利をきっかけにいい流れで何事も転がっていってくれることを願いつつ。
おまけ
写真は大井川鐵道のチロルチョコです。先日焼肉をごちそうになった馬主の保坂さんにいただきました。食べるのがもったいないので飾ってあります。
了
プロフィール
大和屋 暁 - Akatsuki Yamatoya
脚本家・作詞家・ライター。若くして一口馬主に出資を始め、クラブ馬主歴2年目にハーツクライと運命的な出会いを果たすと、有馬記念、ドバイシーマクラシックを制す大活躍。しかし、ノド鳴りによるアクシデントに見まわれ、突如として引退したことに一念発起、馬主になる決心を固めた。個人馬主としては、初めてデビューを果たした所有馬ジャスタウェイが大活躍の強運ぶりを発揮。遂には、目標であったドバイ遠征を実現させ、ドバイデューティーフリー(現在のドバイターフ)を圧勝。「自らの馬でドバイを勝つという」夢を実現させたばかりでなく、そのパフォーマンスが評価され、2014年度のワールドベストレースホースランキングでは、日本馬史上初の1位を獲得している。
現在の現役所有馬はカリボール、マジカルステージ、ジャスコ、キングロコマイカイ。一口馬主や共有馬ではアウィルアウェイ、ルーツドール、イストワールファムなどに出資している。
本業ではアニメ版「銀魂」、「スーパー戦隊シリーズ」などの脚本を手がけ、2020年公開の映画「デジモンアドベンチャー」も担当。愛馬との数年間に及ぶ足跡を綿密に綴った『ジャスタウェイな本』などの執筆も手がけた。