初めての個人所有馬ジャスタウェイがレーティング世界No.1の評価を獲得し、種牡馬に。
人並み外れた馬運の持ち主が脚本家という本業のキャリアを活かし、馬主ライフを書き下ろします。
『夏休み特別寄稿 久慈、仙台、東北遠征編その4』
2019/10/10(木)
皆さん、こんにちはライター大和屋です。今回はいつまでも引っ張っているわけにはいかないので東北遠征3日目、仙台でのエピソードを書こうかと思います。
でも、その前に、今週の府中の牝馬限定の未勝利戦に我が愛馬、エオスモン(牝2、栗東・須貝尚厩舎)が出走します。とまあそんな折にまた台風なので、なんともかんともなのですが、鞍上は岩田康誠騎手。ダート替わりでの変わり身を期待したいと思います。芝ではあんな感じでしたのでなんとかここで可能性を見出して欲しいですね。そもそも台風直撃な感じなので予定通りに開催するのかどうかも怪しいのですが……。
そしてカリボール(牡3、栗東・須貝尚厩舎)、登録している菊花賞(G1)ですが、出走の方向で調整していくとのことです。中一週ではありますが、体調に不安があるようでしたら出走はしないと思いますので、ここは頑張って欲しいですね。鞍上は藤井勘一郎騎手。手の内に入れてくれている騎手を確保できてよかったと思います。
人気は他にいますので、折り合いに集中してなんとか距離をこなしてほしいです。母父サクラバクシンオーということで不安視する向きもありますが、だとしたら1800mで走っているのもおかしな話になってきますし、大丈夫に違いない。さらに言えばあのキタサンブラックだって母父サクラバクシンオー。世の中見た目の血統だけではわからないことはいくらでもあるのです。
はからずも今年の3歳の中では先頭を走ってくれていたジャスタウェイ産駒であるヴェロックス(牡3、栗東・中内田厩舎)との対戦となりますね。思えば去年の秋口には肺炎にかかったりしてデビューすることすら危うかった、ひ弱い仔でしたが、今やすっかり出世して、あのヴェロックスと同じレースに出走することになるなんて、かなり感慨深いと言ってもいいでしょう。
ヴェロックスは今年のクラシックの中心にいた馬です。とても強い馬だとわかってはおりますが、うちの仔だって連対外したことはない真面目に走る賢い仔です。レースっぷりを見ても昔の父を見ているかのような豪快な追い込みを何度も決めてくれています。33秒台の脚もコンスタントに使ってきますし、まだ底は見えていないと言ってよいでしょう。来週もこんな話を永遠書くかと思いますが、まあ久しぶりのG1ですのでご勘弁を。
では本題である東北遠征仙台編です。3日目は八戸から仙台へ移動します。車で15分ほどの移動を経て新幹線の八戸駅へとやってきます。やはり新八戸のほうが街として開けておりました。ここ八戸はいかにも新幹線の駅といった感じです。とどこおりなく新幹線に乗り込むと、とどこおりなく仙台へ到着しました。
仙台の街の第一印象は木が多い。でした。すごく整備されていて大きな公園がいくつもあり、並木道の木がとても立派だったような気がします。そして駅前は下手な東京の駅より栄えているといってよいでしょう。
そんな仙台の街、最初に僕が足を向けた場所は、プロソフトクリーマーの森川さんに仙台に行くなら是非と勧められていた。喜久水庵のミニずんだパフェ。ずんだと白玉とソフトクリームが絶妙なバランスの逸品です。美味しかったので仙台に行くことがまたあればリピート確実です。美味しかったです森川さん。
次に向かうは自称冷やし中華発祥の店に冷やし中華を食べにいくことでした。龍亭という店なのですが、お客さんの大半が冷やし中華を頼んでおりました。
その冷やし中華ですが、普通に美味しかったです。本当にここが発祥なのかは僕にはわかりかねますが、とても上品なお味でした。そんなこんなで観光を楽しんだ後、荷物を置きに宿へと向かいます。ここで大失敗だったのが、仙台なんとかホテルという所を予約したのですが、仙台の駅から車で30分もかかるというお前それ仙台じゃないだろ的なホテルに泊まってしまったことでした。
時間がなかったのでタクシーに乗るしかなかったのですが、はっきりいってその金で駅前のホテル泊まれたんじゃないかというくら遠かったです。ゆっくりする暇もなくイベント会場へ向かうことになりました。
というわけで東映の関さんに呼んでもらい、ほぼほぼ僕のデビュー作にかなり近い初期の参加作品であるおジャ魔女どれみシリーズのイベントに参加させていただき、あの頃の辛い思い出や楽しい思い出を語ったり、声優さん達のオンステージなんかを眺めていたりしたイベントに参加しました。懐かしいという思いと共に、辛い思いでがつぎつぎと蘇ってまいります。
ちなみになんで呼んでいただいたのかというと、来年3月に公開予定のデジモンの劇場版のシナリオを書かせてもらったのをきっかけに、現在ネットで更新している来年夏の新劇場版「魔女見習いを探して」の番宣的なフラッシュアニメ「おジャ魔女どれみお笑い劇場」というYOUTUBEの配信番組を書かせていただきました。
その延長で仙台でうまいものを合言葉にイベントに参加させてもらったのです。来年の劇場版の番宣のイベントです。盛り上がってくれるといいなあと思いつつ、できる限りの記憶力を総動員して昔の番組のエピソードなんかを話してみた次第です。とはいえ僕らはあくまでおまけで映像や声優さんに黄色い声がきゃーきゃーとあがっておりました。
さて、イベントが終わればメインイベントです。仙台といえば牛タン、牛タンといえば仙台。仙台に来たので牛タンをたらふくいただきました。牛タン焼きに、牛タン味噌煮、牛タン餃子、牛タン唐揚げなど牛タンづくし。すっげえ美味かったと言っておきましょう。その日は倒れるまで飲んで宿へと戻って行きました。
次の日、四日目です。関プロデューサーと国広プロデューサーと共に劇場版のヒット祈願(馬の勝ち守りを買いました)と番組に絡めた建物探訪や観光なんかをして、ビールを飲んで帰りました。こういう理由がないとなかなか東北に旅行なんてことにはならなかったと思います。なかなか楽しい旅行だったと思います。食べ物も美味しかった。やはり寒い所の食べ物は皆美味しいですね。
ちなみにおジャ魔女どれみの新劇場版「魔女見習いを探して」は来年の初夏、そしてライトノベルのTV版おジャ魔女どれみの後日談、「おジャ魔女どれみ20S」も講談社から発売しているんじゃないかと思います。劇場公開に合わせて復刻の玩具やなんかも続々出ているようなので興味のあるかたは是非。ちなみにデジモンの新作の劇場版は3月に公開予定です。
最近はようやく競馬の話が盛り上がってきたので、本来の趣旨である競馬のコラムとして機能しはじめてくれてほっとしております。久しぶりのG1出走ということも手伝い周辺も盛り上がっております。まずはエオスモンになんとか先のある競馬をしてもらい、菊花賞へとつなげていければいいなと思います。
エオスモンに関して言うと、新馬の前から調教や動きを見ているとスピードがあり、やれそうだという評価を牧場やトレセンのいろんな方から聞いておりました。芝の2戦があんな感じだったので、ダートでそのスピードが開花してくれるのではないかと期待しております。鞍上も岩田騎手、個人的にもかなり期待しております。
台風で代替になるかもしれない状況ではありますが、可能な限り応援に駆け付けたいと思っております。エオスモン、頑張って!
了
プロフィール
大和屋 暁 - Akatsuki Yamatoya
脚本家・作詞家・ライター。若くして一口馬主に出資を始め、クラブ馬主歴2年目にハーツクライと運命的な出会いを果たすと、有馬記念、ドバイシーマクラシックを制す大活躍。しかし、ノド鳴りによるアクシデントに見まわれ、突如として引退したことに一念発起、馬主になる決心を固めた。個人馬主としては、初めてデビューを果たした所有馬ジャスタウェイが大活躍の強運ぶりを発揮。遂には、目標であったドバイ遠征を実現させ、ドバイデューティーフリー(現在のドバイターフ)を圧勝。「自らの馬でドバイを勝つという」夢を実現させたばかりでなく、そのパフォーマンスが評価され、2014年度のワールドベストレースホースランキングでは、日本馬史上初の1位を獲得している。
現在の現役所有馬はカリボール、マジカルステージ、ジャスコ、キングロコマイカイ。一口馬主や共有馬ではアウィルアウェイ、ルーツドール、イストワールファムなどに出資している。
本業ではアニメ版「銀魂」、「スーパー戦隊シリーズ」などの脚本を手がけ、2020年公開の映画「デジモンアドベンチャー」も担当。愛馬との数年間に及ぶ足跡を綿密に綴った『ジャスタウェイな本』などの執筆も手がけた。