初めての個人所有馬ジャスタウェイがレーティング世界No.1の評価を獲得し、種牡馬に。
人並み外れた馬運の持ち主が脚本家という本業のキャリアを活かし、馬主ライフを書き下ろします。
『今年もよろしくお願いいたします』
2024/1/10(水)
皆さん、こんにちは。ライター大和屋です。まず最初に被災された皆さまにお見舞い申し上げます。年明けそうそうこんなに暗い気持ちになるお正月はなかなかないのではないでしょうか?一日も早い復興を願います。
競馬をすることができ、仕事ができることに感謝しつつこれからも生きていきたいと思います。というわけで今年最初の更新です。本当は去年のうちに一回しようと思っていたのですが、何を書こうかとぐずぐずしている隙に競馬ラボの仕事が収まってしまったので年明けということになりました。
それでは行ってみましょう。まずは去年の振り返り、去年は全部で3勝。データベースによると賞金は6000万円くらい。一昨年に比べると少し落ちました。その内訳はヒヒーンの新馬、オシゲの未勝利、キングロコマイカイの石狩特別の3つ。一昨年の勝ち鞍に比べると下級条件が多かったのですが、入着賞金でじわじわ稼いでくれていたようです。皆よく頑張ってくれました。ありがとうございます。
それでは今年の2歳は総勢3頭です。まずはイイナヅケの22。もう言うまでもないですがジャスタウェイ産駒の男の子。毎年良い子を産んでくれているイイナヅケ。エルデストサン、ヒヒーンに次いで爆発的な活躍を期待したいです。
今年こそはと思っています。ここまでなんの問題もなく順調に来ております。脚元のほうも内向気味だったそうですが、しっかりケアしてくれているかと思われます。順調にデビューし、イイナヅケの最高傑作となってくれるでしょうか?期待しかありません。
次にオツウの22、父はマクフィ。毎年堅実に走ってくる産駒ですが、ここらで大物を期待したい。皆の祈りがきっと結実しこの仔は走ってくれるに違いない。私所有の馬ではありますが、彼や彼のお母さんの周囲には優しく献身的な人達が沢山ついてくれています。走ることが義務付けられた運命ではありますが、きっと皆の祈りや願いに答えてくれると思っています。頑張ってほしい。ちなみにここまで順調にきていますので、このまま順調にいってほしいです。
3頭目はマダムジェニファーの22。ナダルの牝馬。先日、脚の手術をしています。これ以降は順調にいってほしいです。ジェニーもコウリュウも今のところ結果が出ていませんのでこの仔には是非頑張ってほしいです。
とまあ今年はこの3頭のラインナップでクラシックを目指します。振り返ってみればどの馬も頑張ってほしいと思うしかないのですが、今年もきっと頑張ってくれるはず。自分で言うのもなんですが、自家生産でこれだけの勝ち上がってくれるのは凄いことだと思います。
5頭の勝ち上がり、勝てなかった二頭もどちらも2着まではきています。本当にすごいです。自分が何かしたわけではないのであれなのですが、周囲にいてくれるスタッフの皆さんに感謝というしかありません。
何から何まで手配してくださるマネージャーのNさん。牧場スタッフの皆さん、特に去年は辻牧場の皆さんには本当にお世話になりました。いろいろとわがままいってすみません、お陰様で私の馬達は良い馬生を送れていると確信しています。
さらには調教師とそれを支えるスタッフの皆さん。いつもありがとうございます。皆さんが一生懸命やってくれているお陰で馬達が頑張ってくれているのです。そして今年もきっとやってくれるに違いありません。よろしくお願いいたします!
昨年はプリティジェニー、マジカルステージ、ジャスコらが引退。中でも順調ならOPも狙えたのではないかと妄想していたマジカルステージの引退は残念でなりませんでした。とはいえ皆、無事に繁殖にあがることができ、子供達によるリベンジが期待できます。
ずっと頭打ちだったカリボールも前走ようやく復調の兆しが見えました。ヒヒーンも休養をはさんできっと巻き返してくれることでしょうし、パッカパッカブーは馬体が戻ってきているので次こそはきっと力を発揮してくれるはずです。
話はかわって繁殖のお話です。私所有の繁殖牝馬の筆頭ともいえるオツウなのですが、繁殖牝馬を引退しました。数年前から脚元の具合が悪かったのですが、今年は種付けを見合わせ様子を見ていたのですが、やはりもう繁殖に耐えられないとの判断が下されました。
そんなオツウの最後の仔、オツウの23なのですが、喉の一部が形成されないという奇形で生まれてきてしまい栄養をうまく接種できないとのことで予後不良の診断がくだされてしまいました。そんな悲しい状況の中、さらなる追い打ちでイイナヅケの23が腰フラになってしまいこちらも予後不良。
今年の一歳の仔は今の段階で二頭が脱落。去年は本当に競馬は厳しいと思い知らされる出来事が立て続けに起きてしまいました。オツウなのですが辻牧場さんで面倒をみていただいていたのですが、坂が多い辻牧場さんよりも平地が多いところに放牧したほうが脚元にも良いだろうとのことで、レジェンドファームさんに功労馬として預かっていただくことになりました。
私にとってはジャスタウェイに次ぐ功労馬、新馬戦を勝った時はその勝ちっぷりに大きな舞台を期待しました。その後もずっと頑張ってくれオープンまで上り詰め、重賞でも好走してくれた上に、引退後は毎年良い仔を産んでくれ、子供達は皆良い走りを見せてくれておりました。今まで本当にありがとうございました。
一日も長く余生を穏やかに過ごしてください。あなたには本当に感謝の言葉しかありません。そしてレジェンドファームさん、オツウをよろしくお願いいたします。そんなオツウの一番仔であるマジカルステージはノーザンファームさんで預かっていただき繁殖入りしています。お母さんの血を受け継いで良い仔を産んでくれることでしょう。
そして去年はプリティジェニーも引退繁殖入り、こちらは生まれ故郷の辻牧場さんで繁殖入りです。辻牧場さんへ移動となったイイナヅケとすっかり貫禄の出てきたマダムジェニファー、総勢4頭の繁殖牝馬を所有することになりました。何をつけるかはまた後日報告したいと思います。
去年は辛いことや嫌なことが多かった一年でした。さらには世の中がこんなスタートを切ってしまい、私も困惑気味でございます。
少しでも良い世の中に、楽しい世界になってほしいと願いつつ。嫌なこと、辛いことがあるならば、その次には良いこと、嬉しいことが起きてくれるに違いないと信じていこうと個人的には思っております。
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了
プロフィール
大和屋 暁 - Akatsuki Yamatoya
脚本家・作詞家・ライター。若くして一口馬主に出資を始め、クラブ馬主歴2年目にハーツクライと運命的な出会いを果たすと、有馬記念、ドバイシーマクラシックを制す大活躍。しかし、ノド鳴りによるアクシデントに見まわれ、突如として引退したことに一念発起、馬主になる決心を固めた。個人馬主としては、初めてデビューを果たした所有馬ジャスタウェイが大活躍の強運ぶりを発揮。遂には、目標であったドバイ遠征を実現させ、ドバイデューティーフリー(現在のドバイターフ)を圧勝。「自らの馬でドバイを勝つという」夢を実現させたばかりでなく、そのパフォーマンスが評価され、2014年度のワールドベストレースホースランキングでは、日本馬史上初の1位を獲得している。
現在の現役所有馬はカリボール、マジカルステージ、ジャスコ、キングロコマイカイ。一口馬主や共有馬ではアウィルアウェイ、ルーツドール、イストワールファムなどに出資している。
本業ではアニメ版「銀魂」、「スーパー戦隊シリーズ」などの脚本を手がけ、2020年公開の映画「デジモンアドベンチャー」も担当。愛馬との数年間に及ぶ足跡を綿密に綴った『ジャスタウェイな本』などの執筆も手がけた。