初めての個人所有馬ジャスタウェイがレーティング世界No.1の評価を獲得し、種牡馬に。
人並み外れた馬運の持ち主が脚本家という本業のキャリアを活かし、馬主ライフを書き下ろします。
『ジャスタウェイ引退式』
2015/1/10(土)
皆さんこんにちは、ライター兼馬主の大和屋です。今日は先日行われたジャスタウェイの引退式について書きたいと思います。といっても、まあ新たに書くようなこともあまりありませんが、写真でうまく補ってくれることを祈りつつ……。
皆さん今までジャスタウェイの応援ありがとうございました。先日の引退式、あれだけ沢山の人が残ってくれるとは思ってもみませんでした。寒い中、本当に感謝です。ほんとすっごい寒かったです。口どりやセレモニーの時は、基本関係者はコートとかを着てはいけないことになっているのでかなり寒かったです。ぶっちゃけ鼻水出ました。
当日は京都競馬場の皆さんに色々とお世話になりました。ありがとうございました。というわけでJRAさんの御好意で、来賓室という素敵な部屋に友人親戚知人一同入れてもらいました。そこはとても素敵な広い部屋で、とても優雅な気分になりました。貧乏性な僕らはお弁当を注文せずに、各自お惣菜と酒を持ち寄り一日過ごしました。各自持ち寄ったのはいいのですが、皆考えることは同じなようでカツサンドとおにぎりと柿の葉寿司がやけに大量に集まりました(笑)。まあそれはいいとして、楽しく一日競馬を楽しんでいた親戚や友人達を見ていると、何やらほほえましかったです。
ですが、こちらはそれどころじゃありません。どんな挨拶をすればいいのかで、頭が一杯、引退式に駆けつけてくれた友人、知人の皆さんにご挨拶をしている間にあっというまに夕方です。一応、放送業界の端っこの人間ですし、ライターですのでなにかしら面白いことを言わねばなりません。
と思いつつ、最後くらいは真面目に行こうかとも思いつつ。時間が迫れば迫るほど緊張してきます。いやあ、シナリオの打ち合わせでは適当なことを、それっぽく言うぐらいの技術はいくらでも持ち合わせているんですけど、あんなに大勢の前で話をするのは何度やっても慣れるということはありません。長すぎても迷惑ですし、短すぎてもダメですし。とまあ色々と悩んでいるうちにあっというまに引退式の時間になってしまいました。
最終レース終了後、ウイナーズサークルへと移動して、ジャスタウェイの登場を待ちます。入場曲はミスチルの「終わりなき旅」。榎本君調教助手がミスチルの大ファンだということでこの曲を選びました。いつも真面目に一生懸命走ってくれたジャスタウェイの馬生にあった良い曲だったと思います。本当に孝行息子に感謝です。
きっと何かふざけたことをやってくるだろうと思っていた知り合い達は一様に驚いておりました。僕だって真面目にやろうと思えばできるのです。というわけでしっとりした名曲と共にジャス君が入場、最後の走りをファンの皆さんにお披露目しました。なんというか、気のせいかもしれませんがいつものレース前のジャス君よりも顔つきが優しかったように見えました。
キャンター終了後は記念撮影です。G1の口どりの時のように皆で並んで写真撮影。そして須貝先生、福永さん、(生産者の)角田先生、そして榎本君のご挨拶。皆さんとても感慨深い素敵なコメントをしていただきました。
最後の僕のご挨拶、思ったよりもどっかんどっかん来ませんでしたが、まあ仕方ありません。なんせファンの皆さんは笑いではなく感動を求めていたのですから、と自分を慰めつつ。感動的なとても良い引退式だったのではないかと思っております。
というわけでジャスタウェイは引退し、社台スタリオンステーションで種牡馬になります。これからはまた新たな競争が始まります。皆さんこれからもジャスタウェイを応援してください。そしてジャスタウェイの子供達の応援もよろしくお願いします。牧場、外厩、騎手、厩舎関係者の皆さんありがとう。そしてファンの皆さん、本当にありがとうございました。
次回予告
ロンジンワールドベストホースアワードの表彰式に行ってくる予定です。なんだか情報が錯そうしたり、遅かったりなど色々あったんですが、なんとか伺わせていただく方向です……。
そして宣伝
2月中旬に本を出すことになりました。タイトルは「ジャスタウェイな本」。大和屋本人書き下ろしの回顧録です。はっきり言うとまだ書き終わってないので、間に合うのか間に合わないのか、かなり危険な綱渡り状態です。無事出版の日を迎えられることを僕自身今から切に祈っております。皆さんまだ全然書き終わっていませんが、恐らく面白い本になると思われますので是非にお買い求めください。よろしくお願いします。詳細わかりましたらまた報告しますね。
了
プロフィール
大和屋 暁 - Akatsuki Yamatoya
脚本家・作詞家・ライター。若くして一口馬主に出資を始め、クラブ馬主歴2年目にハーツクライと運命的な出会いを果たすと、有馬記念、ドバイシーマクラシックを制す大活躍。しかし、ノド鳴りによるアクシデントに見まわれ、突如として引退したことに一念発起、馬主になる決心を固めた。個人馬主としては、初めてデビューを果たした所有馬ジャスタウェイが大活躍の強運ぶりを発揮。遂には、目標であったドバイ遠征を実現させ、ドバイデューティーフリー(現在のドバイターフ)を圧勝。「自らの馬でドバイを勝つという」夢を実現させたばかりでなく、そのパフォーマンスが評価され、2014年度のワールドベストレースホースランキングでは、日本馬史上初の1位を獲得している。
現在の現役所有馬はカリボール、マジカルステージ、ジャスコ、キングロコマイカイ。一口馬主や共有馬ではアウィルアウェイ、ルーツドール、イストワールファムなどに出資している。
本業ではアニメ版「銀魂」、「スーパー戦隊シリーズ」などの脚本を手がけ、2020年公開の映画「デジモンアドベンチャー」も担当。愛馬との数年間に及ぶ足跡を綿密に綴った『ジャスタウェイな本』などの執筆も手がけた。