初めての個人所有馬ジャスタウェイがレーティング世界No.1の評価を獲得し、種牡馬に。
人並み外れた馬運の持ち主が脚本家という本業のキャリアを活かし、馬主ライフを書き下ろします。
『弥生賞』
2015/3/4(水)
弥生賞
皆さんこんにちは、ライターの大和屋です。まず最初に後藤浩輝騎手のご冥福をお祈りいたします。過去にはジャスタウェイにも乗っていただいたことのある、関東でも屈指の人気ジョッキーの訃報、本当に残念でなりません。
今週末には大阪場所が始まります。この前、初場所があったかと思ったらもう3月、時がたつのは早いものです。今場所の注目はなんといっても輝(かがやき)です。輝現在十両二枚目、勝ち越せば幕内力士の仲間入りです。高田川部屋は個人的に応援していますので、是非頑張って勝ち越してほしい。
他、先場所で十両入りした阿武咲(おうのしょう)、棟広コンシェルジュ一押しの枡ノ山、そして今場所十両にあがってきた石浦、皆若くて肌がきれい、これからが楽しみな若い力士が目白押しで見どころ満載と言っていいでしょう。今十両が熱いです。
ていうか最近十両の話しかしていないような気がしますが、幕内もちゃんと見ています。今場所幕内で一番頑張ってほしいのは最近元気のない勢。肩の怪我がどのくらい回復しているかがカギですが、是非とも頑張って欲しいものです。
とまあそんな感じで相撲の他にも重大なイベントが週末には待っています。週末の日曜日、僕が一口会員をやらせていただいているベルラップが弥生賞(G2)に出走します。去年の暮れから充分休養、一回り大きくなって厩舎に戻ってきたようです。相手関係は一気に骨っぽくなりますが、ここで良い勝負をするようでしたら、大目標である皐月賞への期待が大きく膨らみます。あくまで本番へのステップレースですので100%の仕上がりということはないでしょうが、どんなレースをしてくれるのか本当に楽しみです。
調子はとても良いそうです。先日(まだ入厩したてのあたりの話ですが)須貝先生と電話で話した時には「物凄く調子がいい」と言っておりました。相手関係もあるので勝てるかどうかはやってみないとわからないけど、と前置きしつつ、競馬場に応援に来ることをしきりに僕にお勧めしてくれました。その口調からこちらが勝手に判断すると“かなり自信あり”と読み取りました。こちらの勝手な想像ですが、つまりそれは口取りしに来たらいいじゃん、くらいの勢いなんじゃないのかと僕は勝手に思っています。
その証拠というわけではありませんが、一週前追い切りは坂路で52秒台の優秀なタイムです。最後のひとハロンも12秒台半ばでまとめています。これはもうはっきりいって一流馬の時計です!しかも今週の最終追い切りではゴールドシップと併せているのは厩舎の期待の表れと言っていいでしょう。須貝先生気合入ってます。
気合が入っているのはこちらも同じ、ベル君の帰厩をずっと待ち望んでおりました。去年の暮れに重賞を勝ったおかげでクラシックへと逆算しながら調整できたというのは、本当に大きなアドバンテージ。寒い冬場を休養というか成長を促すことにあてることができたというのは本当にありがたい。でもって須貝厩舎ということですので、休養明けが問題になるとは思えません。じっくりと調整されているはずですので、動ける態勢は整っていることでしょう。本番のことも考え、早々に鞍上は奥さんがとても美人なイケメン浜中騎手に決定しています。どんなレースをしてくれるのか、鞍上の手腕もとても楽しみです。
今年のクラシック戦線、現状ではまだこれだという大本命は決定していないような気がします。ここで強い競馬をし、クラシック候補として名乗りをあげてくれると嬉しいです。とかいいつつも今年の弥生賞は強そうな馬が揃いましたね。ベルラップを含めて重賞勝ち馬が7頭、よりによってそんなに揃わなくてもいいんじゃないかというくらいに揃ってます。まあ弥生賞ですから、そういうものといえばそういうものなんでしょうけど、やはり強敵が多いと周囲の動向が気になります。馬柱を見れば見るほど皆強そうに見えてくる。
しかし、ここはベル君頑張ってくれることでしょう。今までだってクラシック候補と言われた強豪達をあっと言わせるしぶとい走りで負かしてきたわけですからね。ベルラップの良いところは前目で競馬ができること、小回りの中山ではそれは大きな武器になります。ベル君本人も右回りは走りやすそうですので、いいんじゃないんでしょうか?
更に言えば2000mという距離もとっくの昔に経験済み、前にも書きましたが、距離不安とか言われないで済むのは、とても気分が落ち着きます。勝負根性も一級品、一度でも先頭にたってくれればしぶとく粘ってくれることでしょう。メンバー唯一の3勝馬、決して格下なんかじゃありませんからね。
人気にはあまりならなさそうですが、それはいつものことなので気にしません。デビュー前から関係者一同より相当な期待を受けていたベルラップですので、きっと良いレースをしてくれることでしょう。
あとは真っ直ぐ走ってくれることを切に祈ります。頑張れ!ベルラップ!
了
はみだしジャスタウェイ情報
先日社台スタリオン場長の角田先生からお電話いただきました。今回の報告は「順調」という報告でした。真面目に取り組んだ結果、種付けも上達、今やすっかり床上手、とまではいかないかもしれませんが、「上手くなった」と言ってくださいました。受胎確認も順調にされているようですので、皆さま今後ともジャスタウェイのこと、よろしくお願いいたします。
プロフィール
大和屋 暁 - Akatsuki Yamatoya
脚本家・作詞家・ライター。若くして一口馬主に出資を始め、クラブ馬主歴2年目にハーツクライと運命的な出会いを果たすと、有馬記念、ドバイシーマクラシックを制す大活躍。しかし、ノド鳴りによるアクシデントに見まわれ、突如として引退したことに一念発起、馬主になる決心を固めた。個人馬主としては、初めてデビューを果たした所有馬ジャスタウェイが大活躍の強運ぶりを発揮。遂には、目標であったドバイ遠征を実現させ、ドバイデューティーフリー(現在のドバイターフ)を圧勝。「自らの馬でドバイを勝つという」夢を実現させたばかりでなく、そのパフォーマンスが評価され、2014年度のワールドベストレースホースランキングでは、日本馬史上初の1位を獲得している。
現在の現役所有馬はカリボール、マジカルステージ、ジャスコ、キングロコマイカイ。一口馬主や共有馬ではアウィルアウェイ、ルーツドール、イストワールファムなどに出資している。
本業ではアニメ版「銀魂」、「スーパー戦隊シリーズ」などの脚本を手がけ、2020年公開の映画「デジモンアドベンチャー」も担当。愛馬との数年間に及ぶ足跡を綿密に綴った『ジャスタウェイな本』などの執筆も手がけた。