初めての個人所有馬ジャスタウェイがレーティング世界No.1の評価を獲得し、種牡馬に。
人並み外れた馬運の持ち主が脚本家という本業のキャリアを活かし、馬主ライフを書き下ろします。
『競馬に切れ目はありません』
2015/6/12(金)
……というような感じで書き始めていたのですが、気付くと一週間が過ぎておりました。というわけで今週はエプソムカップ!……でもなく多摩川ステークスです!オツウが出走予定なんですが、ハンデ51㎏くらいで走らせてはもらえないでしょうかね?前走掲示板にのってないんだから、せめて53㎏でいいんじゃないでしょうか?とかうだうだ言っていますが、54㎏で出走です。
……などと書いているうちに、もう一週間の半分を過ぎてしまいました。このままではいつまでも原稿があがらないので、なんとか文字数を稼ごうとしている大和屋です。いちおうオツウが走るんですけど、特に特筆することがあるのかと考えてみると、走る時はいつも「頑張れ!」以外に言うことはないんですよね。今回は2度目の騎乗となる三浦騎手、でもって中間、吉澤ステーブルに放牧に出し、具合がよくなって戻ってきたみたいです。状態はかなりいいとのことでしたので、今回も僕は期待しています。
でもって今回は多摩川Sの出走ということになりますが、一応マーメイドSにも登録があったことは全国のオツウファンなら知っていたことでしょう。これ一応ダブル登録になっていましたが、結構前の段階(入厩したぐらい)から須貝先生は「こちらの準オープンを使う」と言っておりました。一応、相手関係を見つつマーメイドの可能性もありますよ、的なニュアンスだったので、まあ東京だよなと思いつつも、でも、もし阪神だったらどうしようとか思っていた僕がいたりしました。
だってもうあれですよ。メインレースの出走でもないくせに、すっごいお願いして出走馬主席にねじ込んでもらいましたから。応援団もすっかり手配済みですよ。もし格上挑戦になっていたら関係各所にワビを入れ、席をとりなおし、ホテルの部屋とって電車の切符を買わねばなりません。そんなことになったらどうしよう、とか少し思っていたのも、このダブル登録という奴のお蔭です。まあ、変更があった場合すぐに連絡が来るんですけどね。
では、このダブル登録ですが、何故するのでしょう?土日合わせて特別登録なんかを見ると、色々なところに登録している馬とかよく見かけますよね?言うまでもないかもしれませんがこれって、
1、出られそうにないけど一応登録する場合。
2、どちらに出てもいいけど相手次第な場合。
他、とりあえずわざと除外されて除外された権利を得る場合もあるんですけど、今回はオツウについての事に照らし合わせて書かせてもらいます。まあ、見ての通りなんですが、今回のオツウの場合、出られないことはない感じでしたので、一応、両にらみという形であったと言えます。登録はするものの、マーメイドSのほうは相手を見てから考えます、でも、まあ、ほぼ東京だと思います。みたいな感じだったのです。
何故こうなるかというと、オツウが準オープンの牝馬だからこうなります。これはまあどう考えるかは人によるんですが、牝馬の準OPの馬の場合、準OPの牝馬限定戦というのがほとんどないので、普通に準OPで男馬相手に走らせるよりは、格上挑戦をしたほうが勝負になるという計算が働くからです。実際オツウも2回ほど格上挑戦して、調子を崩してしまった過去があるくらいなので、関係者の皆さんはそこらへんのことはいつも考えている感じです。
更にはクラスが違うので距離が近かったりすることもあるんで、より悩ましい感じになります。実際去年のオツウも1000万条件を勝ちあがって勢いにのっていっちゃえばいいじゃん!的な空気にもなったんですが、降級を控えていたので、自重したのももう一年前の話です。
なんというか本当に競馬は難しい。レース選びから難しいんですから、そりゃあ勝つのなんてもっと難しいですよ。と今年0勝の僕が言ってみます。そろそろひとつ勝ちたいです。頼みます!
とまあ、そういうわけで今回も格上挑戦はせずに準オープンで勝負です。早く格上とか気にしないポジションへいってくれると嬉しいなぁ。なんとかして三浦さん!
了
はみだしベルラップ情報
ダービー出走を果たしたベル君でしたが、残念なことに骨折が判明しました。ですが、剥離骨折でそれほど深刻なものではないそうです。と書こうとしたら全治6か月の重傷だったことが新たに判明してしまいました。悲しい、けどゆっくり治してまた競馬場に戻ってきてください。待ってます。
プロフィール
大和屋 暁 - Akatsuki Yamatoya
脚本家・作詞家・ライター。若くして一口馬主に出資を始め、クラブ馬主歴2年目にハーツクライと運命的な出会いを果たすと、有馬記念、ドバイシーマクラシックを制す大活躍。しかし、ノド鳴りによるアクシデントに見まわれ、突如として引退したことに一念発起、馬主になる決心を固めた。個人馬主としては、初めてデビューを果たした所有馬ジャスタウェイが大活躍の強運ぶりを発揮。遂には、目標であったドバイ遠征を実現させ、ドバイデューティーフリー(現在のドバイターフ)を圧勝。「自らの馬でドバイを勝つという」夢を実現させたばかりでなく、そのパフォーマンスが評価され、2014年度のワールドベストレースホースランキングでは、日本馬史上初の1位を獲得している。
現在の現役所有馬はカリボール、マジカルステージ、ジャスコ、キングロコマイカイ。一口馬主や共有馬ではアウィルアウェイ、ルーツドール、イストワールファムなどに出資している。
本業ではアニメ版「銀魂」、「スーパー戦隊シリーズ」などの脚本を手がけ、2020年公開の映画「デジモンアドベンチャー」も担当。愛馬との数年間に及ぶ足跡を綿密に綴った『ジャスタウェイな本』などの執筆も手がけた。