初めての個人所有馬ジャスタウェイがレーティング世界No.1の評価を獲得し、種牡馬に。
人並み外れた馬運の持ち主が脚本家という本業のキャリアを活かし、馬主ライフを書き下ろします。
『馬名決定』
2018/5/31(木)
皆さんこんにちはライター大和屋です。とうとう今週末より始まる二歳新馬、ジャスタウェイ産駒が走り始めます。すでにゲート試験に合格している仔も何頭もいますし今週来週デビュー予定の馬もいたりいなかったり、僕が持っている一口の馬も再来週にデビュー予定。産駒の中での一番の期待馬であるアドマイヤジャスタ(牡2、栗東・須貝尚厩舎)もすでにゲート試験は合格済み、須貝先生とも話しましたがアドマイヤジャスタを筆頭に手ごたえのあるジャスタウェイ産駒がいっぱいいすぎて楽しみで仕方ない様子でした。
そんな中、僕の持ち馬、レイズアンドコールの2016もそろそろ移動して入厩するんで書類を送ってくれとの指示を受けました。ということは名前を付けなくてはなりません。知らない人もいるかもしれないので言っておくと、名前をつけないとトレセンには入厩できません。ということで急いで名前を決定しなければならないという状況になったのでいろいろと考えた挙句とうとう名前が決定したのです。
その名前を発表する前に皆に説明しておかなければならないでしょう。
皆さん。イクシオンサーガというゲームを知っているだろうか?数年前にオンラインで始まり一年ほど後に終了したあのカプコンの幻のゲームである。その宣伝のために作られたアニメーション、イクシオンサーガDTという番組があったのです。監督高松信二、キャラクターデザイン竹内進二、シリーズ構成大和屋暁というほぼあの番組と同じスタッフで作られました。止める人もいなかったのでかなり自由にやらせてもらった記憶がありますが、楽しい思い出とは裏腹にそれほどヒットには恵まれませんでした。ゲーム原作なのでほぼほぼ完全オリジナルといっていいでしょう。そんなイクシオンサーガDTのあらすじはこちら。
キンタマを潰された男、エレクパイルによる喪失と再生の物語です。
何を言っているかよくわからないかもしれませんが、端的に言えばそういう話です。中身についてはかなり自信をもってお勧めできるクオリティになっていますので皆さんブルーレイなどまだ売っていますので是非見てみてください。そんなエレク様のもつ武器こそが今回の名前です。その名も……
その名も聖剣『カリボール』
どことなく卑猥な響きにも聞こえますがこのカリボールという名前、エクスカリバーの別称であり決して卑猥な意味などありません。過去にはカリバーンという名のお馬さんもいましたが、格好良い聖剣からとったのがこの名前です。税込み5000万超えの馬の名前に果たしてふさわしい名前なのかどうなのか、かなり悩んでみましたが、意味としては聖剣ですし、時間がなかったのでまあいいかと、こうなりました。ジャスタウェイの時も時間がない中でつけた名前でしたので流れ的には良いのかもしれません。育成担当のかたも良い感じだとコメントしてくれています。ノーザンファームしがらきへと移動、そして入厩まであとわずかです。
イクシオンサーガDTを見るときに気をつけてほしいことをもうひとつ。主要キャラクターの全員ではありませんがほとんどの人たちの名前にはある共通点があるのです。競馬ファンにしかわからないその共通点に注目してみるのも一興かと思われます。
というわけで入厩の後にはゲート試験などありますが、それほど遠くない未来にデビューの日を迎えるであろうカリボール号、皆さん応援よろしくお願いいたします。そして競馬情報をもう一つ。マダムジェニファー(牝3、栗東・須貝尚厩舎)が今週末に走るそうです。放牧に出して状態は良くなっているそうなので巻き返しに期待したいと思います。それからもう一つ、今年も仲間内POGを開催することになりました。ジャスタウェイ産駒が走り出す中、今年だけは負けるわけにはいかないぞと心に誓う大和屋なのであった。
了
プロフィール
大和屋 暁 - Akatsuki Yamatoya
脚本家・作詞家・ライター。若くして一口馬主に出資を始め、クラブ馬主歴2年目にハーツクライと運命的な出会いを果たすと、有馬記念、ドバイシーマクラシックを制す大活躍。しかし、ノド鳴りによるアクシデントに見まわれ、突如として引退したことに一念発起、馬主になる決心を固めた。個人馬主としては、初めてデビューを果たした所有馬ジャスタウェイが大活躍の強運ぶりを発揮。遂には、目標であったドバイ遠征を実現させ、ドバイデューティーフリー(現在のドバイターフ)を圧勝。「自らの馬でドバイを勝つという」夢を実現させたばかりでなく、そのパフォーマンスが評価され、2014年度のワールドベストレースホースランキングでは、日本馬史上初の1位を獲得している。
現在の現役所有馬はカリボール、マジカルステージ、ジャスコ、キングロコマイカイ。一口馬主や共有馬ではアウィルアウェイ、ルーツドール、イストワールファムなどに出資している。
本業ではアニメ版「銀魂」、「スーパー戦隊シリーズ」などの脚本を手がけ、2020年公開の映画「デジモンアドベンチャー」も担当。愛馬との数年間に及ぶ足跡を綿密に綴った『ジャスタウェイな本』などの執筆も手がけた。