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騎手コラム

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凱旋門賞有力馬 徹底分析!

日本の王者はシャンティイで輝けるか!?

昨年、皐月賞や神戸新聞杯の結果から直線の急坂を不安視されていたが、今年の阪神大賞典を見る限り、またパワーアップしているように感じる。 ただ持久力勝負となった春の天皇賞で、外枠からポジションが取れず最後我慢比べで負けてしまった。持久力勝負になりやすい欧州競馬でポジションが取れなかった場合、力を発揮できるのかは疑問。

血統的には、母系は芝の時計が速いことで知られるアルゼンチンで活躍馬を多く出しており、時計の速い決着に不安はない。上り下りのある京都3000mの菊花賞を制してはいるものの、高低差10mというタフな競馬場で時計勝負になった時どうか。

走るたびに強くなる!英国が生んだ若き女傑

1番人気が予想される英国の女傑。抜群のゲートセンスで好位をキープし、早めの仕掛けで後続を完封する横綱相撲でキングジョージも制覇。道悪を苦にしないパワーと持久力、成長力を併せ持ち、死角は少ない。血統的に言えば、父はシャンティイ開催の凱旋門賞と相性がいいサドラーズウェルズ系のナサニエル。いとこに凱旋門2着2度のフリントシャーがいるのも心強い。不安があるとすれば、ここまで時計の速い決着を経験していないことか。そして消耗度が少ない馬が有利とされる凱旋門賞が、今年7戦目になる点も見逃せない。愛オークスを勝って中1週というタイトなローテで挑んだ2走前は、大雨でタフな馬場状態。目に見えない疲れが溜まっている可能性はある。

フランス3歳勢のエースに距離不安アリ!

今年の仏ダービー馬で、フランス3歳牡馬勢のエース的存在。凱旋門賞が行われるシャンティイコースで、切れ味鋭い末脚を発揮して2戦2勝であること、そして斤量面で古馬より2キロ以上軽いアドバンテージを得られる3歳馬という点はプラス材料だ。しかし8月の仏G2で1着から10馬身近く離されるまさかの大敗。父が現役時代マイラーだったこと、自身が未だ2100mまでしか走ったことがないことから、凱旋門賞本番での距離不安もささやかれている。

英国の名伯楽が送り出す、英国の牡馬のエース!

前走の英G1インターナショナルSは圧巻の内容だった。追い出されるとグンと加速。他馬をまさに子ども扱い。7頭立てながらG1馬5頭が揃った一戦で、相手は決して弱くない。この馬の長所は良馬場の時計勝負にも対応できるスピード、切れ味鋭い末脚。2走前のキングジョージでエネイブルに4馬身半の差をつけられ2着だったが、かなりの道悪で末脚が削がれる馬場。今週末のシャンティイの天気予報は当初の予報より好転しており、追い風が吹いている。まだ2400m実績はないものの、母は英オークス馬ライトシフト。今年レースを使うたびに強くなっている印象すら受ける。内枠を引いたことで前が壁になり詰まってしまう可能性はあるが、軽視は禁物だ。

目指せ母子制覇!超良血馬に地の利アリ!

母は08年の凱旋門賞馬ザルカヴァという超良血馬。昨年は仏2000ギニー5着、仏ダービー2着、ムーランドロンシャン賞4着と勝ち切れないレースが続いたが、今夏、初めての2400m戦となったサンクルー大賞で差し切り勝ち。初G1制覇を果たした。距離が延びて戦績が安定してきたタイプで、2000m以上の距離では6回走ってまだ4着以下がない。シャンティイコースの2000m以上のレースでは2回ともに3着以内だ。トライアルを使わず本番直行は気になる材料だが、母に凱旋門賞のタイトルをプレゼントしたフランスの名手・スミヨンが騎乗するとなると侮れない存在だろう。

欧州の王者・オブライエン厩舎の隠し玉!

今年の愛ダービー馬。凱旋門賞の前哨戦ニエル賞を完勝したクラックスマンを倒しての戴冠だった。休み明けで臨んだ前走の英セントレジャーも、スタミナを示す粘り込みで、着差以上の勝ちっぷり。そこから中1週という強行軍も、好調期はローテ間隔を詰めるオブライエン厩舎だけに心配はない。好位で運べる安定したレース振りも魅力で、スタミナ抜群、外枠という点は、昨年3着のオーダーオブセントジョージとダブる。同じくシャンティイで開催された昨年の凱旋門賞でガリレオ産駒が1〜3着を独占したガリレオ産駒。凱旋門賞連覇のトレヴらと似ている血統構成というのも魅力的。スピードが要求されるレースにならなければ楽しみな存在だ。

厩舎5頭出しの本命!?牡馬相手に戴冠なるか!

2歳時は3戦1勝と凡庸な成績だったが、今年に入って一気にブレーク。同厩舎の本命馬を倒したG1英1000ギニーを皮切りに、G1を4連勝する離れ業を見せた。その4連勝は全て違う競馬場でもあり、コース、馬場を問わない万能性を見せている。今回はオブライエン厩舎の「ファーストジョッキー」であるR.ムーアが騎乗することもあり、人気になるだろう。ネックは2000m以上がまだ未経験という点。父は昨年産駒がワンツースリーを決めたガリレオだが、母父が現役時代スプリンターだったショワジール。そして4連勝したG1全てが牝馬限定であり、前走の牝馬限定G1メイトロンSではまさかの2着。今回は真価が問われる一戦になるだろう。

スタミナ勝負はお任せ!今年も参戦欧州長距離王!

昨年の凱旋門賞3着馬で、欧州の長距離G1を3勝しているスーパーステイヤー。圧倒的なスタミナを武器に、道悪の長距離戦で相手を圧倒。前走のG1愛セントレジャー(芝2800m)ではタフな馬場だったにも関わらず、2着馬を9馬身千切った。昨年の凱旋門賞で高速時計決着にも対応しており、どんな馬場にも対応できる点も強みと言えるだろう。ここ4戦は去年とまったく同じローテーションを順調に辿ってきている。ネックを上げるとすれば、昨年の3着は鞍上のデットーリによる完璧なアシストの影響が強いことだろう。昨年は外枠から自由に動けたが、今年は序盤、ポジションを取れるかがカギとなる。